形式
sdxattr -C -c class -a attribute=value[,attribute=value,...]
sdxattr -D -c class -d disk -a attribute=value[,attribute=value]
sdxattr -G -c class -g group -a attribute=value[,attribute=value]
sdxattr -S -c class -s slice -a attribute=value[,attribute=value]
sdxattr -V -c class -v volume -a attribute=value[,attribute=value,...]
機能説明
sdxattr は、自ノードが共用しているオブジェクト (シャドウオブジェクトは除く) の属性値を変更するためのコマンドです。スーパユーザ権限を持つユーザだけが sdxattr コマンドを実行することができます。
基本オプション
基本オプションとして、以下のいずれかを選択して、属性値を変更するオブジェクトの種類を指定します。
Class
class で指定されたクラスの属性を変更します。
Disk
disk で指定されたディスクの属性を変更します。class には、disk が登録されているクラスのクラス名を指定します。
disk がグループに接続されている場合、あるいは disk 内にボリュームが存在する場合はエラーとなり属性の変更はできません。
Group
group で指定されたグループの属性を変更します。class には、group が属しているクラスのクラス名を指定します。
group が他のグループに接続されている場合は、エラーとなり属性の変更はできません。また、group 内に起動中のボリュームが存在する場合はエラーとなるため、すべてのボリュームを停止した後で実行してください。
Slice
slice で指定されたスライスの属性を変更します。class には、slice が属しているクラスのクラス名を指定します。
Volume
volume で指定されたボリュームの属性を変更します。class には、volume が属しているクラスのクラス名を指定します。
サブオプション
以下のサブオプションが指定できます。
class の属性である attribute を value に設定します。
attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute と value の間には、必ずイコール (=) を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ (,) で区切って指定します。
attribute と value には、以下の任意の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。
クラスのタイプ属性を変更します。
class 内に起動中のボリュームが存在する場合、ローカルから共用への変更はできますが、共用をローカルへ変更することはできません。共用からローカルに変更したい場合は、すべてのボリュームを停止した後で実行してください。
ルートからローカルまたは共用へ、ローカルまたは共用からルートへの変更はできません。また、物理スコープが 1 ノードのディスクが存在する共用クラス、および、スイッチグループが存在する共用クラスは、タイプを変更することはできません。
タイプ属性を「ローカル」に変更します。
ローカルタイプのクラス内のオブジェクトは自ノードでのみ使用可能です。
スコープ属性には自ノードのノード識別名が自動的に設定されます。
タイプ属性を「共用」に変更します。
スコープ属性とあわせて指定することにより、自ノードを含む複数のノード間でクラス内のオブジェクトを共用して使用可能です。
共用タイプのクラスにおいて、共用できるノード群を変更します。
class 内に起動中のボリュームが存在する場合、新しいノードを追加することはできますが、すでに定義されているノードを削除することはできません。ノードを削除したい場合は、すべてのボリュームを停止した後で実行してください。
すべての node 設定が完了しない限り、エラーとなります。
node には PRIMECLUSTER が規定するノード識別名を指定します。
scope には、自ノードを含む 2 ノード以上、16 ノード以下のノード群を指定することができます。
物理スコープが 1 ノードのディスクが存在する共用クラス、および、スイッチグループが存在する共用クラスは、スコープを変更することはできません。
ホットスペアの動作を変更します。
class 内に起動中のボリュームが存在するかどうかに関係なく変更できます。
ホットスペアを有効に変更します。
ホットスペアを無効に変更します。スペアディスクの自動接続が抑止されます。
ホットスペアで自動接続するスペアディスクの選択方式を変更します。
class 内に起動中のボリューム存在するかどうかに関係なく変更できます。
スペアディスクの選択方式を、筐体外優先方式に設定します。ディスクアレイ装置のディスクで I/O エラーが発生した場合、そのディスクとは別のディスク筐体に属しているスペアディスクを優先して選択します。ディスクアレイ装置以外のディスクで I/O エラーが発生した場合、そのディスクとは別のコントローラに接続されているスペアディスクを優先して選択します。条件を満たす未接続のスペアディスクが存在しない場合は、I/O エラーが発生したディスクと同じディスク筐体に属しているスペアディスク、または同じコントローラに接続されているスペアディスクを選択します。
スペアディスクの選択方式を、筐体内限定方式に設定します。ディスクアレイ装置のディスクで I/O エラーが発生した場合、そのディスクと同じディスク筐体に属しているスペアディスクを選択します。ディスクアレイ装置以外のディスクで I/O エラーが発生した場合、そのディスクと同じコントローラに接続されているスペアディスクを選択します。条件を満たす未接続のスペアディスクが存在しない場合は、スペアディスクは自動接続されません。
クラス名をclassname に変更します。
class 内に起動中のボリュームが存在する場合はエラーとなるため、すべてのボリュームを停止した後で実行してください。
この操作によってクラス名が変更されると、ボリュームの特殊ファイルパス名も変わるため、/etc/vfstab などの定義内容もあわせて更新する必要があります。
/dev/sfdsk/classname/rdsk/ボリューム名 /dev/sfdsk/classname/dsk/ボリューム名
I/O 応答時間保証の動作を変更します。
変更は直ちに有効になります。変更を有効にするためにシステムを再起動する必要はありません。
I/O 応答時間保証を有効にします。
class に concat または stripe タイプのグループが存在する場合、エラーになります。
I/O 応答時間保証を無効にします。
I/O 応答時間 (秒数) を指定します。
デフォルト値は 23 です。
time に指定可能な値は、6から100までです。
ETERNUS のディスクを使用する場合、33 以上の値を設定することを推奨します。33 より小さい値を設定した場合、マルチパスの一方のパスの異常時に、パスが切り替わる前に I/O 応答時間保証機能により I/O が打ち切られることがあります。
注意
以下のすべての条件を満たす場合、time を 36 秒以上に設定することを推奨します。
・ Emulex 社製 FC カードを使用する。
・ ETERNUS マルチパスドライバを使用する。または、Solaris 10 環境で MPxIO を使用する。
上記の環境で time を 36 秒未満に設定した場合、FC パスの一方のみの異常発生時に、I/O 応答時間保証機能によって I/O が打ち切られることがあります。
I/O 応答時間保証機能のシステムパニックモードを変更します。
システムパニックモードとは、ボリュームを構成するすべてのスライスで I/O エラーが発生した場合、および、クラスが閉塞した場合に、システムをパニックさせるかどうかを指定するモードです。
デフォルト値は on です。クラスタシステムの場合は、on に設定してください。
on
システムパニックモードを有効にします。
off
システムパニックモードを無効にします。
注意
ミラーボリュームとシングルボリュームの両方が存在するシステムの場合
ミラーボリュームが存在するシステムでは、シングルボリュームが存在するクラスに対してシステムパニックモードを無効に設定することを推奨します。
シングルボリュームが存在するクラスに対してシステムパニックモードを有効に設定した場合、一方のストレージ装置で I/O エラーや I/O 遅延が発生しただけでシステムがパニックするため、ミラーリングによる冗長化の効果が無くなります。
注意
ZFS のミラーリング機能を使用する場合
ZFS ミラー方式の構成で、ZFS ストレージプールを構成するすべてのボリュームで I/O エラーが発生したとき、および、クラスが閉塞したときにシステムをパニックさせたい場合、以下のように設定してください。
・ ZFS ストレージプールの failmode プロパティーを panic に設定する。
・ I/O 応答時間保証機能のシステムパニックモードを off に設定する。
ZFS ミラー方式の構成でシステムパニックモードを on に設定した場合、ZFS ストレージプールを構成するボリュームのうちの 1 つで I/O エラーが発生しただけでシステムがパニックするため、ZFS によるミラーリングの効果が無くなります。
disk の属性である attribute を value に設定します。
attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute と value の間には、必ずイコール (=) を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ (,) で区切って指定します。
attribute と value には、以下の任意の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。
SDX ディスクのタイプ属性を変更します。class のスコープに含まれている一部のノードに disk が接続されていない場合、および、class にスイッチグループが存在する場合は、disk のタイプ属性は変更できません。
タイプ属性を「キープ」に変更します。
以降、このディスクはキープディスクとして扱われ、グループへの接続の際にはフォーマットやデータが保存されます。
シングルディスクをキープディスクに変更することはできません。
タイプ属性を「シングル」に変更します。
以降、disk 内にシングルボリュームを作成することができます。
キープディスクをシングルディスクに変更することはできません。
タイプ属性を「スペア」に変更します。
以降、この disk はスペアディスクとして使用されます。
disk の有効サイズが class 内で最小のミラーグループの有効サイズよりも小さい場合、ホットスペアが機能しない可能性があるという警告メッセージを標準エラー出力します。
タイプ属性を「未定義」に変更します。
以降、この disk は用途が決まっていない未定義ディスクとして扱われます。
ディスク名を diskname に変更します。
group の属性である attribute を value に設定します。
attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute と value の間には、必ずイコール (=) を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ (,) で区切って指定します。
attribute と value には、以下の任意の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。
グループ名を groupname に変更します。
group で指定されたスイッチグループの運用ディスクを disk に変更します。
切離し中のスライスの属性である attribute を value に設定します。いずれの属性値も -R オプションによりスライスがボリュームに組み込まれた時点で無効になります。
attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute と value の間には、必ずイコール (=) を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ (,) で区切って指定します。
attribute と value には、以下の任意の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。
スライスの高速等価性回復モードをオフに変更します。
スライスの状態に関係なく変更することができます。
オンに変更することはできません。オンに変更するには、スライスをいったんボリュームに組み込んだ後に、再度スライスを切り離してください。
自ノードにおけるスライスのアクセスモードを変更します。
slice が起動中の場合はエラーとなるため、停止した後で実行してください。
アクセスモードを読書き用に設定します。
アクセスモードを読取り専用に設定します。読取り専用のスライスを書込みモードでオープンすると、エラーとなります。
volume の属性である attribute を value に設定します。
attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute と value の間には、必ずイコール (=) を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ (,) で区切って指定します。
attribute と value には、以下の任意の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。
ボリュームの高速等価性回復モードを変更します。
volume が起動中か停止中かどうかに関係なく変更することが可能です。
volume がミラーグループ以外のグループに属している場合は、エラーとなります。
高速等価性回復モードをオンにします。
高速等価性回復モードをオフにします。
volume の、自ノードにおける起動ロックモードを変更します。
volume が起動中か停止中かどうかに関係なく変更することが可能です。
class がルートクラスの場合は、エラーとなります。
以降のボリューム起動をロック (抑止) します。
以降のボリューム起動をロックしません。
volume の、自ノードにおけるアクセスモード属性を変更します。
volume が起動中の場合はエラーとなるため、volume を停止した後で実行してください。
アクセスモードを読書き用に設定します。
アクセスモードを読取り専用に設定します。読取り専用のボリュームを書込みモードでオープンすると、エラーとなります。
ボリューム名を volumename に変更します。
volume が起動中の場合はエラーとなるため、volume を停止した後で実行してください。
この操作によってボリューム名が変更されると、ボリュームの特殊ファイルパス名も変わるため、/etc/vfstab などの定義内容もあわせて更新する必要があります。
/dev/sfdsk/クラス名/rdsk/volumename /dev/sfdsk/クラス名/dsk/volumename
分離状態のプロキシボリュームの再結合および復旧の際の高速等価性回復モードをオフに変更します。
volume が起動中か停止中かどうかに関係なく変更することができます。
この属性値は、sdxproxy コマンドの Rejoin オプションまたは RejoinRestore オプションにより volume がマスタボリュームに再結合された時点で無効になります。
オンに変更することはできません。オンにするには、volume をいったんマスタボリュームに再結合した後に、再度 volume をマスタボリュームから分離してください。
volume の物理スライス属性を変更します。
volume が起動中の場合はエラーとなるため、volume を停止してから実行してください。また、volume 内に切離し中のスライスが存在する場合もエラーとなるため、スライスを組み込んでから実行してください。
物理スライス属性をオンにします。volume を構成しているスライスとして、シングルディスク上に存在するスライス、またはミラーグループに直接接続されているディスク上に存在するスライスがあれば、そのすべてをディスクラベルに登録します。
volume が物理スライスを作成できないグループ (ストライプグループ、コンカチネーショングループおよび直接接続されているのが下位グループのみであるミラーグループ) に属している場合、および物理スライス属性がオンのボリュームが同じグループまたはシングルディスク内にすでに最大数 (6 個) 存在する場合は、on に変更することはできません。
物理スライス属性をオフにします。
class がルートタイプの場合は、off に変更することはできません。
class には、変更対象となるオブジェクトが属しているクラス、または変更対象となるクラスのクラス名を指定します。
disk には、変更対象となるディスクのディスク名を指定します。
group には、変更対象となるグループのグループ名を指定します。
slice には、変更対象となるスライスのスライス名を指定します。
スライス名は、disk.volume の形式で指定してください。
volume には、変更対象となるボリュームのボリューム名を指定します。
戻り値
正常終了した場合には 0 を返し、そうでない場合には 0 以外の値を返します。