Dell EMC 社製ストレージ装置を使用する場合、マルチパスドライバとして、Dell EMC 社製ソフトウェア PowerPath または Solaris 標準マルチパスドライバ MPxIO が使用できます。
Dell EMC PowerPathを使用する場合、GDS では、emcpower デバイス、および emcpower デバイスを構成する native デバイスを管理することができます。通常は、emcpower デバイスを管理対象とします。ただし、native デバイスを管理対象としているシステムでは、引き続き native デバイスを使用してください。
以下のデバイスは、GDS で管理することはできません。
BCV (Business Continuance Volume) デバイス
SRDF のターゲット (R2) デバイス
GateKeeper デバイス
CKD (Count Key Data) デバイス
Dell EMC 社の SAN 管理ソフトウェア (Volume Logix、ESN Manager、SAN Manager など) が使用する VCMDB (Volume Configuration Management Data Base)
これらのデバイスや Dell EMC 社製ソフトウェアの設定が完了した後に、下記の手順に従って、GDS によるディスク管理の対象外とするデバイスのリストを /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab ファイル (除外リスト) に記述してください。除外リストには、上記のデバイスの他、GDS で管理すべきでないディスクをすべて記載します。
[手順]
BCV、R2、GateKeeper、CKD の各デバイスは、SYMCLI で提供される syminq コマンドで確認できます。syminq コマンドを実行し、BCV、R2、GK、CKD と表示されるすべてのデバイス (cCtTdD、emcpowerN) を除外リストに記載します。
VCMDB デバイスは、syminq コマンドでは確認できません。Dell EMC 社の SAN 管理ソフトウェア (Volume Logix、ESN Manager、SAN Manager など) を使用している場合は、Dell EMC 社のエンジニア、またはその SAN 管理ソフトウェアの設定を行ったシステム管理者に VCMDB のデバイス名を確認して、除外リストに追記します。
native デバイスを管理対象とする場合は、すべての emcpower デバイス (emcpowerN) と管理対象外の native デバイス (cCtTdD) を、除外リストに記載します。
emcpower0 (管理対象外)
c2t0d0 (管理対象)
c3t0d0 (管理対象外)
emcpower デバイスを管理対象とする場合は、すべての native デバイス (cCtTdD) を、除外リストに記載します。
emcpower0 (管理対象)
c2t0d0 (管理対象外)
c3t0d0 (管理対象外)
手順 1.~ 3. で記載したデバイス以外にも GDS で管理すべきでないデバイスがある場合は、除外リストに追記します。
VTOC ラベル付きディスク、EFI ラベル付きディスクのどちらの場合も、s2 スライス (emcpowerNc、cCtTdDs2) のデバイスファイルを記載してください。
除外リストの管理のため、デバイス名の後に "PP"、"BCV"、"R2"、"GK"、"CKD"、"VCMDB" といったタグを記述することを推奨します。デバイス名とタグの間には、1 つ以上の空白を入れてください。
除外リストは以下のようになります。
native デバイスを管理対象とする場合
# cat /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab # device(full path) type # /dev/rdsk/c2t0d0s2 PP |
emcpowerデバイスを管理対象とする場合
# cat /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab # device(full path) type |
参考
sdxexdevtab、および exdevtab.sh
除外リスト /etc/opt/FJSVsdx/lib/exdevtab を簡易作成するためのスクリプトのサンプル /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxexdevtab.sample、および exdevtab.sample.sh を提供しています。
このスクリプトを使用する場合は、エディタを使用して、スクリプトの以下の 2 つのパラメタ (syminq コマンドおよび powermt コマンドのパス) を実行環境に合わせて修正してください。
SYMINQ=/usr/symcli/bin/syminq |
native デバイスを管理対象とする場合は、sdxexdevtab を使用します。sdxexdevtab を実行すると、emcpower デバイス、管理対象外の native デバイス、および BCV、R2、GateKeeper、CKD の各デバイスが除外リストに記載されます。VCMDB デバイスは記載されません。必要に応じて、sdxexdevtab を事前に修正するか、または上記の手順 1. ~ 5. に従って、GDS で管理すべきでないディスクを追記してください。
# cp /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxexdevtab.sample |
emcpower デバイスを管理対象とする場合は、exdevtab.sh を使用します。exdevtab.sh を実行すると、emcpower デバイスの native デバイス、および BCV、GateKeeper、CKD の各デバイスが除外リストに記載されます。R2 デバイスおよび VCMDB デバイスは記載されません。必要に応じて、exdevtab.sh を事前に修正するか、または上記の手順 1. ~ 5. に従って、GDS で管理すべきでないディスクを追記してください。
# cp /etc/opt/FJSVsdx/bin/exdevtab.sample.sh |
注意
プロキシ構成における Dell EMC TimeFinder または Dell EMC SRDF の利用
プロキシ構成で Dell EMC TimeFinder または Dell EMC SRDF を利用する場合は、プロキシグループに接続する BCV、R2 デバイス、および その BCV、R2 デバイスを構成する native デバイスのうち、GDS の管理対象とするデバイスは除外リストに記載しないでください。
詳細については、「A.2.27 プロキシ構成における Dell EMC TimeFinder および Dell EMC SRDF の利用」を参照してください。
注意
PRIMECLUSTER システムの場合
PRIMECLUSTER システムの場合、クラスタを構成する全ノードで除外リストを作成してください。
GDS で管理できないデバイスは、自動リソース登録 (自動構成) の対象にもできないため、自動リソース登録を行う前に、自動リソース登録の除外リストにも記述する必要があります。詳細については、「PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書」を参照してください。
BCV デバイスを自動リソース登録の対象とする場合、自動リソース登録を実施する際には、BCV ペアをスプリットまたはキャンセルしておく必要があります。
SRDF ペアの R2 デバイスを自動リソース登録の対象とする場合、自動リソース登録を実施する際には、その SRDF ペアをスプリット状態にしておく必要があります。
参考
exdevtab ファイルに記述されたデバイス
exdevtab ファイルに記述されたディスクデバイスは、クラスに登録できません。exdevtab ファイルに記述されたディスクデバイスをクラスに登録しようとした場合、"ERROR: 物理ディスク名: no such device" というエラーメッセージが出力されます。