ここでは、RHEL-KVM利用時の注意点について説明します。
VM種別の表示
RORコンソールでは、RHEL-KVMのVMホスト、およびVMゲストのVM種別は"RHEL-KVM"と表示されます。
スナップショット
L-Serverのディスク構成や電源状態により、可能な操作が異なります。
スナップショットの採取、リストア、削除の実行条件は以下のとおりです。
L-Serverの電源状態がOFFであること
L-Serverに接続されるディスクリソースの種別により、以下のように可能な操作が異なります。
操作 | L-Serverに接続されるディスクリソースの種別 | ||
---|---|---|---|
Raw Diskだけ | Virtual Diskだけ | Raw DiskとVirtual Diskが混在 | |
採取 | × | ○ | × |
リストア | × | ○ | ○ |
削除 | × | ○ | ○ |
○: 実行できます。
×: 実行できません。
注意
コメントの文字として、日本語と全角文字は使用できません。
採取したスナップショットをリストアすると、以下のL-Serverのパラメーターは採取時の状態に戻ります。
CPU数
CPU性能
メモリサイズ
最大メモリ量
ディスクの構成
ネットワーク
OSの設定項目
ゲストOSの自動設定
RHEL-KVMを利用する場合、ゲストOSの自動設定は、OS種別がLinux、Windows、およびLinux(SELinux)の場合に利用できます。
注意
OS種別がWindowsの場合、以下に記載されているOSのバージョンだけOSの自動設定が利用できます。
OS種別がWindowsのクローニングイメージを使用する場合
OS自動設定機能をサポートするOSバージョン
ディスクの削減、およびL-Serverの削除
定義ファイルによって仮想L-Serverに対するディスクの内容消去を有効にした場合を除いて、仮想L-Server用のディスクリソースは、ディスクの削減、およびL-Serverの削除でディスク内のデータは削除されません。
そのため、ディスク内のデータを削除することをお勧めします。
ディスク内のデータを削除する方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「14.5 ストレージリソース」の注意事項を参照してください。
定義ファイルの指定方法については、「8.6.1 定義ファイルの作成」を参照してください。
L-Serverのライブマイグーションのための設定
本製品のRHEL-KVM環境では、仮想L-ServerのライブマイグレーションでSSHを使用します。
マネージャーでL-Serverをライブマイグレーションする各ホスト間に、設定が必要です。
詳細は、「設計ガイド CE」の「E.5.2 サーバの事前準備」を参照してください。
注意
KVMのvirsh migrateコマンドを使用してライブマイグレーションを行う場合、--undefinesourceと--persistentオプションの2つを指定してください。
2つのオプションを指定せずに実行した場合、移動先および移動元VMホスト上で同一VMゲストが存在する状態になる可能性があります。この状態で本製品からVMゲストの電源をオンにできません。同じVMゲストが複数のVMホスト上に存在した状態でVMゲストの二重起動を防ぐためです。
電源をオンにする場合、virshコマンドを使用し、同一VMゲストが複数存在しないようにしてください。
virshコマンドは、「Virtualization Administration Guide」の以下を参照してください。
Chapter 14. Managing guest virtual machines with virsh
URL: http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Administration_Guide/index.html |
Red Hat Enterprise Linuxのマニュアルが集約されている以下のURLからも参照できます。
URL: https://access.redhat.com/site/documentation/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/index.html |
L-Server換算表示
リソースの空き容量、および[L-Server作成可能台数]で表示される容量は以下のように計算されます。
CPUの空き容量、および[L-Server作成可能台数]
リソース総容量 - (VMホストで占有される資源量の合計 + L-Serverで使用中のリソースの合計) |
性能情報収集用ディレクトリ
リソースを登録すると、性能監視を行うために必要なディレクトリおよびファイルが登録したサーバ上に作成されます。
ディレクトリおよびファイルが作成される場所は、以下のとおりです(同じディレクトリ配下に同じ名称のファイルが存在する場合は上書きされます)。
/{リソース登録時に指定したUser IDのホームディレクトリ}/dsa_temp_*
リソースを削除するまでは、上記のディレクトリを削除しないでください。
ディレクトリを削除すると、性能情報が収集されなくなります。ディレクトリを削除してしまった場合は、マネージャーを再起動してください。
リソースを削除したときに、上記のディレクトリは自動的に削除されません。手動で削除してください。
共有していないストレージ間でディスクのコピーを行うライブマイグレーション
共有していないストレージ間でディスクのコピーを行うライブマイグレーションを、VM製品上から行わないでください。
本製品ではサポートしていません。
マイグレーションについて
電源ON状態からのマイグレーションにおいて、コールドマイグレーションを指定した場合、マイグレーションが失敗する場合があります。
電源OFF後、マイグレーションを実施し、しばらく待ってから電源ONを行ってください。
ストレージ管理製品として登録したVMホストのダウン時の対処
ストレージ管理製品として登録したVMホストがダウンした場合、ストレージ管理製品から管理されていた仮想ストレージ(libvirtのストレージプール)を利用した、仮想L-Serverの作成/削除、ディスクの追加/削除ができなくなります。
これらの操作を可能にするためには、ストレージ管理製品の変更が必要です。
ストレージ管理製品のIPアドレスを、libvirtのストレージプールの共有構成が、ダウンしたVMホストと同一であるVMホストのIPアドレスに変更してください。
ストレージ管理製品のIPアドレスの変更は、rcxadm storagemgrコマンドのmodifyサブコマンドを実行します。
rcxadm storagemgrコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.17 rcxadm storagemgr」を参照してください。
memory_hotplug機能の有効/無効の指定について
memory_hotplug機能の有効/無効の指定値は、仮想L-Server作成時に個々の仮想L-Serverに設定されます。
ただし、仮想L-Serverを作成したあとは、設定された値を変更できません。
memory_hotplugの詳細は、「8.1.2 VM固有情報定義ファイル」を参照してください。