形式
sdxslice -F -c class -s slice,...
sdxslice -M -c class -d disk -v volume [-a attribute=value[,attribute=value]]
sdxslice -N -c class -s slice,...
sdxslice -R -c class {-d disk -v volume|-s slice} [-e delay=msec,waitsync]
sdxslice -T -c class -s slice,...
機能説明
sdxslice は、スライス・オブジェクト (シャドウスライスは除く) を操作するためのコマンドです。スーパユーザ権限を持つユーザだけが sdxslice コマンドを実行することができます。
基本オプション
以下の基本オプションのうち、いずれかを指定します。
oFfline
slice,... で指定された 1 つあるいは複数のスライスを停止させます。停止されたスライスにはアクセスすることができません。
slice には、-M オプションを使ってミラーボリュームから切り離されたミラースライスのスライス名を指定します。
class には、slice が属しているクラスのクラス名を指定します。
slice が使用中の場合、コマンドは異常終了します。
注意
共用クラスの場合、スライスを停止してもリブート時に起動されます。
Make
disk で指定されたディスクの一部で、volume で指定された多重度が 2 以上のミラーボリュームの、コピーの 1 つであるミラースライスを、volume から一時的に切り離します。class には、volume が属しているクラスのクラス名を指定します。
volume の物理スライス属性がオンの場合のみ、スライスの切離しが可能です。物理スライス属性がオフの場合は、sdxattr -V コマンドを使用してオンに変更してから、実行してください。
切離しが完了すると、スライス単独でアクセス可能な特殊ファイルを作成して、次のようなパス名を表示します。
/dev/sfdsk/class/rdsk/disk.volume
/dev/sfdsk/class/dsk/disk.volume
ユーザは、この特殊ファイルを使って、スライスへアクセスすることができます。例えば、このスライスをもとにして volume のデータのバックアップを採取することが可能です。
class が共用クラスの場合、切離しを行ったノードだけがスライスへアクセスできます。class を共用している他のノードからはアクセスすることができません。他のノードから使用したい場合は、-T オプションを使ってスライスへのアクセス権を引き継ぐことができます。
volume が起動中であっても切離し可能ですが、切り離されたスライスデータの整合性についてはデータを管理しているファイルシステム層あるいはデータベース層などで確保しなければなりません。例えば、ファイルシステムとして使用している場合、fsck コマンドによる整合性修復が必要となる場合があります。
注意
-R オプションを使ってスライスの組込みを行わない限り、ミラーの多重度は低下したままの状態となります。
oNline
slice,... で指定された 1 つあるいは複数のスライスを起動します。起動されたスライスはアクセス可能になります。
slice には、-M オプションを使ってミラーボリュームから切り離されたミラースライスのスライス名を指定します。
class には、slice が属しているクラスのクラス名を指定します。
Remove
disk と volume との組合せで指定されたスライス、あるいは slice で指定されたスライスを、ボリュームに再度組み込みます。
disk と volume の組合せ、あるいは slice には、-M オプションを使ってミラーボリュームから切り離されたミラースライスのスライス名を指定します。
class には、スライスが属しているクラスのクラス名を指定します。
sdxslice コマンドの復帰後 (-e waitsync 指定時は復帰前)、スライスは自動的にボリュームに対して組み込まれます。このとき、ボリュームが起動中であれば、等価性コピーが行われます。
スライスが使用中の場合、コマンドは異常終了します。
Takeover
slice で指定された 1 つあるいは複数のスライスを、他ノードから引き継ぎます。引継ぎが完了すると、他ノードではスライスが停止されて自ノードで起動されます。また、引継ぎが完了すると、自ノードにおけるスライスの操作が可能となります。このコマンドを実行すると、以降にスライスをボリュームに組み込んだ際には、高速等価性回復モードの設定値に関係なく、すべてのブロックがコピーされます。
このオプションは、共用クラスに対してのみ有効です。
slice には、-M オプションを使ってミラーボリュームから切り離されたミラースライスのスライス名を指定します。
class には slice が属しているクラスのクラス名を指定します。
スライスが使用中の場合、コマンドは異常終了します。
サブオプション
以下のサブオプションが指定できます。
スライスの属性である attribute を value に設定します。いずれの属性値も -R オプションによりスライスがボリュームに組み込まれた時点で無効になります。
attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute と value の間には、必ずイコール (=) を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ (,) で区切って指定します。
attribute と value には、以下の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。
スライスの高速等価性回復モードを設定します。
高速等価性回復モードをオンにします。
高速等価性回復モードをオフにします。
スライスのアクセスモードを設定します。
アクセスモードを読書き用に設定します。
アクセスモードを読取り専用に設定します。読取り専用のスライスを書込みモードでオープンすると、エラーとなります。
class には、スライスが属しているクラスのクラス名を指定します。
disk には、操作対象となるスライスが属しているディスクのディスク名を指定します。
ボリュームと切り離されていたスライスとの等価性コピー処理に伴うディスクへの入出力要求の発行を、msec で指定された時間 (単位はミリ秒) だけ遅延させます。
delay と msec の間には、必ずイコール (=) を入れます。
本オプションによって、ボリュームを使用しているアプリケーションへの影響を調整できます。
遅延時間のデフォルト値は 0 です。
msec に指定可能な値は、0 から 1000 までです。
等価性コピー処理が行われる場合、コピー処理の完了を待ってコマンドを復帰させます。
slice には、操作対象となるスライスのスライス名を指定します。
スライス名は、disk.volume の形式で指定してください。
slice には、操作対象となる 1 つあるいは複数のスライスのスライス名を指定します。複数の slice を指定する場合は、スライス名をカンマ (,) で区切って指定します。指定できる slice は 400 個までです。
スライス名は、disk.volume の形式で指定してください。
volume には、操作対象となるスライスから構成されるボリュームのボリューム名を指定します。
戻り値
正常終了した場合には 0 を返し、そうでない場合には 0 以外の値を返します。