ネットミラーグループに接続されているディスクを交換する場合、以下の手順で交換します。
ディスクを交換可能な状態にします。
共用クラスの場合
ディスク交換を行うノードで、「物理ディスク交換」(または sdxswap -O コマンド)を実行します。
交換するディスク上の複数のパーティションがサーバ間ミラーリングの対象になっている場合、すべてのパーティションに対応する iSCSI デバイスに対して実行します。
ローカルクラスの場合 (sdxconfig Restore コマンドを使用してオブジェクト構成を復元した場合)
ローカルクラスのすべてのオブジェクト構成 (ボリューム、グループ、ディスク) を削除することにより、クラスが削除されます。
ディスクの削除は、sdxdisk -R コマンドを使用し、交換対象のディスクを先に削除します。
交換するディスク上の複数のパーティションがサーバ間ミラーリングの対象になっている場合、すべてのパーティションに対応する iSCSI デバイスに対してオブジェクト構成を削除します。
注意
ローカルクラスに、ネットミラーグループが存在する場合、「物理ディスク交換」 (または sdxswap -O コマンド) は実行できません。
業務を継続したまま、運用ノードのディスクを交換する場合、クラスタアプリケーションの切替えを行い、交換するディスクが接続されていない方のノードを運用ノードにします。
シングルユーザモードで再起動されるように、ディスク交換を行うノードの /etc/inittab ファイルを修正します。
# vim /etc/inittab |
[変更前]
id:現行のランレベル:initdefault: |
[変更後]
id:1:initdefault: |
ディスク交換を行うノードを停止します。
ディスクを交換します。
交換方法については、サーバやディスク装置のマニュアルを参照してください。
ディスク交換を行ったノードを起動します。
物理ディスク単位ではなくパーティション単位でサーバ間ミラーリングを行っていた場合、ディスク交換を行ったノードで、交換したディスクにパーティションを作成します。
パーティションは、交換前と同じ順序および同じサイズで作成してください。
ディスク交換を行ったノードで、/etc/tgt/targets.conf ファイルを修正します。
交換前のディスクの by-id ファイルのパスを、交換後のディスクの by-id ファイルのパスに修正します (KVM ゲストの virtio ブロックデバイスのパス /dev/vdX を記載している場合は、virtio ブロックデバイスのパス /dev/vdX に修正します)。
/etc/tgt/targets.conf ファイルの記述内容については、「4.6.3 iSCSI ターゲットの作成」を参照してください。
記述例
<target target-0101>
initiator-address 192.168.56.20
initiator-address 192.168.56.10
write-cache off
<backing-store /dev/disk/by-id/scsi-3500000e111c56611>
lun 1
scsi_id SDX01
</backing-store>
</target> |
マルチユーザモードで再起動されるように、手順3で修正した/etc/inittab ファイルの内容を元に戻します。
ディスク交換を行ったノードを再起動します。
ディスク交換を行ったノードで、ターゲット情報を確認します。
# tgt-admin --show |
実行例
# tgt-admin --show
Target 1: target-0101
・・・
LUN information:
・・・
LUN: 1 (*1)
Type: disk
SCSI ID: SDX01 (*2)
SCSI SN: beaf11
Size: 10000 MB, Block size: 512
Online: Yes
Removable media: No
Prevent removal: No
Readonly: No
Backing store type: rdwr
Backing store path: /dev/disk/by-id/scsi-3500000e111c56611 (*3)
Backing store flags:
・・・ |
(*1) /etc/tgt/targets.conf ファイル の lun に指定した番号
(*2) /etc/tgt/targets.conf ファイル の scsi_id に指定した値
(*3) /etc/tgt/targets.conf ファイル の backing-store に指定したパス
ディスク交換を行ったノードで、iSCSI セッションの状態を確認します。
iSCSI の接続状態とセッション状態が "LOGGED IN" であることを確認します。
実行例
# iscsiadm -m session -P 1
~略~
Target: target-0101
Current Portal: 192.168.56.20:3260,1
Persistent Portal: 192.168.56.20:3260,1
**********
Interface:
**********
~略~
iSCSI Connection State: LOGGED IN
iSCSI Session State: LOGGED_IN
~略~ |
両ノードで、iSCSI セッションをリスキャンします。
# iscsiadm -m session --rescan |
GDS の構成を復元します。
共用クラスの場合
ディスク交換を行ったノードで、「物理ディスク復旧」(または sdxswap -I コマンド)を実行します。手順1. で「物理ディスク交換」(またはsdxswap -O コマンド)を実行したすべての iSCSI デバイスに対して実行します。
ローカルクラスの場合
削除したローカルクラスのオブジェクト構成(ボリューム、グループ、ディスク、クラス)を再作成します。
クラスの構成情報ファイルがある場合
sdxconfig Backup コマンドで取得したクラスの構成情報がある場合、sdxconfig Restore コマンドを使用してオブジェクト構成を再作成します。
クラスの構成情報ファイルがない場合
共用クラスを指定してオブジェクト構成を再作成します。