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PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.5
FUJITSU Software

6.8.4 ディスク装置のコピー機能を使用したバックアップとリストア

ここでは、ディスクアレイ装置に装備されているディスク装置のコピー機能を使用し、運用ドメインのミラーボリュームのデータを、運用ドメインとは異なるドメインに属しているバックアップサーバからバックアップ/リストアする方法について説明します。

ディスク装置のコピー機能を使用してボリュームのデータを更新した場合、GDS はその更新を認識できません。ミラーリングしているディスクのデータを、ディスク装置のコピー機能を使用して更新すると、ミラーの等価性が保証できなくなります。このため、ディスク装置のコピー機能を使用してミラーボリュームのデータをリストアする場合、一方のディスクをいったんミラーから切り離し、リストアを行った後、切り離していたディスクを再度ミラーに組み込む必要があります。

ここでは、ディスクアレイ装置として Dell EMC 社製ストレージ装置、ディスク装置のコピー機能として Dell EMC TimeFinder を使用する例を示します。

TimeFinder を使用してリストアを行うと、占有スライス内の構成情報もリストアされます。このため、バックアップとリストアは、クラス内のすべてのディスクに対して一括して行う必要があります。また、バックアップ時とリストア時のクラス内のオブジェクトの構成や状態は同じでなければならないため、リストア時と同様に、バックアップの前後にもミラーからの切離しとミラーへの再組込みを行う必要があります。

参照

6.8.4.1 システム構成

図6.51 システム構成

参考

  • 運用ドメインでは、GDS、PRIMECLUSTER ではなく、SafeDISK または SafeDISK/Global と SafeCLUSTER を使用することもできます。

  • 運用ドメインに属しているノード (例えば、ノード Node2) をバックアップサーバにする構成も可能です。

注意

物理デバイス名

運用ドメインとバックアップサーバとでは、同一の物理ディスクに対して異なる物理デバイス名 (emcpower1 など) が割り当てられる場合もあります。

図6.52 通常運用時のオブジェクト構成

6.8.4.2 バックアップの概要

業務運用中に、切り離した BCV のデータをテープにバックアップします。

BCV のデータの整合性を確保するため、BCV を切り離すときに一時的に業務を停止します。

参考

スナップショットデータの整合性

業務を停止せずに BCV を切り離す場合は、ボリュームのデータを管理しているファイルシステムやデータベースシステムといったソフトウェア固有の方法で、データの整合性を確保する必要があります。詳細については、「A.2.29 スナップショットデータの整合性」を参照してください。

図6.53 バックアップ

図6.54 バックアップ時のオブジェクト構成

図6.55 バックアップのスケジュール

注意

BCV からのリストアを行う場合

BCV へのバックアップ (BCV の切離し) を行う際に、以下の条件を満たしている必要があります。

  • バックアップの対象となるクラスに登録されているすべてのディスク (切り離されている SWAP 状態のディスクは除く) を、BCV にバックアップします。BCV にバックアップしないディスクは、BCV の切離しを行う前にクラスから切り離してください。

  • クラス内のすべてのディスク (切り離されている SWAP 状態のディスクは除く) に対して BCV へのバックアップが完了するまで、クラス内のオブジェクトの構成や状態を変更しないでください。

参考

BCV からのリストアを行わない場合

BCV からのリストアを行わず、リストアは必ずテープから行う場合は、バックアップの際にディスクの切離しと再組込みを行う必要はありません。

6.8.4.3 BCV からのリストアの概要

業務で使用しているディスク (スタンダードデバイス) から BCV が切り離されている状態でスタンダードデバイスのデータが破損した場合は、スタンダードデバイスのデータを BCV からリストアすることができます。

リストアは、業務を停止し、業務用ボリュームが使用されていない状態で行います。

注意

BCV からのリストアの条件

BCV からのリストアを行う場合は、以下の条件を満たす必要があります。

  • リストアの対象となるクラスに登録されているすべてのディスク (切り離されている SWAP 状態のディスクは除く) に対して、BCV からのリストアを行います。BCV へのバックアップを行わなかったディスクは、BCV からのリストアを行う前にクラスから切り離してください。

  • リストアの対象となるクラス内のオブジェクトの構成は、BCV へのバックアップ (BCV の切離し) を行ったときと同じでなければなりません。

  • クラス内のすべてのディスクに対してリストア (切り離されている SWAP 状態のディスクは除く) が完了するまで、運用ドメインの任意のノードを再起動しないでください。

図6.56 BCV からのリストア

図6.57 BCV からのリストア時のオブジェクト構成

図6.58 BCV からのリストアのスケジュール

6.8.4.4 テープからのリストアの概要

業務で使用しているディスク (スタンダードデバイス) と BCV が同期化されている状態でスタンダードデバイスのデータが破損した場合は、BCV のデータも破損するため、スタンダードデバイスのデータをテープからリストアします。

リストアは、業務を停止し、業務用ボリュームが使用されていない状態で行います。

図6.59 テープからのリストア

参考

この構成では、バックアップサーバ Node3 からディスク emcpower2 にアクセスできないため、emcpower2 を一時的に切り離した状態で emcpower1 のデータをテープからリストアした後、emcpower2 を再度組み込んで emcpower1 から emcpower2 への等価性コピーを行います。Node3 から emcpower1、emcpower2 の両方にアクセスできる構成の場合は、emcpower1、emcpower2 の両方のデータをテープからリストアできるため、emcpower2 を一時的に切り離す必要はありません。

図6.60 テープからのリストア時のオブジェクト構成

図6.61 テープからのリストアのスケジュール

6.8.4.5 手順の概要

図6.62 環境構築手順の概要

図6.63 バックアップ手順の概要

図6.64 BCV からのリストア手順の概要

図6.65 テープからのリストア手順の概要

6.8.4.6 環境構築手順

注意

自動リソース登録

バックアップサーバが運用ドメインとは異なるクラスタドメイン (バックアップドメインと呼ぶ) に属している場合、運用ドメインでリソース登録したディスクや、バックアップドメインでシャドウクラスに登録するディスクは、バックアップドメインではリソース登録しないでください。バックアップドメインでは、自動リソース登録を実行する前に、これらの条件に該当するディスクを自動リソース登録の除外リストに記述する必要があります。自動リソース登録の詳細については、「PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書」を参照してください。


1) 業務用ボリュームの作成

ディスク (スタンダードデバイス) emcpower1、emcpower2 上に、業務で使用するミラーボリュームを作成します。以下の設定を運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実施します。

1-1) ディスクの登録

ディスク (スタンダードデバイス) emcpower1、emcpower2 を、ノード Node1、Node2 から共用される共用クラス Class1 に登録し、それぞれ Disk1、Disk2 というディスク名を付けます。

# sdxdisk -M -c Class1 -a type=shared,scope=Node1:Node2 -d emcpower1=Disk1,emcpower2=Disk2

1-2) ミラーグループの作成

ディスク Disk1、Disk2 をミラーグループ Group1 に接続します。

# sdxdisk -C -c Class1 -g Group1 -d Disk1,Disk2

1-3) ミラーボリュームの作成

ミラーグループ Group1 に、ミラーボリューム Volume1 を作成します。

# sdxvolume -M -c Class1 -g Group1 -v Volume1 -s 1048576

2) BCV の同期化

スタンダードデバイス emcpower1 と、コピー先となる BCV デバイス emcpower3 を関連付けます。以下の設定を運用ドメインのノード Node1 および Node2 の両方で実施します。

2-1) デバイスグループの作成

デバイスグループ DevGroup を作成します。

# symdg create DevGroup

2-2) スタンダードデバイスの登録

スタンダードデバイス emcpower1 をデバイスグループ DevGroup に登録し、STD001 という論理デバイス名を付けます。

# symld -g DevGroup add pd /dev/rdsk/emcpower1 STD001

2-3) BCV デバイスの関連付け

BCV デバイス emcpower3 をデバイスグループ DevGroup に関連付けて、BCV001 という論理デバイス名を付けます。

# symbcv -g DevGroup associate pd /dev/rdsk/emcpower3 BCV001

2-4) BCV ペアのエスタブリッシュ (同期化)

スタンダードデバイス STD001 と BCV デバイス BCV001 を同期化します。

# symmir -g DevGroup -full establish STD001 bcv ld BCV001

6.8.4.7 バックアップ手順

3) 業務用ボリュームのディスク切離し

運用ドメインにおいて、業務用ボリューム Volume1 が属しているクラス Class1 に登録されているディスクのうち、バックアップの対象となるディスク Disk1 以外のディスク (Disk2) を、Class1 から切り離します。以下のコマンドを運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実行します。

# sdxswap -O -c Class1 -d Disk2

4) BCV の切離し

BCV デバイス emcpower3 をスタンダードデバイス emcpower1 から切り離します。以下の作業を運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実施します。

参考

ここでは、BCV を切り離す際に、業務を停止することによってデータの整合性を確保します。ボリュームのデータを管理しているファイルシステムやデータベースシステムといったソフトウェアが、切り離された BCV のデータの整合性を保証する機能や整合性を修復する機能を備えている場合は、手順 4-3) および 4-5) を実施する必要はありません。その代わりに、それらのソフトウェア固有の方法で、整合性を確保する操作を行います。「A.2.29 スナップショットデータの整合性」を参照してください。

4-1) 業務用ボリュームの状態の確認

業務用ボリューム Volume1 のスライスのうち、BCV デバイス emcpower3 のコピー元のスタンダードデバイス emcpower1 (ディスク Disk1) 上のスライスが、データが正当な状態 (ACTIVE または STOP) であることを確認します。また、手順 3) で切り離したディスク Disk2 上のスライスが SWAP 状態であることを確認します。

# sdxinfo -S -c Class1 -o Volume1
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class1  Group1  Disk1   Volume1 ACTIVE
slice  Class1  Group1  Disk2   Volume1 NOUSE

データが正当な状態 (ACTIVE または STOP) ではない場合は、「F.1.1 スライス状態に関する異常」を参照してスライスの状態を復旧してください。

4-2) BCV ペアの状態の確認

スタンダードデバイス STD001 (emcpower1) と BCV デバイス BCV001 (emcpower3) が同期化された (Synchronized) 状態であることを確認します。

# symmir -g DevGroup query
Device Group (DG) Name: DevGroup
DG's Type             : REGULAR
DG's Symmetrix ID     : 000285502123
     Standard Device                 BCV Device                  status
------------------------ ------------------------------------ --------------
                Inv.                                 Inv.
Logcal      Sym Tracks   Logical                Sym  Tracks    STD <=> BCV
------------------------ ------------------------------------- -------------
STD001      005       0  BCV001                 073 * 61754    Synchronized

4-3) 業務の停止

切り離した後の、BCV デバイス上のデータの整合性を確保するため、ノード Node1 および Node2 において、業務用ボリューム Volume1 を使用しているアプリケーションを停止します。

Volume1 をファイルシステムとして使用している場合は、アンマウントします。

4-4) BCV ペアのスプリット (切離し)

BCV ペア (スタンダードデバイス STD001 と BCV デバイス BCV001) をスプリットします。

# symmir -g DevGroup split

4-5) 業務の再開

手順 4-3) でファイルシステムをアンマウントした場合は、再度マウントします。

手順 4-3) で停止したアプリケーションを再開します。


5) 業務用ボリュームのディスク再組込み

手順 3) で業務用ボリューム Volume1 が属しているクラス Class1 から切り離したディスク Disk2 を、Class1 に再度組み込みます。

# sdxswap -I -c Class1 -d Disk2 -e nowaitsync

コマンドが復帰した後、ボリューム Volume1 の Disk1 上のスライスから Disk2 上のスライスへの等価性コピー処理が実行されます


6) 業務用ボリュームの構成の確認

運用ドメインのノード Node1 または Node2 において、バックアップの対象となる業務用ボリューム Volume1 の構成を確認します。
下線部を確認します。

# sdxinfo -c Class1
OBJ    NAME    TYPE     SCOPE       SPARE
------ ------- -------- ----------- -----
class  Class1  shared   Node1:Node2 0
OBJ    NAME    TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM    DEVBLKS  DEVCONNECT       STATUS
------ ------- ------ ------- ------- --------- -------- ---------------- -------
disk   Disk1   mirror Class1  Group1  emcpower1  8380800 Node1:Node2      ENABLE
disk   Disk2   mirror Class1  Group1  emcpower2  8380800 Node1:Node2      ENABLE
OBJ    NAME    CLASS  DISKS               BLKS     FREEBLKS SPARE
------ ------- ------ ------------------- -------- -------- -----
group  Group1  Class1 Disk1:Disk2          8290304  7176192 0
OBJ    NAME    CLASS   GROUP   SKIP JRM  1STBLK   LASTBLK   BLOCKS   STATUS
------ ------- ------- ------- ---- ---  -------- --------  -------- --------
volume *       Class1  Group1  *    *           0    65535     65536 PRIVATE
volume Volume1 Class1  Group1  off  on      65536  1114111   1048576 ACTIVE
volume *       Class1  Group1  *    *     1114112  8290303   7176192 FREE
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class1  Group1  Disk1   Volume1 ACTIVE
slice  Class1  Group1  Disk2   Volume1 ACTIVE

7) バックアップ用シャドウボリュームの作成

バックアップサーバ Node3 において、BCV デバイス emcpower3 上にバックアップ用のボリューム (シャドウボリューム) を作成します。以下の設定をバックアップサーバ Node3 で実施します。

注意

不適切な構成のシャドウボリュームに書込みを行うと、業務用ボリュームのデータが破損することがあります。手順 7-4) において、シャドウボリュームの構成が適切であることを必ず確認してください。

7-1) シャドウディスクの登録

ディスク (BCV デバイス) emcpower3 をシャドウクラス Class2 に登録し、Disk1 というディスク名を付けます。

# sdxshadowdisk -M -c Class2 -d emcpower3=Disk1

ポイント

  • ディスク名は、BCV デバイス emcpower3 のコピー元のスタンダードデバイス emcpower1 に対して手順 1-1) で割り当てたディスク名 Disk1 と同じにする必要があります。手順 1-1) で割り当てたディスク名は、手順 6) の sdxinfo コマンドで表示されたディスク情報の NAME フィールドで確認できます。

  • クラス名は自由に割り当てることができます。ただし、ノード Node3 がノード Node1 および Node2 と同一ドメインに属している構成の場合は、手順 1-1) で作成したクラスとは異なるクラス名にする必要があります。

7-2) シャドウグループの作成

シャドウディスク Disk1 をミラータイプのシャドウグループ Group1 に接続します。

# sdxshadowdisk -C -c Class2 -g Group1 -d Disk1

7-3) シャドウボリュームの作成

シャドウグループ Group1 に、シャドウボリューム Volume1 を作成します。

# sdxshadowvolume -M -c Class2 -g Group1 -v Volume1 -s 1048576

ポイント

  • ボリュームは、手順 1-3) と同じサイズで作成する必要があります。手順 1-3) で作成したボリュームのサイズは、手順 6) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の BLOCKS フィールドで確認できます。

  • ボリュームが複数ある場合、手順 6) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の 1STBLK フィールドの値 (先頭ブロック番号) が小さい順に、対応するシャドウボリュームを作成する必要があります。

  • ボリューム名は自由に割り当てることができます。

7-4) シャドウボリュームの構成の確認

sdxinfo コマンドを実行し、グループ情報の DISKS フィールド、ボリューム情報の 1STBLK フィールドおよび BLOCKS フィールドなどから、グループ構成やボリューム構成が適切であることを確認します。
下線部を確認します。

# sdxinfo -c Class2
OBJ    NAME    TYPE     SCOPE       SPARE
------ ------- -------- ----------- -----
class  Class2  local    Node3       0
OBJ    NAME     TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM    DEVBLKS  DEVCONNECT       STATUS
------ -------  ------ ------- ------- --------- -------- ---------------- -------
disk   Disk1    mirror Class2  Group1  emcpower3  8380800 Node3            ENABLE
OBJ    NAME    CLASS   DISKS               BLKS     FREEBLKS  SPARE
------ ------- ------- ------------------- -------- --------- -----
group  Group1  Class2  Disk1                8290304   7176192 0
OBJ    NAME    CLASS   GROUP   SKIP JRM  1STBLK   LASTBLK   BLOCKS   STATUS
------ ------- ------- ------- ---- ---  -------- --------  -------- --------
volume *       Class2  Group1  *    *           0    65535     65536 PRIVATE
volume Volume1 Class2  Group1  off  off     65536  1114111   1048576 ACTIVE
volume *       Class2  Group1  *    *     1114112  8290303   7176192 FREE
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class2  Group1  Disk1   Volume1 ACTIVE

8) テープへのバックアップ

バックアップサーバ Node3 において、シャドウボリュームのデータをテープにバックアップします。シャドウボリューム Volume1 のデータをテープ装置 /dev/rmt/0 のテープ媒体にバックアップする例を示します。

参照

バックアップ方法の詳細については、バックアップするファイルシステムや使用するコマンドのマニュアルを参照してください。

参考

GFS 共用ファイルシステムの場合

手順 8a) の方法でバックアップしてください。

8a) dd(1M) コマンドを使用して raw デバイスのデータをバックアップする場合

# dd if=/dev/sfdsk/Class2/rdsk/Volume1 of=/dev/rmt/0 bs=32768

8b) tar(1) コマンドを使用して ufs ファイルシステムをバックアップする場合

8b-1) シャドウボリューム Volume1 を読書き用のアクセスモード (rw) で起動します。

# sdxshadowvolume -F -c Class2 -v Volume1
# sdxshadowvolume -N -c Class2 -v Volume1 -e mode=rw

8b-2) シャドウボリューム Volume1 上の ufs ファイルシステムの整合性のチェックと修復を行います。

手順 4) において BCV を切り離す際にファイルシステムをアンマウントした場合は、本手順を実施する必要はありません。

# fsck -F ufs -y /dev/sfdsk/Class2/rdsk/Volume1

8b-3) シャドウボリューム Volume1 上の ufs ファイルシステムを、一時的なマウントポイント /mnt1 に読取り専用モードでマウントします。

# mkdir /mnt1
# mount -F ufs -o ro /dev/sfdsk/Class2/rdsk/Volume1 /mnt1

8b-4) ファイルシステムのデータをテープにバックアップします。

# cd /mnt1
# tar cvf /dev/rmt/0 .

8b-5) 手順 8b-3) でマウントしたファイルシステムをアンマウントします。

# cd /
# umount /mnt1
# rmdir /mnt1

8c) ufsdump(1M) コマンドを使用して ufs ファイルシステムをバックアップする場合

8c-1) シャドウボリューム Volume1 を読書き用のアクセスモード (rw) で起動します。

# sdxshadowvolume -F -c Class2 -v Volume1
# sdxshadowvolume -N -c Class2 -v Volume1 -e mode=rw

8c-2) シャドウボリューム Volume1 上の ufs ファイルシステムの整合性のチェックと修復を行います。

手順 4) において BCV を切り離す際にファイルシステムをアンマウントした場合は、本手順を実施する必要はありません。

# fsck -F ufs -y /dev/sfdsk/Class2/rdsk/Volume1

8c-3) ファイルシステムのデータをテープにバックアップします。

# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0 /dev/sfdsk/Class2/rdsk/Volume1

9) シャドウボリュームの削除

バックアップが完了したら、シャドウボリュームへの不当なアクセスを防ぐため、シャドウボリュームを削除します。バックアップサーバ Node3 で以下の作業を実施します。

9-1) シャドウボリュームの停止

シャドウボリューム Volume1 を停止します。

# sdxshadowvolume -F -c Class2 -v Volume1

9-2) シャドウボリュームの削除

シャドウボリューム Volume1 を削除します。

# sdxshadowvolume -R -c Class2 -v Volume1

9-3) シャドウグループの削除

シャドウグループ Group1 を削除します。

# sdxshadowgroup -R -c Class2 -g Group1

9-4) シャドウディスクの削除

シャドウディスク Disk1 を削除します。

# sdxshadowdisk -R -c Class2 -d Disk1

10) BCV の再同期化

次のバックアップに備えて、スタンダードデバイス STD001 と BCV デバイス BCV001 を再同期化します。以下のコマンドを運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実行します。

# symmir -g DevGroup establish STD001 bcv ld BCV001

再度バックアップを行う場合は、手順 4) から実施してください。

6.8.4.8 BCV からのリストア手順

11) 業務の停止

運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、業務用ボリューム Volume1 を使用しているアプリケーションを停止します。

Volume1 をファイルシステムとして使用している場合は、アンマウントします。


12) 業務用ボリュームの停止

運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、業務用ボリューム Volume1 を停止します。以下のコマンドを Node1 または Node2 で実行します。

# sdxvolume -F -c Class1 -v Volume1 -e allnodes

13) 業務用ボリュームのディスク切離し

運用ドメインにおいて、業務用ボリューム Volume1 が属しているクラス Class1 に登録されているディスクのうち、リストアの対象となるディスク Disk1 以外のディスク (Disk2) を、Class1 から切り離します。以下のコマンドを運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実行します。

# sdxswap -O -c Class1 -d Disk2

14) BCV からのリストア

運用ドメインにおいて、スタンダードデバイス STD001 のデータを BCV デバイス BCV001 からリストアします。以下の作業を運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実施します。

14-1) BCV からのリストア

スタンダードデバイス STD001 のデータを BCV デバイス BCV001 からリストアします。

# symmir -g DevGroup restore STD001 BCV ld BCV001

14-2) リストア状況の確認

リストア処理中は、スタンダードデバイス STD001 と BCV デバイス BCV001 の BCV ペアは RestInProg 状態となります。リストアが完了して BCV ペアが Restored 状態になったことを確認します。

# symmir -g DevGroup query
Device Group (DG) Name: DevGroup
DG's Type             : REGULAR
DG's Symmetrix ID     : 000285502123
     Standard Device                   BCV Device                 State
------------------------- ------------------------------------ ------------
                   Inv.                                 Inv.
Logical        Sym Tracks Logical                 Sym   Tracks STD <=> BCV
------------------------- ------------------------------------ ------------
STD001         005      0 BCV001                  073 *      0 Restored

15) 業務の再開と業務用ボリュームのディスク再組込み

運用ドメインで業務を再開します。業務を実行するノードで以下の作業を実施します。

参考

ここでは、業務用ボリュームの等価性回復よりも業務の再開を優先し、まず業務を再開し、業務運用中にボリュームの等価性回復を行う手順を示します。業務の再開よりもボリュームの等価性回復を優先する場合は、手順 15-1)、15-3)、15-4) (等価性コピー処理の完了を確認)、15-2) の順に実施してください。

15-1) 業務用ボリュームの起動

業務用ボリューム Volume1 を起動します。

# sdxvolume -N -c Class1 -v Volume1

15-2) 業務の再開

手順 11) で業務用ボリューム Volume1 上のファイルシステムをアンマウントした場合は、再度マウントします。

Volume1 を使用するアプリケーションを起動します。

15-3) 業務用ボリュームのディスク再組込み

手順 13) で業務用ボリューム Volume1 が属しているクラス Class1 から切り離したディスク Disk2 を、Class1 に再度組み込みます。

# sdxswap -I -c Class1 -d Disk2 -e nowaitsync

コマンドが復帰した後、ボリューム Volume1 の Disk1 上のスライスから Disk2 上のスライスへの等価性コピー処理が実行されます。

15-4) コピー状況の確認

等価性コピー処理の状況は、sdxinfo -S コマンドで確認することができます。コピー先のスライスは、コピー処理中は COPY 状態であり、コピー処理が正常に完了すると ACTIVE 状態 (ただし Volume1 が STOP 状態の場合は STOP 状態) になります。

# sdxinfo -S -c Class1 -o Volume1
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class1  Group1  Disk1   Volume1 ACTIVE
slice  Class1  Group1  Disk2   Volume1 COPY

6.8.4.9 テープからのリストア手順

16) 業務の停止

運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、業務用ボリューム Volume1 を使用しているアプリケーションを停止します。

Volume1 をファイルシステムとして使用している場合は、アンマウントします。


17) 業務用ボリュームの停止

運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、業務用ボリューム Volume1 への不当な書込みを防止するため、Volume1 を停止します。以下のコマンドを Node1 または Node2 で実行します。

# sdxvolume -F -c Class1 -v Volume1 -e allnodes

18) 業務用ボリュームのスライス切離し

運用ドメインにおいて、業務用ボリューム Volume1 のスライスのうち、リストアの対象となるディスク Disk1 以外のディスク (Disk2) 上のスライスを、Volume1 から一時的に切り離します。以下のコマンドを運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実行します。

# sdxslice -M -c Class1 -d Disk2 -v Volume1 -a jrm=off

ポイント

バックアップサーバ Node3 において、ディスク Disk1 のデータをテープからリストアした後、運用ドメインにおいて、ディスク Disk2 上のスライスを業務ボリューム Volume1 に再度組み込みます。このとき、組み込んだスライスにボリューム全体のデータをコピーする必要があります。このため、切り離すスライスの高速等価性回復モードをオフに設定しておく必要があります。

参考

バックアップサーバ Node3 からディスク Disk2 にアクセスできる場合は、Node3 において、ディスク Disk1 および Disk2 の両方のデータをテープからリストアすることができます。この場合は、本手順 (スライス切離し) は実施しないでください。


19) 業務用ボリュームの構成と状態の確認

運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、リストアの対象となる業務用ボリューム Volume1 の構成と状態を確認します。ボリューム Volume1 が STOP 状態であることと、ボリュームを構成するスライスのうち、リストア対象のスライス Volume1.Disk1 のみが STOP 状態であり、他のスライスは TEMP または TEMP-STOP 状態であることを確認します。ボリュームの状態やスライスの状態が不当な場合は、「F.1.3 ボリューム状態に関する異常」または「F.1.1 スライス状態に関する異常」を参照して状態を復旧してください。

# sdxinfo -c Class1
OBJ    NAME    TYPE     SCOPE       SPARE
------ ------- -------- ----------- -----
class  Class1  shared   Node1:Node2 0
OBJ    NAME    TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM    DEVBLKS  DEVCONNECT       STATUS
------ ------- ------ ------- ------- --------- -------- ---------------- -------
disk   Disk1   mirror Class1  Group1  emcpower1  8380800 Node1:Node2      ENABLE
disk   Disk2   mirror Class1  Group1  emcpower2  8380800 Node1:Node2      ENABLE
OBJ    NAME    CLASS   DISKS               BLKS     FREEBLKS SPARE
------ ------- ------- ------------------- -------- -------- -----
group  Group1  Class1  Disk1:Disk2          8290304  7176192 0
OBJ    NAME    CLASS   GROUP   SKIP JRM 1STBLK   LASTBLK  BLOCKS   STATUS
------ ------- ------- ------- ---- --- -------- -------- -------- --------
volume *       Class1  Group1  *    *          0    65535    65536 PRIVATE
volume Volume1 Class1  Group1  off  on     65536  1114111  1048576 STOP
volume *       Class1  Group1  *    *    1114112  8290303  7176192 FREE
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class1  Group1  Disk1   Volume1 STOP
slice  Class1  Group1  Disk2   Volume1 TEMP

参考

バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (Disk1 および Disk2) にアクセスできる場合は、Volume1 を構成するすべてのスライスが STOP 状態であることを確認してください。


20) リストア用シャドウボリュームの作成

バックアップサーバ Node3 において、ディスク emcpower1 上にリストア用のボリューム (シャドウボリューム) を作成します。以下の設定をバックアップサーバ Node3 で実施します。

20-1) シャドウディスクの登録

ディスク emcpower1 をシャドウクラス Class3 に登録し、Disk1 というディスク名を付けます。

# sdxshadowdisk -M -c Class3 -d emcpower1=Disk1

ポイント

  • ディスク名は、ディスク emcpower1 に対して手順 1-1) で割り当てたディスク名 Disk1 と同じにする必要があります。手順 1-1) で割り当てたディスク名は、手順 19) の sdxinfo コマンドで表示されたディスク情報の NAME フィールドで確認できます。

  • クラス名は自由に割り当てることができます。ただし、ノード Node3 がノード Node1 および Node2 と同一ドメインに属している構成の場合は、手順 1-1) で作成したクラスとは異なるクラス名にする必要があります。

参考

バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpower1 および emcpower2) にアクセスできる場合は、Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpower1 および emcpower2) をシャドウクラスに登録してください。

20-2) シャドウグループの作成

シャドウディスク Disk1 をミラータイプのシャドウグループ Group1 に接続します。

# sdxshadowdisk -C -c Class3 -g Group1 -d Disk1

参考

バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpower1 および emcpower2) にアクセスできる場合は、Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpower1 および emcpower2) をシャドウグループに接続してください。

20-3) シャドウボリュームの作成

シャドウグループ Group1 に、シャドウボリューム Volume1 を作成します。

# sdxshadowvolume -M -c Class3 -g Group1 -v Volume1 -s 1048576

ポイント

  • ボリュームは、手順 1-3) と同じサイズで作成する必要があります。手順 1-3) で作成したボリュームのサイズは、手順 19) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の BLOCKS フィールドで確認できます。

  • ボリュームが複数ある場合、手順 19) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の 1STBLK フィールドの値 (先頭ブロック番号) が小さい順に、対応するシャドウボリュームを作成する必要があります。

  • ボリューム名は自由に割り当てることができます。

20-4) シャドウボリュームのアクセスモードの変更

シャドウボリューム Volume1 を読書き用のアクセスモード (rw) で起動します。

# sdxshadowvolume -F -c Class3 -v Volume1
# sdxshadowvolume -N -c Class3 -v Volume1 -e mode=rw

20-5) シャドウボリュームの構成の確認

sdxinfo コマンドを実行し、グループ情報の DISKS フィールド、ボリューム情報の 1STBLK フィールドおよび BLOCKS フィールドなどから、グループ構成やボリューム構成が適切であることを確認します。

# sdxinfo -c Class3
OBJ    NAME    TYPE     SCOPE       SPARE
------ ------- -------- ----------- -----
class  Class3  local    Node3       0
OBJ    NAME   TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM     DEVBLKS  DEVCONNECT  STATUS
------ ------ ------ ------- ------- ---------- -------- ----------- -------
disk   Disk1  mirror Class3  Group1  emcpower1   8380800 Node3       ENABLE
OBJ    NAME    CLASS   DISKS               BLKS     FREEBLKS SPARE
------ ------- ------- ------------------- -------- -------- -----
group  Group1  Class3  Disk1                8290304  7176192 0
OBJ    NAME    CLASS   GROUP   SKIP JRM 1STBLK   LASTBLK  BLOCKS   STATUS
------ ------- ------- ------- ---- --- -------- -------- -------- --------
volume *       Class3  Group1  *    *          0    65535    65536 PRIVATE
volume Volume1 Class3  Group1  off  off    65536  1114111  1048576 ACTIVE
volume *       Class3  Group1  *    *    1114112  8290303  7176192 FREE
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class3  Group1  Disk1   Volume1 ACTIVE

21) テープからのリストア

バックアップサーバ Node3 において、シャドウボリュームのデータを手順 8) でバックアップしたテープからリストアします。シャドウボリューム Volume1 のデータをテープ装置 /dev/rmt/0 のテープ媒体からリストアする例を示します。

参照

リストア方法の詳細については、リストアするファイルシステムや使用するコマンドのマニュアルを参照してください。

参考

GFS 共用ファイルシステムの場合

手順 21a) の方法でリストアしてください。

21a) dd(1M) コマンドを使用して raw デバイスのデータをリストアする場合

# dd if=/dev/rmt/0 of=/dev/sfdsk/Class3/rdsk/Volume1 bs=32768

21b) tar(1) コマンドを使用して ufs ファイルシステムをリストアする場合

21b-1) シャドウボリューム Volume1 に ufs ファイルシステムを作成します。

# newfs /dev/sfdsk/Class3/rdsk/Volume1

21b-2) シャドウボリューム Volume1 上の ufs ファイルシステムを、一時的なマウントポイント /mnt2 にマウントします。

# mkdir /mnt2
# mount -F ufs /dev/sfdsk/Class3/dsk/Volume1 /mnt2

21b-3) ファイルシステムのデータをテープからリストアします。

# cd /mnt2
# tar xvf /dev/rmt/0

21b-4) 手順 21b-2) でマウントしたファイルシステムをアンマウントします。

# cd /	
# umount /mnt2
# rmdir /mnt2

21c) ufsrestore(1M) コマンドを使用して ufs ファイルシステムをリストアする場合

21c-1) シャドウボリューム Volume1 に ufs ファイルシステムを作成します。

# newfs /dev/sfdsk/Class3/rdsk/Volume1

21c-2) シャドウボリューム Volume1 上の ufs ファイルシステムを、一時的なマウントポイント /mnt2 にマウントします。

# mkdir /mnt2
# mount -F ufs /dev/sfdsk/Class3/dsk/Volume1 /mnt2

21c-3) ファイルシステムのデータをテープからリストアします。

# cd /mnt2
# ufsrestore rvf /dev/rmt/0

21c-4) ufsrestore(1M) コマンドが作成した一時ファイルを削除します。

# rm /mnt2/restoresymtable

21c-5) 手順 21c-2) でマウントしたファイルシステムをアンマウントします。

# cd /
# umount /mnt2
# rmdir /mnt2

22) シャドウボリュームの削除

リストアが完了したら、シャドウボリュームへの不当なアクセスを防ぐため、シャドウボリュームを削除します。バックアップサーバ Node3 で以下の作業を実施します。

22-1) シャドウボリュームの停止

シャドウボリューム Volume1 を停止します。

# sdxshadowvolume -F -c Class3 -v Volume1

22-2) シャドウボリュームの削除

シャドウボリューム Volume1 を削除します。

# sdxshadowvolume -R -c Class3 -v Volume1

22-3) シャドウグループの削除

シャドウグループ Group1 を削除します。

# sdxshadowgroup -R -c Class3 -g Group1

22-4) シャドウディスクの削除

シャドウディスク Disk1 を削除します。

# sdxshadowdisk -R -c Class3 -d Disk1

参考

バックアップサーバ Node3 からボリューム Volume1 を構成するすべてのディスク (emcpower1 および emcpower2) にアクセスできる場合は、手順 20) でシャドウクラス Class3 に登録したすべてのディスク (emcpower1 および emcpower2) を削除してください。


23) 業務の再開と業務用ボリュームのスライス再組込み

運用ドメインで業務を再開します。業務を実行するノードで以下の作業を実施します。

参考

ここでは、業務用ボリュームの等価性回復よりも業務の再開を優先し、まず業務を再開し、業務運用中にボリュームの等価性回復を行う手順を示します。業務の再開よりもボリュームの等価性回復を優先する場合は、手順 23-1)、23-3)、23-4) (等価性コピー処理の完了を確認)、23-2) の順に実施してください。

23-1) 業務用ボリュームの起動

業務用ボリューム Volume1 を起動します。

# sdxvolume -N -c Class1 -v Volume1

23-2) 業務の再開

手順 16) で業務用ボリューム Volume1 上のファイルシステムをアンマウントした場合は、再度マウントします。

Volume1 を使用するアプリケーションを起動します。

23-3) 業務用ボリュームのスライス再組込み

手順 18) で業務用ボリューム Volume1 から一時的に切り離したスライス Volume1.Disk2 を、Volume1 に再度組み込みます。

# sdxslice -R -c Class1 -d Disk2 -v Volume1

コマンドが復帰した後、ボリューム Volume1 の Disk1 上のスライスから Disk2 上のスライスへの等価性コピー処理が実行されます。

23-4) コピー状況の確認

等価性コピー処理の状況は、sdxinfo -S コマンドで確認することができます。コピー先のスライスは、コピー処理中は COPY 状態であり、コピー処理が正常に完了すると ACTIVE 状態 (ただし Volume1 が STOP 状態の場合は STOP 状態) になります。

# sdxinfo -S -c Class1 -o Volume1
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class1  Group1  Disk1   Volume1 ACTIVE
slice  Class1  Group1  Disk2   Volume1 COPY