ミラーボリュームの場合、スライス切離し方式によるスナップショットを使用して、業務運用中にバックアップを行うことができます。
参照
スライス切離し方式によるスナップショットの使用条件については、「A.2.19 スライス切離しによるスナップショット」を参照してください。
切り離すスライスのデータの整合性を確保するため、スライスを切り離す際、一時的に業務を停止します。
参照
スナップショットデータの整合性の確保については、「A.2.29 スナップショットデータの整合性」を参照してください。
1) 業務の停止
1a) クラスタアプリケーションで使用している共用ボリュームの場合
クラスタアプリケーションを停止します。
1b) クラスタアプリケーションで使用していないボリュームの場合
1b-1) ボリュームを使用している業務を停止します。
1b-2) ボリュームをファイルシステムとして使用している場合は、ファイルシステムをアンマウントします。ここでは、マウントポイントが /mnt1 である場合の例を示します。
# cd / |
2) スライスの切離し
ミラーボリュームからスライスを切り離します。ここでは、ディスク Disk1 上のスライスを切り離す場合の例を示します。
# sdxslice -M -c Class1 -d Disk1 -v Volume1 |
参照
GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.2.1 バックアップ (スライス切離し方式)」の「スライス切離し」を参照してください。
3) 業務の再開
3a) クラスタアプリケーションで使用している共用ボリュームの場合
クラスタアプリケーションを実行します。
3b) クラスタアプリケーションで使用していないボリュームの場合
3b-1) ボリュームをファイルシステムとして使用している場合は、ファイルシステムをマウントします。ここでは、マウントポイントが /mnt1 である場合の例を示します。
ufs ファイルシステムの場合
# mount -F ufs /dev/sfdsk/Class1/dsk/Volume1 /mnt1 |
3b-2) 業務を再開します。
4) ボリュームをファイルシステムとして使用している場合は、ファイルシステムの整合性のチェックと修復を行います。手順 1) においてファイルシステムをアンマウントした場合は、本手順を実施する必要はありません。
ufs ファイルシステムの場合
# fsck -F ufs -y /dev/sfdsk/Class1/rdsk/Disk1.Volume1 |
5) バックアップ
切り離したスライスのデータをバックアップします。ここでは、テープ装置 /dev/rmt/0 のテープ媒体にバックアップする例を示します。
参照
バックアップ方法の詳細については、バックアップするファイルシステムや使用する各コマンドのマニュアルを参照してください。
dd(1M) コマンドを使用して raw デバイスのデータをバックアップする場合
# dd if=/dev/sfdsk/Class1/rdsk/Disk1.Volume1 of=/dev/rmt/0 bs=32768 |
ufsdump(1M) コマンドを使用して ufs ファイルシステムをバックアップする場合
# ufsdump 0ucf /dev/rmt/0 /dev/sfdsk/Class1/rdsk/Disk1.Volume1 |
6) スライスの再組込み
切り離したスライスをミラーボリュームに組み込みます。
# sdxslice -R -c Class1 -d Disk1 -v Volume1 |
参照
GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「5.3.2.1 バックアップ (スライス切離し方式)」の「スライス組込み」を参照してください。