ここでは、定義ファイルの作成について説明します。
仮想L-Serverで共通な定義ファイルは、「8.1 仮想L-Server作成で共通に利用する定義ファイル」を参照してください。
ここでは、Solarisゾーン固有の定義ファイルについて説明します。
管理対象のSolarisゾーンリソースプール定義ファイル
本製品では、"pool_resource"という名前のSolarisゾーンリソースプールを管理対象とします。
管理対象のSolarisゾーンリソースプールを変更する場合、事前にMANAGED_POOLと、VMホストの管理IPアドレスのどちらか、または両方を定義ファイルに指定します。
MANAGED_POOLの指定と、VMホストの管理IPアドレスの指定が両方ある場合、VMホストの管理IPアドレスの指定値を優先します。
定義ファイルの文字コードはUTF-8にしてください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
ポイント
上記の格納場所には、定義ファイルのサンプル(container_resource.sample.rcxprop)が格納されています。
サンプルを流用する場合、ファイルの内容を変更したあと、ファイル名に含まれる".sample"を削除して配置してください。
container_resource.rcxprop
定義ファイルでは、1行ごとに定義する項目を記述します。各行は、以下の形式で記述してください。
キー = 値 |
同じVMホストの設定を重複して記述した場合、先に記述されているものが採用されます。
キー | 説明 |
---|---|
MANAGED_POOL | 本製品で管理対象とするVMホスト(大域ゾーン)全体で共通のSolarisゾーンリソースプールを利用する場合に指定します。 |
VMホストの管理IPアドレス | 本製品で管理対象とするVMホスト(大域ゾーン)ごとのSolarisゾーンリソースプールを定義します。 |
管理対象とするVMホストに合致する定義がない場合、"pool_resource"という名前のリソースプールを管理対象とします。
注意
本定義で指定したMANAGED_POOLに対応するリソースプールサービスを、Solarisゾーン環境で有効化しておく必要があります。
運用中に本定義を変更した場合、または、Solarisゾーンリソースプールの名前を変更した場合は、本製品でのリソース容量の計算や表示も変更します。運用中の変更は行わないでください。
VMホストのIPアドレスを変更した場合、定義ファイルも合わせて修正してください。
行の先頭に"#"を記述すると、コメント行になります。
VMホスト予約メモリ容量定義ファイル
Solarisゾーンの大域ゾーン用に、予約するメモリ容量を定義します。
メモリ容量の空きリソースを計算・表示する際に、本定義ファイルで指定した、VMホストの予約メモリ量を利用します。
定義ファイルの文字コードはUTF-8にしてください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
参考
上記の格納場所には、定義ファイルのサンプル(global_zone_reserved_memory.rcxprop.sample)が格納されています。
サンプルを流用する場合、ファイルの内容を変更したあと、ファイル名に含まれる".sample"を削除して配置してください。
global_zone_reserved_memory.rcxprop
定義ファイルでは、1行ごとに定義する項目を記述します。各行は、以下の形式で記述してください。
キー = 値 |
同じキーを複数行に記載した場合、最後に記載した行の定義が有効になります。
以下の項目を指定できます。
キー | 説明 |
---|---|
ALL | RORで管理対象とするVMホスト(global_zone)で、共通に使用する予約メモリ容量を指定します。 |
VMホストの管理IPアドレス | 指定したIPアドレスが設定されたVMホスト(global_zone)の予約メモリ容量を指定します。 |
注意
運用中に本定義を変更した場合、本製品でのリソース容量の計算・表示も変更されます。
VMホストのIPアドレスを変更した場合、本定義ファイルを修正してください。
本定義ファイルに有効な値が指定されていない場合、global zoneに設定されているcapped-memoryの値を指定しているとみなします。
global zoneにcapped-memoryを設定していない場合、0を指定しているとみなします。
SPARC製品の固有機能定義ファイル
Solarisゾーンで、以下の機能を利用する場合、本定義ファイルを設定します。
Solarisゾーン有効化の設定
Logical Domains Managerデーモンの有効/無効に関わらず、SolarisゾーンとしてVMホストを登録するかを定義します。
この定義はVMホストのエージェント登録時に利用します。登録済みのVMホストの種別には影響しません。
【Solarisゾーン(Solaris11)】
L-Server作成操作で行われるOSインストール処理のタイムアウト時間の設定
OSインストール処理のタイムアウト時間は6時間(=21600秒)に設定されています。
このデフォルトのタイムアウト時間を変更したい場合、本定義ファイルにタイムアウト時間を記載してください。
非大域ゾーンのanetリソースのmac-addressプロパティーにautoを指定するVMホストの設定
本定義ファイルで指定したVMホストに対してL-Serverを作成した場合、非大域ゾーンのanetリソースのmac-addressプロパティーにautoが設定されます。
L-Serverの再起動時に仮想NICのMACアドレスが変更されても問題ない場合は、本設定を行ってください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
参考
上記の格納場所には、定義ファイルのサンプル(sparc_vm.rcxprop.sample)が格納されています。
サンプルを流用する場合、ファイルの内容を変更したあと、ファイル名に含まれる".sample"を削除して配置してください。
sparc_vm.rcxprop
UTF-8
【Windowsマネージャー】
CR/LF
【Linuxマネージャー】
LF
定義ファイルでは、1行ごとに定義する項目を記述します。各行は、以下の形式で記述してください。
キー=値 |
キー値の重複が検出された場合、最後に検出した定義に従って動作します。
以下の項目を指定できます。
キー | 説明 |
---|---|
ALWAYS_ZONE | Logical Domains Managerデーモンの有効/無効に関わらず、SolarisゾーンとしてVMホストを登録するかを指定します。
|
ZONE_INSTALL_TIMEOUT | L-Server作成操作で行われるOSインストール処理のタイムアウト時間を秒単位で指定します。 |
ZONE_CHANGEABLE_MAC_HOSTS | 仮想サーバ上の大域ゾーンに対するL-Server作成で、非大域ゾーンのanetリソースのmac-addressプロパティーに"auto"の値を設定する大域ゾーンを指定します。 値にはVMホストの管理LANのIPアドレスを指定してください。カンマ(",")区切りで複数指定することができます。 なお、大域ゾーンごとに、"auto"を指定した非大域ゾーンとそれ以外を指定した非大域ゾーンを混在させないでください。 anetリソースのプロパティに設定される値は、本キーの指定によって以下のように変わります。
各プロパティーの詳細は、Solarisゾーンのマニュアルを参照してください。 |
例
Logical Domains Managerデーモンの有効/無効に関わらず、SolarisゾーンとしてVMホストを登録する場合
ALWAYS_ZONE=true |
L-Server作成操作で行われるOSインストール処理のタイムアウト時間を18000秒(5時間)に設定する場合
ZONE_INSTALL_TIMEOUT=18000 |
L-Server作成操作で、anetのmac-addressにautoを指定する大域ゾーンを2つ(管理LANのIPが192.168.10.10と192.168.10.20)指定する場合
ZONE_CHANGEABLE_MAC_HOSTS=192.168.10.10,192.168.10.20 |
注意
2行以上記載した場合、最下行の設定が有効になります。
イコール("=")の前後に含まれるスペースおよび半角空白、タブは無視されます。
定義は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。
Windowsのメモ帳を使用してUTF-8のテキストを編集し保存すると、ファイルの先頭3バイトにByte Order Mark(BOM)が格納され、ファイルの1行目に記載した情報が正しく解析されません。メモ帳を使用する場合、2行目から情報を記述してください。
本製品のマネージャーを再起動しなくても定義ファイルの設定が反映されます。
初回ブートサービスの完了待ち合わせ定義ファイル【Solarisゾーン(Solaris11)】
初回ブートサービスを実行するイメージを指定してL-Server作成を行う場合、本定義ファイルを設定します。
L-Server作成処理では、一時的に非大域ゾーンを起動して、OSのカスタマイズ処理、および初回ブートサービスの処理を行います。本定義ファイルでは、以下のすべての条件を満たす場合に初回ブートサービスの完了を判定します。
定義ファイルに設定された初回ブートサービスの状態が"disabled"である
定義ファイルに設定されたスクリプト完了フラグのプロパティーの値が"true"である
注意
初回ブートサービスを実行するイメージに対して、本定義ファイルを正しく設定せずにL-Server作成を行った場合、初回ブートサービスの実行が完了しない状態でL-Server作成が完了する場合があります。この場合、初回ブートサービスのログを参照し、初回ブートサービスの実行が完了したかを確認してください。完了していなかった場合は、再実行するなど、初回ブートサービスの処理内容に合わせた対処を行ってください。
Solaris11.1より前の、完了フラグの設定を行わない初回ブートサービスは使用しないでください。使用した場合は完了の待ち合わせが正しく行えず、その結果タイムアウトになり異常終了します。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
参考
上記の格納場所には、定義ファイルのサンプル(sparc_first_boot_service.rcxprop.sample)が格納されています。
サンプルを流用する場合、ファイルの内容を変更したあと、ファイル名に含まれる".sample"を削除して配置してください。
sparc_first_boot_service.rcxprop
UTF-8
【Windowsマネージャー】
CR/LF
【Linuxマネージャー】
LF
定義ファイルでは、1行ごとに定義する項目を記述します。各行は、以下の形式で記述してください。
イメージ名=初回ブートサービス名(FMRI),スクリプト完了フラグのプロパティー名 |
キーの重複が検出された場合、最後に検出した定義に従って動作します。
以下の項目を指定できます。
キー | 説明 |
---|---|
イメージ名 | L-Server作成で使用するクローニングイメージの名前。 イメージ名には、ワイルドカードとして作用する半角アスタリスク("*")を使用できます。このため、半角アスタリスク("*")を指定すると、不特定の文字列の代用とみなされます。該当する行が複数ある場合、先頭行に近いものが使用されます。 |
初回ブートサービス名(FMRI) | 指定したイメージを利用した場合に実行される初回ブートサービスの名前。イメージのai_manifest.xmlで指定した初回ブートサービス用パッケージに含まれるサービスのFMRI形式の名前。 |
スクリプト完了フラグのプロパティー名 | 初回ブートサービスの完了フラグのプロパティー名。 |
例
イメージ名と初回ブートサービス名、スクリプト完了フラグのプロパティー名を1対1で指定する場合
zone_sol11=svc:/site/first-boot-script-svc:default,config/completed |
"zone_"から始まるイメージ名に対して、同じ初回ブートサービス名、スクリプト完了フラグのプロパティー名を指定する場合
zone_*=svc:/site/first-boot-script-svc:default,config/completed |
すべてのイメージに対して、同じ初回ブートサービス名、スクリプト完了フラグのプロパティー名を指定する場合
*=svc:/site/first-boot-script-svc:default,config/completed |
注意
イコール("=")の前後に含まれるスペースおよび半角空白、タブは無視されます。
定義は、大文字小文字の違いを含めて正しく記述してください。
Windowsのメモ帳を使用してUTF-8のテキストを編集し保存すると、ファイルの先頭3バイトにByte Order Mark(BOM)が格納され、ファイルの1行目に記載した情報が正しく解析されません。メモ帳を使用する場合、2行目から情報を記述してください。
本製品のマネージャーを再起動しなくても定義ファイルの設定が反映されます。