ボリュームグループの構成が、ボリュームグループ単位での運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することでバックアップ運用できます。
物理ディスク単位に運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があるため、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで同期をとって操作してください。
ポイント
同期を取る必要のある物理ボリュームは、Webコンソールおよびstgxfwcmdispdevコマンドで確認できます。
注意
クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成するすべてのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)dsk/c#t#d#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。
図3.15 物理ディスク単位で運用する構成例
複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するには、複製先ボリュームが、複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります。
図3.16 業務ボリュームとバックアップボリューム
バックアップの後処理として、ボリュームグループ構成情報ファイルをリストアする必要があります。ボリュームグループ構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。通常は、以下のファイルに退避されています。
/etc/lvmconf/<ボリュームグループ名>.conf |
業務ボリューム/バックアップボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。
[例]
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/dsk/c1t0d10 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/dsk/c1t0d11 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d20 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d21 swstdevinfoset completed # |
LVMボリュームのバックアップ運用では、業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつバックアップボリュームを指定する必要があるため、デバイスマップファイルの作成が必要です。
[デバイスマップファイルの例]
# 業務ボリューム名 出力先バックアップボリューム名 /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20 /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21 |
デバイスマップファイルの詳細は、「3.4.9 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。
ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。
必要な前後処理は、バックアップの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際は、前後処理が動作しないようにします。
[スナップショット型バックアップの例]
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d10 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/dsk/c1t0d10 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d11 -Xdvemap /acm/devmap.txt /dev/dsk/c1t0d11 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
[同期型バックアップの例]
(バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/dsk/c1t0d10 -Xdevmap /acm/devmap.txt /dev/dsk/c1t0d10 swststartsync completed # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/dsk/c1t0d11 -Xdevmap /acm/devmap.txt /dev/dsk/c1t0d11 swststartsync completed (等価性維持状態後) (業務ボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d10 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d11 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
バックアップの前後で実施する前後処理は、以下のとおりです。
ボリューム種別 | 前処理 | 後処理 |
---|---|---|
業務ボリューム |
| ファイルシステムが含まれる場合、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。 |
バックアップボリューム |
|
|
ボリュームグループの再構成
ボリュームグループを再構成する手順は、以下のとおりです。
ボリュームグループの停止
# /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02 # |
ボリュームグループ構成情報のリストア
# /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20 # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21 # |
ボリュームグループの起動
[クラスタ運用している場合] # /usr/sbin/vgchange -c y /dev/vg02 # /usr/sbin/vgchange -a e /dev/vg02 [クラスタ運用していない場合] # /usr/sbin/vgchange -a y /dev/vg02 # |
共有モードのボリュームグループを再構成する手順は、以下のとおりです。
ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02 # |
ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20 # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21 # |
共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -S y -c y /dev/vg02 # |
ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a s /dev/vg02 # |
ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。
必要な前後処理は、リストアの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際は、前後処理が動作しないようにします。
[リストアの例]
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d10 swstrestore completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d11 swstrestore completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
リストアの前後で実施する前後処理は、以下のとおりです。
ボリューム種別 | 前処理 | 後処理 |
---|---|---|
バックアップボリューム | ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。 | 後処理は不要です。 |
リストア先ボリューム |
|
|
ボリュームグループの再構成
ボリュームグループを再構成する手順は、以下のとおりです。
ボリュームグループの停止
# /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg01 # |
ボリュームグループ構成情報のリストア
# /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d10 # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d11 # |
ボリュームグループの起動
[クラスタ運用している場合] # /usr/sbin/vgchange -c y /dev/vg01 # /usr/sbin/vgchange -a e /dev/vg01 [クラスタ運用していない場合] # /usr/sbin/vgchange -a y /dev/vg01 # |
共有モードのボリュームグループを再構成する手順は、以下のとおりです。
ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg01 # |
ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d10 # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg01 /dev/rdsk/c1t0d11 # |
共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -S y -c y /dev/vg01 # |
ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a s /dev/vg01 # |