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PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.5
FUJITSU Software

7.1.2 ZFS ブート環境のシステムディスクミラーリングの解除 (GDS ミラー方式 )

ここでは、ZFS ブート環境において、以下の構成で GDS ミラー方式のシステムディスクミラーリングを解除する方法を説明します。

本構成は、システムディスクにZFSルートプール用のスライスとデータ用のスライスが存在し、システムディスクとは別にダンプ用のディスクが存在する場合の例です。

システムディスクにデータ用のスライスが存在しない場合、またはダンプ用のディスクが存在しない場合でも、この方法で解除できます。

図7.4 解除前の構成

GDS : Global Disk Services


図7.5 解除後の構成

以降の手順では、物理スライス名、ボリューム名、プール名などを、実際のシステムで使用する名前に置き換えてください。

7.1.2.1 システムディスクミラーリングの解除の流れ (ZFS ブート環境 : GDS ミラー方式)

GDS ミラー方式のシステムディスクミラーリングの解除は、以下の手順で行います。

図7.6 解除手順の概要

GDS : Global Disk Services


上図 [5] の手順 9) でシステムの再起動が必要ですが、それ以外の設定は、業務やアプリケーションプログラムを動作させたまま実行できます。

上図 [3] の手順 6) で ZFS による再同期化処理が実行されますが、このときも、業務やアプリケーションプログラムを停止する必要はありません。

ただし、より安全性が求められる場合は、業務やアプリケーションプログラムを停止し、システムのバックアップを採取してから解除を行ってください。

所要時間は、サーバやディスクの性能、ディスクやファイルシステムのサイズなどに左右され、システムによって異なります。

7.1.2.2 システムディスクミラーリングの解除手順 (ZFS ブート環境 : GDS ミラー方式)

ここでは、「7.1.2 ZFS ブート環境のシステムディスクミラーリングの解除 (GDS ミラー方式 )」の図のように、システムディスクにZFSルートプール用のスライスとデータ用のスライスが存在し、システムディスクとは別にダンプ用のディスクが存在する場合の解除方法を説明します。

システムディスクにデータ用のスライスが存在しない場合、またはダンプ用のディスクが存在しない場合は、存在しないディスクやスライスに対する解除は必要ありません。

1) ミラーリングを解除した後にシステムディスクおよびダンプ用ディスクとして使用するディスクを決定し、物理スライス番号、SDX ディスク名、グループ名を確認します。

ミラーリングしているシステムディスクのうち、現在のブートデバイスではない方のディスクを、ミラーリング解除後のシステムディスクにします。

ミラーリングしているダンプ用ディスクのうち、任意の1つを、ミラーリング解除後のダンプ用ディスクにします。

現在のブートデバイスの確認方法は、以下の4つの場合で異なります。

[SANブート環境でシステムディスクが12Gbps SASカードに接続されている場合 ]

1a-1) ルートクラスに登録されている物理ディスク名を確認します。

# sdxinfo -D -c System
                  (*1)
OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM ~
----- ------- ------ ------- ------- ------- ~
disk Root1 mirror System Group1 c0t600000E00D0000000001060300040000d0~
                                (*2)
disk Root2 mirror System Group1 c0t600000E00D28000000280CC600000000d0~
~                              (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) デバイス名


1a-2) ルートクラスに登録されているデバイス(1a-1の(*2))の情報を確認します。

# prtconf -v /dev/rdsk/c0t600000E00D0000000001060300040000d0s0
~ disk, instance #0 ~ Paths from multipath bus adapters: Path 33: /pci@8100/pci@4/pci@0/pci@0/LSI,sas@0/iport@f0/disk@w500000e0d0460306,0 lsc#3 (online) (*1) (*2) ~ # prtconf -v /dev/rdsk/c0t600000E00D28000000280CC600000000d0s0 ~ disk, instance #0 ~ Paths from multipath bus adapters: Path 33: /pci@8100/pci@4/pci@0/pci@0/LSI,sas@0/iport@f0/disk@w500000e0da0cc620,0 lsc#3 (online) (*1) (*2)

(*1) diskノード名 ( この例では disk@w500000e0d0460306,0 および disk@w500000e0da0cc620,0 )

(*2) SAS Address ( この例では 500000e0d0460306 および 500000e0da0cc620 )


1a-3) bootpath パラメタを確認します。

# prtconf -pv | grep bootpath
bootpath: ' /pci@8100/pci@4/pci@0/pci@0/LSI,sas@0/disk@w500000e0d0460306,0:a '

手順1a-2) で確認した情報が手順1a-3) で確認したbootpath パラメタと一致する物理ディスク(この例ではc0t600000E00D0000000001060300040000d0)がブートデバイスです。

ブートデバイスと同じグループに接続されているディスク(この例では c0t600000E00D28000000280CC600000000d0)を、ミラーリング解除後のシステムディスクにします。

SDX ディスク名は Root2 、グループ名は Group1 です。

[6Gbps SAS カードに接続されている増設ファイルユニットのディスク、または、SPARC M12/M10SPARC T4-4/T4-2/T4-1/T3-4/T3-2/T3-1 の内蔵ディスクの場合 ]

1b-1) ルートクラスに登録されている物理ディスク名を確認します。

[Solaris 11.3 以前の例]

# sdxinfo -D -c System
                (*1) ルートクラス名
OBJ   NAME    TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM  ~
----- ------- ------ ------- ------- ------- ~
disk  Root1   mirror System  Group1  c0t5000CCA0150FEA10d0  ~
disk  Root2   mirror System  Group1  c0t5000C5001D4809FFd0  ~
...

[Solaris 11.4 以降の例]

# sdxinfo -D -c System
                (*1) ルートクラス名
OBJ   NAME    TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM  ~
----- ------- ------ ------- ------- ------- ~
disk  Root1   mirror System  Group1  c0t5000039768334825d0  ~
disk  Root2   mirror System  Group1  c0t50000397683346A9d0  ~
...

1b-2) ルートクラスに登録されている物理ディスクの情報を確認します。

[Solaris 11.3 以前の場合]

obp-path パラメタを確認します。

# prtconf -v /dev/rdsk/c0t5000CCA0150FEA10d0s2
disk, instance #0
    Driver properties:
        ~
    Hardware properties:
        ~
    Paths from multipath bus adapters:
        ~
            name='obp-path' type=string items=1
                value='/pci@400/pci@2/pci@0/pci@e/scsi@0/disk@w5000cca0150fea11,0'
            ~
    Device Minor Nodes:
        ~

# prtconf -v /dev/rdsk/c0t5000C5001D4809FFd0s2
disk, instance #6
    Driver properties:
        ~
    Hardware properties:
        ~
    Paths from multipath bus adapters:
        ~
            name='obp-path' type=string items=1
                value='/pci@400/pci@2/pci@0/pci@e/scsi@0/disk@w5000c5001d4809fd,0'
            ~
    Device Minor Nodes:
        ~

[Solaris 11.4 以降の場合]

ddi-boot-path パラメタを確認します。

# prtconf -v /dev/rdsk/c0t5000039768334825d0s2
disk, instance ~	
    Device Hold:
        ~
    Driver properties:
        ~
    Hardware properties:
        ~
    Paths from multipath bus adapters:
        Path 1: /pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/iport@f/disk@w5000039768334826,0
        mpt_sas#2 (online)
                name='ddi-boot-path' type=string items=1
                    value='/pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/disk@w5000039768334826,0'
                ~
    Device Minor Nodes:
        ~
# prtconf -v /dev/rdsk/c0t50000397683346A9d0s2
disk, instance ~
    Device Hold:
        ~
    Driver properties:
        ~
    Hardware properties:
        ~
    Paths from multipath bus adapters:
        Path 2: /pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/iport@f/disk@w50000397683346aa,0
        mpt_sas#2 (online)
                name='ddi-boot-path' type=string items=1
                    value='/pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/disk@w50000397683346aa,0'
                ~
    Device Minor Nodes:
        ~

1b-3) bootpath パラメタを確認します。

[Solaris 11.3 以前の例]

# prtconf -pv | grep bootpath
    bootpath:  '/pci@400/pci@2/pci@0/pci@e/scsi@0/disk@w5000cca0150fea11,0:a'

[Solaris 11.4 以降の例]

# prtconf -pv | grep bootpath
    bootpath:  '/pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/disk@w5000039768334826,0:a'

手順1b-2) で確認した情報 (Solaris 11.3 以前は obp-path パラメタ、Solaris 11.4 以降は ddi-boot-path パラメタ) が手順1b-3) で確認した bootpath パラメタと一致する物理ディスク (この Solairs 11.3 以前の例ではc0t5000CCA0150FEA10d0、Solaris 11.4 以降の例では c0t5000039768334825d0) がブートデバイスです。

ブートデバイスと同じグループに接続されているディスク (この Solaris 11.3 以前の例では c0t5000C5001D4809FFd0、Solaris 11.4 以降の例では c0t50000397683346A9d0) を、ミラーリング解除後のシステムディスクにします。

SDX ディスク名は Root2 、グループ名は Group1 です。


[SAN ブート環境の場合 ]

1c-1) 現在のブートデバイスを確認します。

# prtconf -pv | grep bootpath
    bootpath:  '/pci@1e,600000/fibre-channel@2/disk@10,0:a'

7.1.1.2 システムディスクミラーリングの設定手順 (ZFS ブート環境 : GDS ミラー方式)」の手順 3)で確認したスライスのうち、ブートデバイスではない方のディスクをミラーリング解除後のシステムディスクにします。


[その他の場合 ]

1d-1) 現在のブートデバイスを確認します。

# prtconf -pv | grep bootpath
    bootpath:  '/pci@1f,4000/scsi@3/disk@0,0:a'

bootpath のデバイス名の最終要素の @ より前の部分(この例では disk )を ".*" に置き換えたパスを指定して現在のブートデバイスを確認します。


# ls -lat /dev/dsk | grep "/pci@1f,4000/scsi@3/.*@0,0:a"
lrwxrwxrwx   1 root     root          63 Aug 20 12:00 c0t0d0s0 ->
../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@0,0:a

この例では、c0t0d0s0 が現在のブートデバイスで、s0 の 0 が物理スライス番号です。


# sdxinfo -D -c System
                (*1) ルートクラス名
OBJ   NAME    TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM  ~
----- ------- ------ ------- ------- ------- ~
disk  Root1   mirror System  Group1  c0t0d0  ~
disk  Root2   mirror System  Group1  c1t0d0  ~
...

この例では、ブートデバイスと同じグループに接続されているディスク c1t0d0 を、ミラーリング解除後のシステムディスクにします。

SDX ディスク名は Root2 、グループ名は Group1 です。

参考

現在のブートデバイスを、ミラーリング解除後にシステムディスクとして使用したい場合は、もう一方のディスクからシステムを起動しなおしてから本手順に従ってミラーリングを解除してください。システム起動時にブートデバイスを指定する方法は、「7.1.1.2 システムディスクミラーリングの設定手順 (ZFS ブート環境 : GDS ミラー方式)」の手順 9) を参照してください。

2) ミラーリングを解除した後にシステムディスクおよびダンプ用ディスクとして使用するディスクをグループから切断します。

2-1) ミラーリングを解除した後にシステムディスクとして使用するディスクをグループから切断します。

# sdxdisk -D -c System -g Group1 -d Root2
                (*1)      (*2)      (*3)

(*1) ルートクラス名

(*2) システムディスクが接続されているグループのグループ名 ( 手順 1) で確認したグループ名)

(*3) ミラーリングを解除した後にシステムディスクとして使用するディスクの SDX ディスク名 ( 手順 1) で確認した SDX ディスク名)

2-2) ミラーリングを解除した後にダンプ用ディスクとして使用するディスクをグループから切断します。

# sdxdisk -D -c System -g Group2 -d Root4
                (*1)      (*2)      (*3)

(*1) ルートクラス名

(*2) ダンプ用ディスクが接続されているグループのグループ名

(*3) ミラーリングを解除した後にダンプ用ディスクとして使用するディスクの SDX ディスク名


3) 手順 2) でグループから切断したディスクをルートクラスから削除します。

3-1) ミラーリングを解除した後にシステムディスクとして使用するディスクをルートクラスから削除します。

# sdxdisk -R -c System -d Root2
                (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) 手順 2-1) でグループから切断したディスクの SDX ディスク名

3-2) ミラーリングを解除した後にダンプ用ディスクとして使用するディスクをルートクラスから削除します。

# sdxdisk -R -c System -d Root4
                (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) 手順 2-2) でグループから切断したディスクの SDX ディスク名


4) 手順 3) でルートクラスから削除したディスクを初期化します。

4-1) ミラーリングを解除した後にシステムディスクとして使用するディスクを初期化します。

# dd if=/dev/zero of=/dev/rdsk/c1t0d0s0 bs=1024k
                              (*1)   (*2)

(*1) 手順 3-1) でルートクラスから削除したディスク

(*2) ZFS ルートプールを構成するボリュームの物理スライス番号( 手順 1) で確認した物理スライス番号 )

# dd if=/dev/zero of=/dev/rdsk/c1t0d0s1 bs=1024k
                              (*3)   (*4)

(*3) 手順 3-1) でルートクラスから削除したディスク

(*4) データ用の ZFS ストレージプールを構成するボリュームの物理スライス番号


# format -e

(*1)のディスク (c1t0d0)を選択し、 "Disk not labeled. Label it now?" という問合せが表示された場合、y を入力します。

4-2) ミラーリングを解除した後にダンプ用ディスクとして使用するディスクを初期化します。

# dd if=/dev/zero of=/dev/rdsk/c1t0d1s0 bs=1024k
                              (*1)   (*2)

(*1) 手順 3-2) でルートクラスから削除したディスク

(*2) ダンプ用の ZFS ルートプールを構成するボリュームの物理スライス番号

# format -e

(*1)のディスク (c1t0d1)を選択し、 "Disk not labeled. Label it now?" という問合せが表示された場合、y を入力します。


5) 手順 4) で初期化したディスクにスライスを作成します。

OS の format(1M) コマンド等を使用し、元のシステムディスクおよびダンプ用ディスクと同じスライス構成にします。

参考

システムディスクのミラーリングを設定する際にスライス構成を紙などに記録しなかった場合、グループに接続されているディスク ( この例では Root1およびRoot3) と同じスライス構成にしてください。グループに接続されているディスクのスライス構成は、 OS のインストール CDでシステムを起動し、 format(1M) コマンドまたは prtvtoc(1M) コマンドで確認してください。

6) 手順 5) で作成したスライスを、 ZFS ルートプールおよび ZFS ストレージプールに接続します。

zpool attach コマンド実行後、ZFS の再同期処理が実行されます。このとき、コンソールに OS のメッセージ (SUNW-MSG-ID: ZFS-8000-QJ) が出力されることがありますが、システムには影響ありません。

6-1) ZFS ルートプールにスライスを接続します。

# zpool attach rpool /dev/sfdsk/System/dsk/rpool c1t0d0s0
               (*1)             (*2)       (*3)  (*4)

(*1) ZFS ルートプール名 (zpool status コマンドで確認可能 )

(*2) ルートクラス名

(*3) ZFS ルートプールを構成するボリュームのボリューム名

(*4) 手順 5) で作成した ZFS ルートプール用のスライス

6-2) データ用の ZFS ストレージプールにスライスを接続します。

# zpool attach datapool /dev/sfdsk/System/dsk/datapool c1t0d0s1
               (*1)                (*2)       (*3)     (*4)

(*1) データ用の ZFS ストレージプールのプール名 (zpool status コマンドで確認可能)

(*2) ルートクラス名

(*3) データ用の ZFS ストレージプールを構成するボリュームのボリューム名

(*4) 手順 5) で作成した、データ用のスライス

6-3) ダンプ用の ZFS ストレージプールにスライスを接続します。

# zpool attach dumppool /dev/sfdsk/System/dsk/dumppool c1t0d1s0
               (*1)                (*2)       (*3)     (*4)

(*1) ダンプ用の ZFS ストレージプールのプール名 (zpool status コマンドで確認可能)

(*2) ルートクラス名

(*3) ダンプ用の ZFS ストレージプールを構成するボリュームのボリューム名

(*4) 手順 5) で作成した、ダンプ用のスライス


7) ZFS ルートプールおよび ZFS ストレージプールの状態を確認します。

以下では、ZFS ルートプールの状態を確認する方法を説明します。

同様の方法で、ZFS ストレージプールの状態も確認してください。

# zpool status rpool
               (*1) ZFS ルートプール名
  pool: rpool
 state: ONLINE
  scan: resilvered ~
config:
        NAME                             STATE     READ WRITE CKSUM
        rpool                            ONLINE       0     0     0
          mirror                         ONLINE       0     0     0
            /dev/sfdsk/System/dsk/rpool  ONLINE       0     0     0
            (*2)
            c1t0d0s0                     ONLINE       0     0     0
            (*3)

以下のように表示されることを確認します。

8) 手順 6-1) で ZFS ルートプールに接続したスライスに、ブートブロックをインストールします。

以下の環境の場合、この手順は実行しないでください。

9) OpenBoot の boot-device プロパティを設定します。

OpenBoot の boot-device プロパティを設定する手順は、以下の4つの場合で異なります。

[SANブート環境でシステムディスクが12Gbps SASカードに接続されている場合 ]

9a-1) ZFSルートプール用のボリュームを構成するスライスのパーティションを確認します。

# ls -l /dev/dsk | grep c0t600000E00D28000000280CC600000000d0s0
                        (*1)
lrwxrwxrwx 1 root root 64 Feb  2 13:57 c0t600000E00D28000000280CC600000000d0s0 ->
../../devices/scsi_vhci/disk@g600000e00d28000000280cc600000000:a
                                                               (*2)

(*1) ZFSルートプール用のボリュームを構成するスライス

(*2) スライスのパーティション


9a-2) ブートディスクの情報を確認します。

# prtconf -v /dev/rdsk/c0t600000E00D28000000280CC600000000d0s0
disk, instance #0
    Driver properties:
        ~
    Hardware properties:
        ~
    Paths from multipath bus adapters:
        Path 33: /pci@8100/pci@4/pci@0/pci@0/LSI,sas@0/iport@f0/disk@w500000e0da0cc620,0
        lsc#3(online)                                           (*1)  (*2)

(*1) diskノード名 ( この例では disk@w500000e0da0cc620,0 )

(*2) SAS Address (この例では 500000e0da0cc620 )


9a-3) OpenBoot 環境に移行します。

# shutdown -y -g0 -i0

9a-4) ディスクが接続されているSAS HBAのデバイスパスを確認します。

ok probe-scsi-all
/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@0/LSI,sas@0 (*1)
FCode Version 1.00.65, MPT Version 2.05, Firmware Version 4.00.00.00 Target a Unit 0 Disk TOSHIBA MBF2300RC 3706 585937500 Blocks, 300 GB SASDeviceName 50000393d82956d4 SASAddress 500000e0d0460306 PhyNum 0 (*2) Target b Unit 0 Disk TOSHIBA MBF2300RC 3706 585937500 Blocks, 300 GB SASDeviceName 50000393d828bbfc SASAddress 500000e0da0cc620 PhyNum b ~ ok

(*1) デバイスパス

(*2) SAS Address( 手順9a-2) の*2で確認したSAS Address)


9a-5) boot-device プロパティを設定します。

ok setenv boot-device /pci@8100/pci@4/pci@0/pci@0/LSI,sas@0/disk@w500000e0da0cc620,0:a
                      (*3)

(*3) 手順 9a-4) の デバイスパス(*1) と、手順 9a-2) のdiskノード名(*1)と、手順9a-1)のスライスのパーティションからbootデバイスを作成します。


9a-6) multipath-boot? プロパティを設定します。

ok setenv multipath-boot? false

9a-7) システムを起動します。

ok boot

[6Gbps SAS カードに接続されている増設ファイルユニットのディスク、または、SPARC M12/M10SPARC T4-4/T4-2/T4-1/T3-4/T3-2/T3-1 の内蔵ディスクの場合 ]

9b-1) 手順 6-1) で ZFS ルートプールに接続したスライスのパーティションを確認します。

[Solaris 11.3 以前の例]

# ls -l /dev/dsk | grep c0t5000C5001D4809FFd0s0
                        (*1)
lrwxrwxrwx   1 root     root          48 Apr 25 13:46 c0t5000C5001D4809FFd0s0 ->
../../devices/scsi_vhci/disk@g5000c5001de809ff:a
                                              (*2)

(*1) 手順 6-1) で ZFS ルートプールに接続したスライス

(*2) スライスのパーティション


[Solaris 11.4 以降の例]

# ls -l /dev/dsk | grep c0t50000397683346A9d0s0
                        (*1)
lrwxrwxrwx   1 root     root          48  Jul 27  19:23 c0t50000397683346A9d0s0 ->
../../devices/scsi_vhci/disk@g50000397683346a9:a
                                              (*2)

(*1) 手順 6-1) で ZFS ルートプールに接続したスライス

(*2) スライスのパーティション


9b-2) ミラーリング解除後にシステムディスクとして使用するディスクの情報を確認します。

[Solaris 11.3 以前の場合]

obp-path パラメタを確認します。

# prtconf -v /dev/rdsk/c0t5000C5001D4809FFd0s0
disk, instance #6
    Driver properties:
        ~
    Hardware properties:
        ~
    Paths from multipath bus adapters:
        ~
            name='obp-path' type=string items=1
                value='/pci@400/pci@2/pci@0/pci@e/scsi@0/disk@w5000c5001d4809fd,0'
                       (*3)
                ~
    Device Minor Nodes:
        ~

(*3) obp-path のパラメタ

[Solaris 11.4 以降の場合]

ddi-boot-path パラメタを確認します。

# prtconf -v /dev/rdsk/c0t50000397683346A9d0s2
disk, instance ~
    Device Hold:
        ~
    Driver properties:
        ~
    Hardware properties:
        ~
    Paths from multipath bus adapters:
        Path 1: /pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/iport@f/disk@w50000397683346aa,0
        mpt_sas#2 (online)
                name='ddi-boot-path' type=string items=1
                    value='/pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/disk@w50000397683346aa,0'
                           (*3)
                ~
    Device Minor Nodes:
        ~

(*3) ddi-boot-path のパラメタ


9b-3) OpenBoot 環境に移行します。

# shutdown -y -g0 -i0

9b-4) boot-device プロパティを設定します。

[Solaris 11.3 以前の場合]

ok setenv boot-device /pci@400/pci@2/pci@0/pci@e/scsi@0/disk@w5000c5001d4809fd,0:a
                      (*4)

(*4) 手順 9b-2) の obp-path と手順 9b-1) のパーティションを連結したデバイス名

[Solaris 11.4 以降の場合]

ok setenv boot-device /pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/disk@w50000397683346aa,0:a
                      (*4)

(*4) 手順 9b-2) の ddi-boot-path と手順 9b-1) のパーティションを連結したデバイス名


9b-5) システムを起動します。

ok boot

9b-6) OpenBootのboot-deviceプロパティを設定します。

[Solaris 11.3 以前の場合]

# eeprom boot-device=/pci@400/pci@2/pci@0/pci@e/scsi@0/disk@w5000c5001d4809fd,0:a
                     (*6)

(*6) 手順 9b-4) で設定した値

[Solaris 11.4 以降の場合]

# eeprom boot-device=/pci@8000/pci@4/pci@0/pci@0/scsi@0/disk@w50000397683346aa,0:a
                     (*6)

(*6) 手順 9b-4) で設定した値


[SAN ブート環境の場合 ]

9c-1) 「7.1.1.2 システムディスクミラーリングの設定手順 (ZFS ブート環境 : GDS ミラー方式)」の手順 2) で確認したデバイスパスのうち、本小項の手順 6-1) で ZFS ルートプールに接続したスライスのデバイスパスを、boot-device プロパティに設定します。

参照

boot-device プロパティの設定方法は、以下のドキュメントを参照してください。

  • MPxIO を使用する場合

    SPARC Enterprise SAN Boot環境構築ガイド (Leadvilleドライバ編)

    https://updatesite.jp.fujitsu.com/unix/jp/download/driver/pfca-8info/

  • ETERNUS マルチパスドライバを使用する場合

    SPARC Enterprise SAN Boot環境構築ガイド

    https://updatesite.jp.fujitsu.com/unix/jp/download/driver/pfca-4/

[その他の場合 ]

9d-1) 手順 6-1) で ZFS ルートプールに接続したスライスのデバイスパスを確認します。

# ls -l /dev/dsk | grep c1t0d0s0
                        (*1)
lrwxrwxrwx   1 root     root          63 Aug 20 12:00 c1t0d0s0 ->
../../devices/pci@1f,4000/scsi@3/sd@1,0:a
             (*2)

(*1) 手順 6-1) で ZFS ルートプールに接続したスライス


9d-2) OpenBoot 環境に移行します。

# shutdown -y -g0 -i0

9d-3) OpenBoot 環境でデバイス名を確認し、確認結果に応じた方法で boot-device プロパティを設定します。

ok show-devs /pci@1f,4000/scsi@3
             (*3)
~
/pci@1f,4000/scsi@3/disk

(*3) 手順 9d-1) で表示されたパス (*2) から最終要素 ( この例では /sd@0,0:a) を除いたパス


上記確認結果に応じた方法で、 boot-device プロパティを設定します。

9d-4) システムを起動します。

ok boot

9d-5) OpenBoot の boot-device プロパティを設定します。

# eeprom boot-device=/pci@1f,4000/scsi@3/sd@1,0:a
                     (*6)

(*6) 手順 9d-3) で設定した値


10) ボリュームを ZFS ルートプールおよび ZFS ストレージプールから切り離します。

10-1) ZFS ルートプールからボリュームを切り離します。

# zpool detach rpool /dev/sfdsk/System/dsk/rpool
               (*1)             (*2)       (*3)

(*1) ZFS ルートプール名 (zpool status コマンドで確認可能 )

(*2) ルートクラス名

(*3) ZFS ルートプール用のボリューム名


10-2) データ用の ZFS ストレージプールからボリュームを切り離します。

# zpool detach datapool /dev/sfdsk/System/dsk/datapool
               (*1)                (*2)       (*3)

(*1) データ用の ZFS ストレージプールのプール名 (zpool status コマンドで確認可能)

(*2) ルートクラス名

(*3) データ用のボリューム名


10-3) ダンプ用の ZFS ストレージプールからボリュームを切り離します。

# zpool detach dumppool /dev/sfdsk/System/dsk/dumppool
               (*1)                (*2)       (*3)

(*1) ダンプ用の ZFS ストレージプールのプール名 (zpool status コマンドで確認可能)

(*2) ルートクラス名

(*3) ダンプ用のボリューム名


11) ミラーリングが解除されていることを確認します。

以下では、ZFS ルートプールの状態を確認する方法を説明します。

同様の方法で、ZFS ストレージプールの状態も確認してください。

# zpool status rpool
               (*1) ZFS ルートプール名
  pool: rpool
 state: ONLINE
  scan: resilvered ~
config:
        NAME        STATE     READ WRITE CKSUM
        rpool       ONLINE       0     0     0
          c1t0d0s0  ONLINE       0     0     0
           (*2)

以下のように表示されることを確認します。

12) ボリュームを停止します。

# sdxvolume -F -c System -v rpool,datapool,dumppool
                  (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) ZFS ルートプール用のボリューム、データ用のボリューム、およびダンプ用のボリュームのボリューム名


13) ボリュームを削除します。

13-1) ZFS ルートプール用のボリュームを削除します。

# sdxvolume -R -c System -v rpool
                  (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) ZFS ルートプール用のボリューム名


13-2) データ用のボリュームを削除します。

# sdxvolume -R -c System -v datapool
                  (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) データ用のボリューム名


13-3) ダンプ用のボリュームを削除します。

# sdxvolume -R -c System -v dumppool
                  (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) ダンプ用のボリューム名


14) グループを削除します。

14-1) システムディスクが接続されていたグループを削除します。

# sdxgroup -R -c System -g Group1
                 (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) システムディスクが接続されていたグループのグループ名


14-2) ダンプ用ディスクが接続されていたグループを削除します。

# sdxgroup -R -c System -g Group2
                 (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) ダンプ用ディスクが接続されていたグループのグループ名


15) ディスクをルートクラスから削除します。

15-1) 手順14-1)で削除したグループに接続されていたディスクをルートクラスから削除します。

# sdxdisk -R -c System -d Root1
                (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) 手順14-1)で削除したグループに接続されていたディスクの SDX ディスク名


15-2) 手順14-2)で削除したグループに接続されていたディスクをルートクラスから削除します。

# sdxdisk -R -c System -d Root3
                (*1)      (*2)

(*1) ルートクラス名

(*2) 手順14-2)で削除したグループに接続されていたディスクの SDX ディスク名


16) GDSのチューニングパラメタを削除します。

16-1) チューニングパラメタを削除します。

/etc/opt/FJSVsdx/sdx.cfファイルから“SDX_BOOT_PROPERTY=off”を削除します。

# vi /etc/opt/FJSVsdx/sdx.cf

SDX_BOOT_PROPERTY=off ← 本行を削除

16-2) チューニングパラメタが削除されていることを確認します。

# grep SDX_BOOT_PROPERTY /etc/opt/FJSVsdx/sdx.cf
#

16-3) システムを再起動します。

# shutdown -y -g0 -i6