パターン | システム領域 | データ領域 |
---|---|---|
A | 障害 | 障害 |
B | 正常 | 障害 |
C | 障害 | 正常 |
図6.1 ディスク障害の復旧作業フロー
ディスク障害が発生した場合は、「図6.1 ディスク障害の復旧作業フロー」に従って復旧作業を実施してください。
ディスク障害の発生箇所が「表6.5 ディスク障害の発生箇所」のどのパターンに該当するか確認します。
パターンAまたはパターンBに該当する場合
クラウドプロバイダーにバックアップされているデータを使って、システム全体の復旧を行います。
復旧手順は、「6.3.1.2 クラウドプロバイダーのデータからの復旧」を参照してください。
パターンCに該当する場合
システムバックアップの存在有無によって復旧手順が異なります。
システムバックアップが存在しない場合
クラウドプロバイダーにバックアップされているデータを使って、システム全体の復旧を行います。
復旧手順は、「6.3.1.2 クラウドプロバイダーのデータからの復旧」を参照してください。
システムバックアップが存在する場合
システムリストアを行うことで、データ領域を維持した状態でリストアします。
復旧手順は、「6.3.1.3 システムバックアップからの復旧」を参照してください。
クラウドプロバイダーにバックアップされているデータを使ってシステムを復旧する手順は、以下のとおりです。
障害が発生した物理ディスクを正常な物理ディスクに交換します。
サーバ仮想化ソフトウェアから、障害が発生した物理ディスクに構築されている、本製品が動作していた仮想マシンを削除します。
参考
ディスク障害の発生箇所が「表6.5 ディスク障害の発生箇所」のパターンBの場合は、正常な物理ディスク上に残っているシステム領域の仮想ディスクも削除されます。
サーバ仮想化ソフトウェア上に、本製品の仮想アプライアンスを新規にデプロイします。
デプロイ方法は、「2.2 仮想アプライアンスのデプロイ」を参照してください。
本製品の仮想アプライアンスの設定を行います。
「2.3 仮想アプライアンスのセットアップ」から「2.7 NASアクセス利用ユーザーの設定」に記載されている作業を実施してください。
クラウドプロバイダーを登録します。
登録方法は、「3.1 クラウドプロバイダーの登録」を参照してください。
手順5で登録したクラウドプロバイダーにデータストアを作成します。
作成方法は、「3.2 データストアとキャッシュの登録」を参照してください。
注意
入力項目には、障害発生前と同じ内容を入力してください。
特に、以下の入力項目の内容が障害発生前と異なっている場合、復旧処理が失敗します。
情報入力画面で必要な情報の、「キャッシュ容量」および「プロバイダー名」
バケット選択画面で必要な情報の「バケット名」
詳細設定画面で必要な情報の、「データストア暗号化」および「データストア暗号化パスワード」
キャッシュ容量が障害発生前より小さい場合、キャッシュ容量の不足が原因で復旧処理が失敗します。データストアを一旦削除したあと、本手順6から再実施してください。
データの入っていないバケットを選択した場合、手順7を実施しても復旧処理は行われません。データストアを一旦削除したあと、手順5または手順6から再実施してください。
選択したバケットに対して、「データストア暗号化」および「データストア暗号化パスワード」の設定が合ってない場合、本手順6が失敗します。本手順6から再実施してください。
障害発生前に使用していたバケットを指定してください。
データストアとキャッシュの登録を実施すると、csgdp03002のメッセージが出力されます。このメッセージは、指定されたバケットがすでに使用されていることを表すメッセージです。
クラウドプロバイダーのデータから復旧する場合、データが入っているバケットを指定するため、このメッセージが出力されます。問題はありませんので、復旧手順を進めてください。
データの入っていないバケットを指定した場合、このメッセージが出力されませんので、バケットの指定が誤っていないか確認してください。
以下の手順で、手順6で作成したデータストアのメタデータリカバリーを実行します。メタデータリカバリーを実行すると、クラウドプロバイダーにあるメタデータがキャッシュにリストアされます。
以下のCSG REST APIを実行して、データストアのメタデータリカバリーを実行します。idは、CSG Web GUIの「データストア」画面で確認できます。
POST /v1/datastores/{id}/metadata/recovery
以下のCSG REST APIを定期的に実行して、データストアのメタデータリカバリーが完了するのを待ち合わせます。
GET /v1/datastores/{id}/metadata/recovery
メタデータリカバリーの進捗状況は、CSG REST APIレスポンスのstatusキーで確認できます。
処理中の場合
statusキーが"Active"になります。
処理が完了した場合
statusキーが"N/A"になります。
処理が異常終了した場合
statusキーは"Error"になります。CSG Web GUIダッシュボードの「ログ」パネルに出力されるイベントログから、異常終了した原因を特定できます。原因を特定したあとにメタデータリカバリーを再実行するには、データストアを一旦削除したあと、手順6から作業を再実施する必要があります。
以下の手順で、データストア上の共有フォルダをNASアクセス可能な状態にします。
以下のCSG REST APIを実行して、データストア上に存在する共有フォルダ名を確認します。
datastore_idパラメーターは、CSG Web GUIの「データストア」画面で確認できます。
GET /v1/datastore_folders
手順aで確認した共有フォルダ名を指定して、共有フォルダを登録します。
登録方法は、「3.3 共有フォルダの登録」を参照してください。
ポイント
本作業は、データストア上の共有フォルダ数分実施してください。
注意
共有フォルダ名以外の入力項目には、障害発生前と同じ内容を入力する必要があります。
障害発生前と異なる内容を入力した場合、入力した内容が共有フォルダに設定されます(入力した内容に基づいて、共有フォルダが登録されます)。
参照
手順7および手順8に記載されているCSG REST APIの詳細は、『リファレンスガイド』を参照してください。
システムバックアップを利用してシステムを復旧する手順は、以下のとおりです。
障害が発生した物理ディスクを正常な物理ディスクに交換します。
システムバックアップをリストアします。
リストア方法は、使用しているバックアップソフトウェアのマニュアルを参照してください。
以下の手順で、データストア機能の無効化を解除(有効化)します。
管理者アカウント(administrator)を使用して、コンソールにログインします。
以下のコマンドを実行して、データストア機能の無効化を解除(有効化)します。コマンドオペランドに指定するdatastoreID はデータストアIDです。データストアIDは、CSG Web GUIの「データストア」画面で確認できます(「表示設定」で「ID」を選択してください)。
# csgadm datastore activate datastoreID
参考
システムバックアップのリストア後にデータストア機能が無効になっているのは、バックアップ元システムの稼働中に誤ってシステムリストアを行ってしまった場合にバケット内のデータが破壊されることを防止するためです。
データストア機能が無効になっている場合はNASアクセスができません。
以下のコマンドを実行して、システムを再起動します。
# csgadm power restart