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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.3.0 導入ガイド
FUJITSU Software

8.7.10 Solarisゾーン利用時の注意点

ここでは、Solarisゾーン利用時の注意点について説明します。

本製品の管理対象のSolarisゾーンリソースプール

本製品では、1大域ゾーンあたり1つのSolarisゾーンリソースプールを対象としてリソース管理します。

対象のリソースプールは変更できます。

詳細は、「8.7.1 定義ファイルの作成」を参照してください。


Solarisゾーンでの非大域ゾーンの名前について

本製品で管理する非大域ゾーンの名前は、一意性を持つように設定してください。

同名の非大域ゾーンが存在する場合、誤って同一の非大域ゾーンと認識される可能性がありますので注意してください。
ただし、同名の非大域ゾーンのすべてをL-Serverとして管理する場合は同じ名前にできます。


Solarisゾーンでuuidが変化する操作について

本製品では、uuidを使って非大域ゾーンを管理しています。

Solarisゾーンでは、OSに対しuuidを設定しているため、非大域ゾーンへのOSの再インストールや、非大域ゾーンの起動する大域ゾーンの変更といった操作をすると、非大域ゾーンのuuidが変化します。uuidが変化した場合、L-Serverとして管理しているかどうかによって動作が異なります。

マイグレーション操作について【Solarisゾーン(Solaris10)】

本製品では、非大域ゾーンを大域ゾーン間で移行する機能(コールドマイグレーションのみ)を提供しています。この機能は、以下の操作をすることで実現しています。

前提
  • 移行する非大域ゾーンが停止していること。

  • 移行元、移行先のサーバのシステム環境は、同一であること。

処理内容
  1. 移行元で、非大域ゾーンを切り離します。

    ここでは、zoneadm detachを行っています。

  2. 移行元の大域ゾーンで、非大域ゾーンのゾーンパスにマウントされていたディスクを、アンマウントします。

  3. 移行先の大域ゾーンで、非大域ゾーンの使用するゾーンパスに、vfstabの定義に従ってディスクをマウントします。

    非大域ゾーンの使用するゾーンパスは、登録したディスクリソースの定義に従います。

  4. 移行先の大域ゾーンで、非大域ゾーンを作成します。

  5. 移行先の大域ゾーンで、非大域ゾーンを接続します。

    ここでは、zoneadm attachを、-uオプションを付けて行っています。

このとき、以下の点から通常運用時の操作は推奨しません。危険性を考慮したうえで、実施してください。

  • ディスクリソースや大域ゾーンの設定が誤っている場合、移行先のサーバで誤ったディスクを使って非大域ゾーンを接続しようとします。結果、非大域ゾーンのデータが壊れたり、非大域ゾーンが消えたりします。

  • マイグレーション操作に失敗した場合、操作前の状態に自動的にロールバックしません。

    移動先、移動元の大域ゾーンにログインして復旧してください。
    この時、移動先から順に復旧するようにしてください。移動元から復旧すると、両方の大域ゾーンからディスクにアクセスし、データが壊れてしまう可能性があります。


L-ServerのCPU性能CPU数について

L-ServerのCPU性能とCPU数が、非大域ゾーンに設定されたcap値から算出したCPU性能とCPU数と異なる場合、cap値から算出されたCPU性能とCPU数で、L-ServerのCPU性能とCPU数を更新します。
ただし、L-ServerのCPU性能とCPU数から算出したcap値と、非大域ゾーンに設定されたcap値が同じ場合、L-ServerのCPU性能とCPU数は更新されず、元の値のままになります。


非大域ゾーンのcap値を変更したときのL-ServerのCPU性能CPU数について

非大域ゾーンのcap値を増加させたとき、L-ServerのCPU性能が、cap値から算出したCPU性能ではなく、cap値を変更する前の値のままになる場合があります。
本現象が発生した場合、cap値をさらに1増加させてください。これにより、L-ServerのCPU性能が変わったことを確認したあと、本来のcap値に変更してください。


L-Serverの仕様変更について

L-Serverの仕様変更でCPU性能を0.1GHz増やし、CPU数を変えなかったとき、L-Serverの設定値だけが変更され、非大域ゾーンのcap値が変更されないままになる場合があります。
確実にcap値を変更するためには、0.2GHz以上変更するようにしてください。


複数の大域ゾーンから共有されているLUNについて

複数の大域ゾーンからLUN共有されている、かつ、仮想L-Serverが使用するゾーンパスに対応しているLUNを、他の大域ゾーンからマウントしないでください。当該LUNに対応するディスクを使う仮想L-Serverを配備したときに、LUNへのアクセスが競合し、データが破損する可能性があります。


非大域ゾーンの課金

非大域ゾーンに対して、CPUおよびメモリをメータリング、利用料金機能の対象とする場合、非大域ゾーン構築時に以下の設定を行う必要があります。
メータリング、利用料金機能を使用しない場合、またはCPUおよびメモリを課金対象にしない場合は必要ありません。

表8.33 非大域ゾーン構築時の設定項目

課金対象

必要な設定

CPU

CPUシェア設定を行う

メモリ

メモリキャッピングの設定を行う

なお、CPUシェア、メモリキャッピングについては、OS付属のドキュメントを参照してください。


大域ゾーン上のイメージファイルについて

大域ゾーン上のイメージファイル格納域(/ror_zones)の空き容量が少ない場合は、作成中ではないL-Serverのイメージファイルを削除します。イメージファイルは以下のディレクトリ配下に格納されていますので、ディレクトリごと削除してください。

/ror_zones/VMゲスト名

VMゲスト名とL-Server名の対応付けについては、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「16.1 L-Serverテンプレートを利用したL-Serverの作成」の「ポイント」を参照してください。