コピー先ボリュームの物理容量が不足すると、コピー先ボリュームへアクセスできなくなります。このため、以下の手順のとおり、コピー先ボリュームに必要な物理容量を見積もってから、コピー先ボリュームを作成してください。
コピー先ボリュームに必要な容量の見積り
SnapOPC+のコピー先ボリュームに必要な物理容量の見積り式を、以下に示します。
物理容量 = (コピー元ボリュームに対して発生する更新量) × (安全係数)
正確にはSnapOPC+前のコピー先ボリュームに対する更新量およびハードウェアが使用する管理領域(論理容量の0.1%程度)についても考慮する必要がありますが、安全係数を大きくすることでカバーできます。
コピー元ボリュームに対して発生する更新量は、以下の手順で測定してください。
コピー元ボリュームに対してモニターセッションを設定し、更新量の測定を開始します。
[実行例]
> acsnap start -estimate -v ET001/0x1 Successful completion
業務を開始します。業務によって発生した更新量がハードウェアに記録されます。
測定期間が経過した後、更新量を確認します。
[実行例]
> acsnap query -estimate -v ET001/0x1 Update ------ 10M
測定完了後、モニターセッションを解除します。
[実行例]
> acsnap cancel -estimate -v ET001/0x1
ポイント
事前の見積りが難しい場合、コピー先ボリュームの物理容量はコピー元総容量の30~50%を推奨します。推奨値のため、運用状況に合わせて変更が必要です。
参照
各コマンドの詳細は、「第4章 コマンドリファレンス」を参照してください。
コピー先ディスクの作成
コピー先ディスクは、Storage CruiserまたはETERNUS Web GUIを使用して作成してください。
ポイント
コピー先ボリュームの論理容量は、コピー元ボリュームと同じ容量に設定してください。
コピー先ボリュームに必要な物理容量からディスク増設を検討してください。
TPVをコピー先ボリュームにする場合
Storage CruiserまたはETERNUS Web GUIを使用してシン・プロビジョニングプールの状態を確認し、シン・プロビジョニングプールの容量を拡張してください。
Storage Cruiserを利用する場合の作業手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「シン・プロビジョニングプールの表示」および「シン・プロビジョニングプールの容量拡張/フォーマット/閾値変更/削除」を参照してください。
FTVをコピー先ボリュームにする場合
Storage CruiserまたはETERNUS Web GUIを使用してTierプールの状態を確認し、Tierプールのサブプール容量を拡張してください。
Storage Cruiserを利用する場合の作業手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Tierプールの表示」および「Tierプールのサブプール容量拡張」を参照してください。
SDVをコピー先ボリュームにする場合
acsdv poolstatコマンドまたはETERNUS Web GUIを使用してSDPの状態を確認し、SDPの容量を拡張してください。
SDPはSDPV(Snap Data Pool Volume)という専用のボリュームを作成することで有効となり、作成したSDPVは自動的にSDPに組み込まれます。SDPの容量は、複製先ボリュームに割り当てる物理容量のSDPVを作成することで拡張します。
acsdv poolstatコマンドを利用する場合の作業手順は、以下のとおりです。
acsdv poolstatコマンドを実行して、SDPの状態を確認します。
ETERNUS Web GUIからSDPVを作成します。
SDVをコピー先ボリュームにする場合は、そのSDVを初期化してください。SDVの物理容量を無駄に消費することを避けるため、SDVを初期化したあとの更新は、ファイルシステムの作成など必要最低限にしてください。
参照
Storage Cruiserを利用したTPV/SDV/SDPVの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ボリュームの作成」を参照してください。FTVの作成手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FTVの作成」を参照してください。