ボリュームグループの構成が次の条件を満たしている場合、ボリュームグループ単位にバックアップ運用できます。
1ボリュームグループ内に1物理ディスクであること、および「1物理ディスク= n論理ボリューム」となるように論理ボリュームが作成されていること。
上記の条件を満たさない場合は、物理ディスク単位のバックアップ運用を行ってください。
図3.13 ボリュームグループ単位に運用できる構成の例
以下の点に注意して、業務ボリューム/バックアップボリュームとなるボリュームグループを設計します。
物理ディスクのサイズが同じである
論理ボリュームの構成が同じである
図3.14 業務ボリュームとバックアップボリューム
標準の後処理スクリプトでは、以下のファイルからボリュームグループ構成情報ファイルをリストアします。ボリュームグループ構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。
/etc/lvmconf/<ボリュームグループ名>.conf |
注意
ボリュームグループ構成情報ファイルがない場合は、バックアップ実行時に後処理がエラーとなるため、バックアップできません。
ボリュームグループ構成情報が別のファイルに退避されている場合は、後処理スクリプトをカスタマイズしてください。
業務ボリューム/バックアップボリュームを設定する際は、ボリュームグループを指定します。
[例]
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/vg01 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/vg02 swstdevinfoset completed # |
ボリュームグループがバックアップ対象の場合は、前後処理スクリプトの修正が必要です。
カスタマイズ方法は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。
注意
カスタマイズしていない状態では、バックアップ実行時に前処理がエラーとなり、バックアップできません。
業務ボリュームがボリュームグループの場合、コピー処理は、ボリュームグループに対応する物理ディスク全体に対して行われます。したがって、ボリュームグループ内に複数の論理ボリュームが存在する場合は、すべての論理ボリュームのデータがバックアップされます。
[スナップショット型バックアップの例]
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vg01 /dev/vg01 swstbackup completed # |
[同期型バックアップの例]
# /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/vg01 /dev/vg01 swststartsync completed (等価性維持状態後) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vg01 /dev/vg01 swstbackup completed # |
注意
ボリュームグループのバックアップ運用では、以下の点に注意が必要です。
業務ボリュームと別のボリュームグループに業務ボリュームと同じ論理ディスクを構成し、かつ物理ディスクが同一サイズのボリュームグループをバックアップボリュームにしてください。業務ボリュームとバックアップボリュームを対応付けて運用する場合は、「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成します。デバイスマップファイルの詳細は、「3.4.9 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。特に、ボリュームグループ単位でのバックアップ時は「デバイスマップ」指定をお勧めします。
バックアップ処理において、バックアップボリュームのLVM構成情報が、業務ボリュームのLVM情報で書き換えられてしまうため、バックアップの後処理でLVM構成情報を復元します。詳細は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。
論理ボリュームにファイルシステムが構築されている場合は、ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームをアンマウント/マウントするようにバックアップ管理者の責任でバックアップ前後処理スクリプトを修正してください。詳細は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。
バックアップボリュームがボリュームグループの場合、同期処理実行中にvgchange(1M)コマンドでバックアップボリュームを非アクティブ(deactivate)にしないでください。同期処理実行中にバックアップボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にできなくなるばかりでなく、同期処理の停止(バックアップ実行コマンド、同期処理キャンセルコマンド)などの操作を実行できない状態になります。非アクティブにしてしまった場合は、ETERNUS Web GUIなどを使用して同期処理を強制停止したあと、バックアップボリュームをアクティブにしてください。
業務ボリュームがボリュームグループの場合は、コピー処理は、ボリュームグループに対応する物理ディスク全体に対して行われます。したがって、ボリュームグループ内に複数の論理ボリュームが存在する場合は、すべての論理ボリュームのデータがリストアされます。
[リストアの例]
# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/vg01 /dev/vg01 swstrestore completed # |
注意
ボリュームグループのリストアでは、以下の点に注意が必要です。
論理ボリュームにファイルシステムが構築されている場合は、すべての論理ボリュームをアンマウント/マウントするようにバックアップ管理者の責任でバックアップ前後処理スクリプトを修正してください。詳細は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。