ここでは、本製品を運用する際の留意点について説明します。
管理LANの冗長構成
管理対象サーバの管理LANで利用するNICとLANが故障すると、以下の操作はエラーになることがあります。速やかに復旧してください。
バックアップ・リストア
クローニングイメージの採取・配付
サーバの切替え・切戻し
HBA address rename
本製品では、HBA address rename利用時、管理対象サーバのHBAの工場出荷時WWNが書き換えられ、サーバ削除を行うと工場出荷時の値にリセットされます。
本製品の管理外の環境でHBAを利用する場合、本製品のサーバ削除を行ってください。
サーバ削除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「9.2 管理対象サーバの削除」を参照してください。
管理対象サーバの起動時に、管理サーバと接続しHBAのWWNが設定されます。
そのため、管理対象サーバの起動時に再起動が数回行われます。
HBA address rename設定をしたことがあるHBAを、管理対象サーバへ移設しないでください。WWNがHBAに設定されたままの可能性があるため、WWNがリセットされないまま運用した場合、ほかのサーバへ同じWWNが設定されたときに、同一ボリュームアクセスによってデータが破損する危険性があります。
マネージャーのシステム時刻の変更
管理サーバのシステム時刻を過去に戻した場合、マネージャーからのリソース監視が戻した時間だけ停止します。システム時刻を数分以上過去に戻す場合、時刻を戻したあとにマネージャーを再起動してください。
マネージャーの再起動については、「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。
マネージャーの再起動
マネージャーのサービスは、システムの安定運用を行うためデフォルトで毎日3時45分に再起動されます。
再起動に関する設定は運用形態に応じて変更できます。設定を変更する場合、以下を行ってください。
設定ファイル
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\rails\config\rcx\rcx_manager_params.rb
【Linuxマネージャー】
/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx/rcx_manager_params.rb
設定パラメーター
パラメーター名 | 意味 | 初期値 |
---|---|---|
RESTART_ENABLE | 再起動するかを指定します。 以下のどちらかを指定してください。
| true |
RESTART_HOUR | 再起動の実行時刻(時)を、0~23の間で指定します。 | 3 |
RESTART_MIN | 再起動の実行時刻(分)を、0~59の間で指定します。 | 45 |
RESTART_CYCLE | 再起動の実行間隔を日単位で、1~5の間で指定します。 | 1 |
変更手順
マネージャーを停止します。
エディタを使用して、rcx_manager_params.rbファイルのパラメーターを変更します。
マネージャーを起動します。
マネージャーの起動、停止については、「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。
注意
再起動される条件は、マネージャーの起動からRESTART_CYCLE × 24時間以上経過している、かつ指定された時刻(RESTART_HOUR、RESTART_MIN)になった場合です。
システムの安定運用のため、基本的にはマネージャーの再起動は毎日行う設定としてください。
マネージャーをアップグレードする場合、事前に設定内容を確認し、アップグレード完了後に再度設定してください。
マネージャーの処理の多重度の変更
マネージャーでは、複数の処理を同時に実行する際、メモリ使用量の観点から、同時に実行できる数に上限を設けています。
使用環境によって、処理の同時実行数の上限を変更できます。設定を変更する場合、以下の定義ファイルを編集してください。
定義ファイルが存在しない場合、作成してください。
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
rcx_base.rcxprop
定義ファイルでは、1行ごとに以下のように記述してください。
キー = 値 |
以下の項目を指定します。
項目 | キー | 値 | 備考 |
---|---|---|---|
処理の多重度 | TASK_WORKER_COUNT | 半角数字で5~30を指定します。 | 初期値は"30"です。 定義ファイルが存在しない場合、初期値で動作します。 |
定義ファイルの例を以下に示します。以下の例では、処理の多重度を"10"に設定しています。
TASK_WORKER_COUNT=10 |
定義ファイルの変更手順
マネージャー単体の環境の場合
マネージャーを停止します。
rcx_base.rcxpropファイルのTASK_WORKER_COUNTの値を変更します。
rcx_base.rcxpropファイルが存在しない場合、作成してください。
マネージャーを起動します。
マネージャーをクラスタで運用している場合
【Windowsマネージャー】
マネージャーを停止します。
マネージャーの共有ディスクをオンラインにします。共有ディスク以外のクラスタリソースはすべてオフラインにします。
共有ディスクにあるrcx_base.rcxpropファイルのTASK_WORKER_COUNTの値を変更します。
rcx_base.rcxpropファイルが存在しない場合、作成してください。
ドライブ名\Fujitsu\ROR\SVROR\customize_data\rcx_base.rcxprop
マネージャーを起動します。
【Linuxマネージャー】
マネージャーを停止します。
管理サーバ用の共用ディスクを、プライマリーノードまたはセカンダリノードにマウントします。
共用ディスクにあるrcx_base.rcxpropファイルのTASK_WORKER_COUNTの値を変更します。
rcx_base.rcxpropファイルが存在しない場合、作成してください。
共用ディスクのマウント先/Fujitsu/ROR/SVROR/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data/rcx_base.rcxprop
手順2.でマウントしたノードから、管理サーバ用の共用ディスクをアンマウントします。
マネージャーを起動します。
マネージャーの起動、停止については、「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。
注意
Basicモード利用時の注意事項
処理の多重度を変更した場合、製品のメモリ使用量も増加します。
増加するメモリ使用量については、「表A.3 処理の多重度によるメモリ使用量の増加」を参照してください。
この値と、「解説書」の「6.1.2.8 メモリ容量」に記載されている、マネージャーのメモリ容量から、製品のメモリ使用量を算出し、必要に応じてメモリを増設してください。
処理の多重度 | メモリの増加量(単位: MB) |
---|---|
5 | - |
6~14 | 1080 + (処理の多重度 × 40) |
15~30 | 2104 + (処理の多重度 × 40) |
PRIMEQUEST 2000シリーズ使用時のExtended Partitioning Mode変更
PRIMEQUEST 2000シリーズ使用時、業務サーバ/ホストを動作させるパーティションのExtended Partitioning Modeを変更する場合、以下の手順で使用しているパーティションを本製品から再登録してください。
使用しているパーティションがPPARパーティションであり、PPARの[Extended Partitioning Mode]をEnableに設定し、Extended Partitionを使用する場合
オーケストレーションツリーで該当の管理対象サーバのリソースの登録を解除してください。
リソースの登録解除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「19.4 登録解除」を参照してください。
サーバツリーで該当の管理対象サーバを削除してください。
管理対象サーバの削除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「9.2 管理対象サーバの削除」を参照してください。
PRIMEQUESTのMMBの管理画面から[Extended Partitioning Mode]の設定を変更してください。
Extended Partitioning Modeの変更は、PRIMEQUEST 2000シリーズの運用管理マニュアル参照してください。
サーバツリーで該当のExtended Partitionを登録してください。
管理対象サーバの登録については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.8.2 PRIMEQUESTのサーバの登録」を参照してください。
オーケストレーションツリーで該当のExtended Partitionをリソースプールに登録してください。
リソースプールの登録については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第14章 リソースのリソースプールへの登録」を参照してください。
使用しているパーティションがExtended Partitionであり、Extended Partitionを構成しているPPARの[Extended Partitioning Mode]をDisableに設定し、PPARパーティションを使用する場合
オーケストレーションツリーで該当の管理対象サーバのリソースの登録を解除してください。
リソースの登録解除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「19.4 登録解除」を参照してください。
サーバツリーで該当の管理対象サーバを削除してください。
管理対象サーバの削除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「9.2 管理対象サーバの削除」を参照してください。
PRIMEQUESTのMMBの管理画面から[Extended Partitioning Mode]の設定を変更してください。
Extended Partitioning Modeの変更は、PRIMEQUEST 2000シリーズの運用管理マニュアル参照してください。
サーバツリーで該当のPPARパーティションを登録してください。
管理対象サーバの登録については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.8.2 PRIMEQUESTのサーバの登録」を参照してください。
オーケストレーションツリーで該当のExtended Partitionをリソースプールに登録してください。
リソースプールの登録については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第14章 リソースのリソースプールへの登録」を参照してください。
PRIMEQUEST 2000シリーズ使用時のPPARのExtended Partition構成の変更
PRIMEQUEST 2000シリーズ使用時、業務サーバ/ホストを動作させるパーティションのPPARのExtended Partition構成を変更する場合、以下の手順で使用しているパーティションを本製品から再登録してください。
オーケストレーションツリーで該当の管理対象サーバのリソースの登録を解除してください。
リソースの登録解除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「19.4 登録解除」を参照してください。
サーバツリーで該当の管理対象サーバを削除してください。
管理対象サーバの削除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「9.2 管理対象サーバの削除」を参照してください。
PPRIMEQUESTのMMBの管理画面から"Partition Configuration"の設定を変更してください。
Partition Configurationの変更は、PRIMEQUEST 2000シリーズの運用管理マニュアル参照してください。
サーバツリーで該当の管理対象サーバを登録してください。
管理対象サーバの登録については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.8.2 PRIMEQUESTのサーバの登録」を参照してください。
オーケストレーションツリーで該当の管理対象サーバをリソースプールに登録してください。
リソースプールの登録については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第14章 リソースのリソースプールへの登録」を参照してください。
SPARC M10-4S/M12-2S使用時のビルディングブロック構成の変更
SPARC M10-4S/M12-2S使用時、ビルディングブロック構成を変更する場合、以下の手順で使用しているパーティションを本製品から再登録してください。
サーバツリーで該当の管理対象サーバを削除してください。
管理対象サーバの削除については、「操作ガイド VE」の「11.2 管理対象サーバの削除」を参照してください。
ビルディングブロック構成の設定を変更してください。
ビルディングブロック構成の変更については、以下のマニュアルを参照してください。
SPARC M12の場合
「SPARC M12-2S インストレーションガイド」を参照してください。
SPARC M10の場合
「SPARC M10-4S インストレーションガイド」を参照してください。
サーバツリーで該当の管理対象サーバを登録してください。
管理対象サーバの登録については、「操作ガイド VE」の「7.7.1 シャーシ(SPARC Enterprise M4000/M5000/M8000/M9000)、SPARC M10-4S/M12-2Sの登録」を参照してください。
物理サーバの電源操作の監視タイムアウト値の変更
物理サーバの電源操作開始から完了までの時間が、電源操作のタイムアウト値を超える場合があります。このため、実機で電源操作を行い、実測値をもとにタイムアウト値を見積もってください。
定義ファイルには、機種ごとにタイムアウト値を定義します。そのため、マネージャーが管理するすべてのサーバに対して、機種ごとにタイムアウト値の変更が反映されます。
タイムアウト値を変更する場合、以下の定義ファイルを作成してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
power_timeout.rcxprop
定義ファイルでは、1行にサーバの機種ごとの構成情報(モデル名、サーバの電源ONおよびリブートのタイムアウト値、サーバの電源OFFのタイムアウト値など)を、カンマ(",")区切りで記述します。各行は、以下の形式で記述します。
model,boot_timeout,shutdown_timeout |
カンマ(",")の前後に空白があっても無視されます。
コメントは、先頭文字をシャープ("#")で記述します。
以下の項目を指定します。
タイムアウト値を変更するサーバの機種名を記述します。
[RORコンソール]-[リソース詳細]タブ-[基本情報]-[モデル名]に表示される値です。
SPARC M10-4Sの場合、"M10-4S"と記述します。
サーバの電源ONおよびリブートのタイムアウト値を記述します。
イメージ操作で、管理対象サーバが起動およびリブートする際のタイムアウト値にも使用されます。
1以上の整数を半角数字で記述します。単位は秒です。
それ以外の記述をした場合、デフォルトのタイムアウト値になります。
ポイント
5940秒以内のタイムアウト値を推奨します。
機種 | 電源ON/リブート | イメージ操作 | |
---|---|---|---|
起動 | リブート | ||
RX4770 M1以降 | 5700 | 5700 | 5700 |
SPARC M10-1/M10-4/M12-1/M12-2 | 1800 | (注) | (注) |
SPARC M10-4S/M12-2S | 2700 | (注) | (注) |
PRIMEQUEST 2000シリーズ | 900 | 3600 | 3600 |
上記以外 | 900 | 900 | 1800 |
注) SPARC M10/M12シリーズのイメージ操作はサポートされていません。
サーバの電源OFFのタイムアウト値を記述します。
1以上の整数を半角数字で記述します。単位は秒です。
それ以外の記述をした場合、デフォルトのタイムアウト値になります。
機種 | 電源OFF |
---|---|
SPARC M10-1/M10-4/M12-1/M12-2 | 900 |
SPARC M10-4S/M12-2S | 1200 |
上記以外 | 900 |
例
PRIMERGY RX4770 M2,5700,900 |
定義ファイルの作成または変更後にマネージャーの再起動は必要ありません。定義ファイルの変更後に反映されます。