ネットワーク機器(イーサネット・ファブリック)の保守作業手順について説明します。
サーバ追加時に、接続するイーサネット・ファブリックのLANポートが不足したため、スイッチを追加するケースを想定した追加手順について説明します。
なお、ここではイーサネット・ファブリックに関連する作業を中心に説明しています。
特に記述がない場合、以下の作業はインフラ管理者が行います。
図9.7 イーサネット・ファブリックスイッチの追加イメージ
注) イーサネット・ファブリックを構成するスイッチです。
追加構成を設計します。(ネットワーク機器の管理者)
イーサネット・ファブリックに追加するサーバ接続用ポートの結線情報をインフラ管理者に提供します。(ネットワーク機器の管理者)
イーサネット・ファブリックの保守手順に従ってスイッチを追加します。
サーバのリソースを登録します。
ブレードサーバの場合は、シャーシの登録やLANスイッチブレードの登録が必要です。
入手したサーバ接続用ポートの結線情報から、ネットワーク構成情報(XML定義)を作成します。
参考
接続先のサーバがブレードサーバの場合、結線情報の作成は不要です。
変更したネットワーク構成情報を登録します。
ネットワーク構成情報の登録は、rcxadm netconfig importコマンドで行います。
追加したサーバ接続用ポートを使用するすべてのネットワークリソースを修正します。
ネットワークリソースの変更は、rcxadm network modifyコマンドで行います。
追加したサーバを必要なリソースプールにリソースとして登録します。
参照
ネットワーク構成情報(XML定義)の作成については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.7 ネットワーク構成情報」を参照してください。
rcxadm netconfigコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.7 rcxadm netconfig」を参照してください。
rcxadm networkコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.9 rcxadm network」を参照してください。
テナント追加のために、ネットワークデバイスやサーバを追加するケースを想定した追加手順について説明します。
なお、ここではイーサネット・ファブリックに関連する作業を中心に説明しています。
特に記述がない場合、以下の作業はインフラ管理者が行います。
図9.8 テナント追加イメージ
注) L2スイッチまたはイーサネット・ファブリックを構成するスイッチです。
追加構成を設計します。(ネットワーク機器の管理者)
追加するネットワーク機器の情報をインフラ管理者に提供します。(ネットワーク機器の管理者)
ネットワーク機器は、以下の作業が完了した状態で追加します。
初期設定
動作検証
物理的なネットワーク構成に組込み済み
サーバのリソースを登録します。
ブレードサーバの場合は、シャーシの登録やLANスイッチブレードの登録が必要です。
入手したネットワーク機器の情報からネットワーク構成情報(XML定義)を作成します。
作成したネットワーク構成情報を登録します。
ネットワーク構成情報の登録は、rcxadm netconfig importコマンドで行います。
追加されたイーサネット・ファブリックをネットワークデバイスとしてリソースを登録します。
ネットワークデバイスとしての登録は、rcxadm netdevice createコマンドで行います。
テナントの作成、およびテナント管理者の登録を行います。
追加したテナントに対して仮想ファブリックを割り当てる場合、ネットワークデバイスとして登録したイーサネット・ファブリックに対して、仮想ファブリックとテナントの関連付けを指定したネットワーク構成情報を登録します。
ネットワーク構成情報の登録は、rcxadm netconfig importコマンドで行います。
イーサネット・ファブリックが提供する機能を利用し、環境をバックアップします。
このバックアップは故障などによるイーサネット・ファブリックの機器交換を行う場合、復元用の環境として利用できます。
環境のバックアップ方法については、イーサネット・ファブリックのマニュアルを参照してください。
参照
ネットワーク構成情報(XML定義)の作成については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.7 ネットワーク構成情報」を参照してください。
rcxadm netconfigコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.7 rcxadm netconfig」を参照してください。
rcxadm netdeviceコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.8 rcxadm netdevice」を参照してください。
イーサネット・ファブリック(Converged Fabric)が導入されている環境で、1つのイーサネット・ファブリックを複数VFABの環境へ移行する手順について説明します。
なお、VFABが以下に示す自動設定対象の条件を満たすか否かで手順が異なります。
VFABが所属するConverged Fabricの自動設定が"true"である。かつ
VFABが所属するConverged Fabricのポートプロファイル設定が"enable"である。かつ
VFABのVFAB自動設定が"true"である。
共通の作業手順
条件にかかわらず必要な作業手順について説明します。
テナントとVFABの対応関係を設計します。
デフォルトVFABから別のVFABに変更するテナントについて、以下を実施します。
テナントが、グローバルプールのネットワークリソースを使用している場合
グローバルプールのネットワークリソースを、テナントのローカルプールに移動します。
ただし、グローバルプールのネットワークリソースを複数のテナントから使用している場合、そのテナントは新たなVFABへの移行はできません。
テナントから、グローバルプールのリソースが選択可能となっている場合
テナントからグローバルプールのネットワークプールを選択不能に変更します。
なお、グローバルプールにあるリソースを使用してL-Platformが作成されている場合、またはグローバルプールにあるVMホストプールを指定してL-Serverが作成されている場合は、リソースの移動ができません。このような場合に、リソースを移動するには、L-PlatformおよびL-Serverの削除が必要になります。
現在のネットワーク構成情報を出力します。
ネットワーク構成情報の出力は、rcxadm netconfig exportコマンドで行います。
イーサネット・ファブリックスイッチのファーム版数がV02.30以降の場合
仮想ファブリックが自動検知されるため、ネットワークデバイスの構成が変化していることがあります。このため、現在のネットワーク構成情報を出力する場合、事前にネットワークデバイスの構成情報を更新してください。更新は、rcxadm netdevice refreshコマンドで行います。
出力したネットワーク構成情報から、Converged Fabricに対する構成情報を取り出して、以下のように更新します。
前述の手順1で設計した情報に基づいて、Converged Fabricのネットワーク構成情報に、VFABとそのVFABに対応するテナントを追加します。
更新したConverged Fabricに対するネットワーク構成情報を登録します。
登録は、rcxadm netconfig importコマンドで行います。
ネットワーク構成情報が登録されたことを確認します。
確認は、rcxadm netdevice showコマンドで行います。
VFABが自動設定対象の条件を満たす場合の作業手順
共通の作業に続いてVFABが自動設定対象の条件を満たす場合に必要な作業手順について説明します。
VFABの動作モードがネットワークモードの場合、以下の手順を実施します。
Converged Fabricのネットワークデバイスに保守モードを設定し、対象のConverged FabricにSSH等でログインして、以下の内容を設定します。
VFABで使用する外部ネットワークに接続するポートに対して、ポートのタイプをCIRに設定します。
手順a.の1.で設定したCIRのポートに、VFABに対応するテナント内のネットワークリソースに指定されたVLAN IDを、設定します。このとき、追加したVFABのVFAB識別子も設定します。
ネットワークデバイスの情報を更新します。
ネットワークデバイスの情報の更新は、rcxadm netdevice refresh -recreateコマンドで行います。
VFABに対応するテナント内のネットワークリソースについて、外部接続ポートに変更がある場合、以下の変更を行います。
所属するVFABが使用するCIRを、外部接続ポートに追加します。
デフォルトVFABで使用していたCIRを、外部接続ポートから削除します
VFABが自動設定対象の条件を満たさない場合の作業手順
共通の作業に続いてVFABが自動設定対象の条件を満たさない場合に必要な作業手順について説明します。
Converged Fabricのネットワークデバイスに保守モードを設定し、対象のConverged FabricにSSH等でログインして、以下の内容を設定します。
VFABとそのVFABの動作モードを設定します。
手順a.で追加したVFABで使用する外部ネットワークに接続するポートに対して、ポートのタイプをCIRに設定します。
VFABの動作モードがネットワークモードの場合、手順b.で設定したCIRのポートに、VFABに対応するテナント内のネットワークリソースに指定されたVLAN IDを設定します。このとき、追加したVFABのVFAB識別子も設定します。
手順c.のネットワークリソースについて、後述する手順3において外部接続ポートの変更がない場合、以下の設定を行います。
ネットワークリソースのVLAN IDに対応するポートプロファイルとMACアドレスとの関連づけ設定を、デフォルトVFABに対する設定から、当該VFABに対する設定に変更します。
ネットワークデバイスの情報を更新します。
ネットワークデバイスの情報の更新は、rcxadm netdevice refresh -recreateコマンドで行います。
VFABに対応するテナント内のネットワークリソースについて、外部接続ポートに変更がある場合、以下の変更を行います。
所属するVFABが使用するCIRを、外部接続ポートに追加します。
デフォルトVFABで使用していたCIRを、外部接続ポートから削除します。
Converged Fabricのネットワークデバイスに保守モードを設定し、対象のConverged FabricにSSH等でログインして、以下の内容を設定します。
VFABとそのVFABの動作モードを設定します。
手順a.で追加したVFABで使用する外部ネットワークに接続するポートに対して、ポートのタイプをCIRに設定します。
VFABの動作モードがネットワークモードの場合、手順b.で設定したCIRのポートに、VFABに対応するテナント内のネットワークリソースに指定されたVLAN IDを設定します。このとき、追加したVFABのVFAB識別子も設定します。
手順c.のネットワークリソースについて、後述する手順3において外部接続ポートの変更がない場合、以下の設定を行います。
ネットワークリソースのVLAN IDに対応するポートプロファイルとMACアドレスとの関連づけ設定を、デフォルトVFABに対する設定から、当該VFABに対する設定に変更します。
ネットワークデバイスの情報を更新します。
ネットワークデバイスの情報の更新は、rcxadm netdevice refresh -recreateコマンドで行います。
本製品に登録されているイーサネット・ファブリック内のドメイン・スイッチの構成を変更した場合の作業手順について説明します。
特に記述がない場合、以下の作業はインフラ管理者が行います。
次の操作が行われた場合、ネットワークデバイスのポート情報を最新化する必要があります。
スイッチが追加または削除された場合
Converged FabricでファブリックID、ドメインID、スイッチIDまたはポート種別が変更された場合
VCSでVCS ID、RBridge IDが変更された場合
ネットワークデバイスのポート情報の最新化は、rcxadm netdevice refresh -recreateコマンドで行います。
外部接続ポートの結線が変更された場合、結線情報の再登録を行います。
詳細については、「9.5.1.4 ネットワーク機器の接続先の追加または変更手順」を参照してください。
LANスイッチブレードPY CB Eth Switch 10/40Gb 18/8+2のファブリックID、ドメインID、およびスイッチIDが変更された場合、LANスイッチブレードを削除したあと、再登録することで情報を最新化する必要があります。
ネットワークリソースの外部接続ポート設定で、対象とするLANスイッチブレードを使用しないように設定を変更したあと、LANスイッチブレードを削除してください。
参照
rcxadm netdeviceコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.8 rcxadm netdevice」を参照してください。