ここでは、何らかのトラブルによってクラス Class1 内のオブジェクト構成が消失してしまった場合に、あらかじめ「6.9.1 バックアップ手順」に従ってバックアップしておいた構成ファイルと構成情報をもとに、クラス Class1 のオブジェクト構成を復元する手順を説明します。
1) RMS の停止と自動起動抑止
クラスタアプリケーションに登録している共用クラスのオブジェクト構成を復元する場合、RMS を停止し、RMS の自動起動を抑止します。
RMS の停止方法と自動起動の抑止方法については、「PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書」を参照してください。
2) クラススコープの確認
クラスタシステムの場合、クラスを共用するノードのノード名を確認します。クラススコープに属しているノードのノード名は、「6.9.1 バックアップ手順」の手順 1) で保存した sdxinfo コマンドの出力の、クラス情報の SCOPE フィールドで確認できます。
3) 構成ファイルの配置
クラスのオブジェクト構成を復元するノード (クラスタシステムの場合、クラススコープに属している任意の 1 ノード) に、「6.9.1 バックアップ手順」の手順 2) で作成した構成ファイルを配置します。ここでは、構成ファイルを配置するパス名を /var/tmp/Class1.conf とします。
4) クラスのオブジェクト構成の復元
手順3) で構成ファイルを配置したノードで以下のコマンドを実行することにより、構成ファイル /var/tmp/Class1.conf の記述に従ってクラス Class1 のオブジェクト構成を復元します。Class1 は、以下のコマンドを実行したノードのローカルクラスとして復元されます。
オブジェクト構成を復元した後、ノードを再起動してください。
# sdxconfig Restore -c Class1 -i /var/tmp/Class1.conf # shutdown -y -i6 -g0 |
参考
バックアップ時と物理ディスク構成が異なる場合
バックアップしたシステムとリストアするシステムの物理ディスク構成が異なっている場合、sdxconfig Convert コマンドを使用して、構成ファイルに記述されている物理ディスク名を変更することができます。
(例1)
構成ファイル/var/tmp/Class1.conf に記述されている物理ディスク c3t4d5 を c2t3d4 に変更する。
# sdxconfig Convert -e replace -c Class1 -p c3t4d5=c2t3d4 -i /var/tmp/Class1.conf -o /var/tmp/Class1.conf -e update |
(例2)
構成ファイル /var/tmp/Class1.conf に記述されているディスク Disk1 の物理ディスクを c2t3d4 に変更する。
# sdxconfig Convert -e replace -c Class1 -d Disk1=c2t3d4 -i /var/tmp/Class1.conf -o /var/tmp/Class1.conf -e update |
5) クラスのタイプ変更とスコープ拡張
バックアップしたクラス Class1 が共用クラスだった場合、Class1 のタイプ属性とスコープ属性を変更します。ここでは、バックアップしたクラスのスコープが node1:node2 であった場合の例を示します。
5-1) クラス内のボリュームの停止
# sdxvolume -F -c Class1 |
5-2) クラスのタイプ変更とスコープ拡張
# sdxattr -C -c Class1 -a type=shared,scope=node1:node2 |
6) 共用クラスをクラスタアプリケーションで使用するための設定
クラスタアプリケーションに Gdsリソースとして登録されている共用クラス Class1 のオブジェクト構成を復元した場合、Class1 のクラススコープ内の任意の 1ノードで以下のコマンドを実行します。
# /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvgdsetup -a Class1 ... Do you want to continue with these processes ? [yes/no] yes |
7) RMS の自動起動抑止の解除と起動
手順 1) で RMS の自動起動の設定を変更した場合、設定を元に戻します。
また、手順 1) で RMS を停止した場合、RMS を起動します。
RMS の起動方法と自動起動の設定方法については、「PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書」を参照してください。