Storage Clusterコンティニュアスコピー機能を利用したレプリケーション運用の場合の構成例を以下に示します。
図8.5 Storage Clusterコンティニュアスコピー機能を利用したレプリケーション運用の場合の構成例
業務用のストレージプールを構成する物理DISKは1本で、DISK全体を登録しています。
バックアップはバックアップ用ストレージプールに保存します。
業務サーバ(管理対象サーバ): SV
バックアップサーバ(運用管理サーバ): BKSV(AdvancedCopy Managerへの登録名)
業務用ストレージプール: STP1
バックアップ用ストレージプール: STP1
ディスク
物理ディスク | 接続サーバ | デバイス種別 | デバイス名 | 用途(ストレージプール) |
---|---|---|---|---|
業務VOL | SV | LU | c1t1d1 | 業務用ストレージプール(STP1) |
バックアップVOL | BKSV | LU | c2t1d11 | バックアップ用ストレージプール(STP1) |
Storage Clusterコンティニュアスコピー機能を利用したAdvancedCopy Manager CCM運用の場合の構成例を以下に示します。
図8.6 Storage Clusterコンティニュアスコピー機能を利用したAdvancedCopy Manager CCM運用の場合の構成例
業務用のストレージプールを構成する物理DISKは1本で、DISK全体を登録しています。
バックアップはバックアップ用ストレージプールに保存します。
業務サーバ: SV
CCMサーバ: BKSV
業務用ストレージプール: STP1
バックアップ用ストレージプール: STP1
ディスク
物理ディスク | 接続サーバ | LU番号 | デバイス種別 | デバイス名 | 用途(ストレージプール) |
---|---|---|---|---|---|
業務VOL | SV | 0x01 | LU | c1t1d1 | 業務用ストレージプール(STP1) |
バックアップVOL | BKSV | 0x11 | LU | c2t1d11 | バックアップ用ストレージプール(STP1) |
注意
業務用ストレージプールとバックアップストレージプール間のRECは未サポートです。
すべてのデバイスは、同じTFOグループに配置してください。
バックアップボリュームを利用して、ZFSファイルシステムのバックアップ/リストアを運用する場合は、以下の点に注意してください。
TFOVは、バックアップボリュームとして指定できません。
ZFSストレージプールを構成するデバイスからバックアップ用ストレージプールへのアドバンスト・コピーは、QuickOPCを使用してください。
バックアップ用ストレージプールからバックアップボリュームへのリモートアドバンスト・コピーは、AdvancedCopy Manager CCMを使用してください。
図8.7 ZFSファイルシステムのバックアップ/リストアの運用例
参考
ZFSストレージプールを構成するデバイスがTFOVの場合、バックアップボリュームへのアドバンスト・コピーに利用できるコピーの種類は、RECだけです。
以下を参照し、設計・運用方法を理解したうえで運用してください。
『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』の「TFOVを使ったアドバンスト・コピーの運用」
以下の手順で事前準備してください。
業務用ストレージプール内デバイス一覧の取得
バックアップ用およびリストア用のコピー設定
業務用ストレージプール内デバイス一覧の取得
業務用ストレージプール内デバイス一覧の取得方法は、非TFOVと同じです。詳細は、「G.2.3 事前準備」の「業務用ストレージプール内デバイス一覧の取得」を参照してください
バックアップ用およびリストア用のコピー設定
業務用ストレージプールとバックアップ用ストレージプールのコピー設定(バックアップ/リストア用)を実施してください。
以下の組合せでAdvancedCopy Managerに登録します。
用途 | コピー元 | コピー先 | グループ名(例) |
---|---|---|---|
バックアップ/リストア用 | 業務用ストレージプール | バックアップ用ストレージプール | STP1 |
デバイス | 登録するデバイス | 例(注) | |
---|---|---|---|
デバイス名 | LUN番号 | ||
業務用ストレージプール | 「G.2.3 事前準備」の「業務用ストレージプール内デバイス一覧の取得」で確認した、業務用ストレージプールを構成するデバイス | c1t1d1 | 0x01 |
バックアップ用ストレージプール | バックアップ用ストレージプールを構成するデバイス | c2t1d11 | 0x11 |
注: レプリケーション管理を使用する場合はデバイス名、AdvancedCopy Manager CCMを使用する場合はLUN番号を使用します。
「表8.1 コピーグループ」で示したコピー元を複製元ボリューム、コピー先を複製先ボリュームとして、それぞれ「表8.2 登録デバイス」で示したデバイスを登録します。
バックアップ/リストア処理において同期をとって操作するため、1つのストレージプールを構成するすべてのデバイスを1つのグループとして登録します。グループ操作の詳細は、「7.4.7 グループの作成」を参照してください。
[実行例]
バックアップサーバで複製元/複製先ボリュームを指定して、表で示した3つのグループを作成します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -o BOTH -Xgroup STP1 /dev/dsk/c1t1d1@SV /dev/dsk/c2t1d11@BKSV swsrpsetvol completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpvolinfo -L Server Original-Volume Size Replica-Volume Size Copy Op-Server Group BKSV /dev/dsk/c1t1d1@SV 4.0 Gbyte /dev/dsk/c2t1d11@BKSV 4.0 Gbyte bi-direction both STP1 #
それぞれのコピー元とコピー先の組合せを登録します。
バックアップ/リストア処理において同期をとって操作するため、1つのストレージプールを構成するすべてのデバイスを1つのグループとして登録します。グループ操作の詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』の「コピーグループの作成」および「コピーペアの追加」を参照してください。
コピーグループの作成
コピー設定ごとにコピーグループを作成します。
表に示した3つのコピーグループの作成例を以下に示します。(コピーのタイプはOPC)
# acgroup create -g STP1 -type OPC -a DX440 Successful completion. #
コピーペアの登録
作成したコピーグループに、コピー元とコピー先の組み合わせを登録します。1つのストレージプールを構成するすべてのデバイスを登録してください。
作成したコピーグループに、表で示したデバイスをそれぞれ登録する例を以下に示します。
# acpair add -g STP1 -p DX440/0x01:DX440/0x11 Successful completion. #
ZFSのストレージプールをバックアップおよびリストアする手順について説明します。詳細は、「付録G ZFSファイルシステムのバックアップ/リストア」を参照してください。
ポイント
TFOグループの状態が"Normal"の場合、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのどちらか一方でもアドバンスト・コピーを操作できないときは、コマンドが異常終了することがあります。PrimaryストレージとSecondaryストレージの両方で異常の原因を確認し、異常が発生しているストレージでエラーメッセージに対する対処を実施してください。
TFOグループの状態が"Normal"かつTFOグループのフェーズが"Maintenance"、または、TFOグループの状態が"Halt"の場合、コマンドは、TFOステータスが"Active"のストレージでアドバンスト・コピーを操作して正常終了しますが、TFOステータスが"Standby"のストレージでアドバンスト・コピーを操作できないことがあります。そのとき、swsrp2882メッセージが出力されることがあります。
swsrp2882メッセージが出力された場合は、TFOグループの状態が"Normal"かつTFOグループのフェーズが"Maintenance"以外になったあと、「8.10 Storage Clusterコンティニュアスコピー機能を復旧する場合」を参照して対処してください。
フェイルオーバまたはフェイルバック中は、アドバンスト・コピーを操作できません。
Storage Clusterの対象となるボリューム、または、ボリュームのTFOグループを変更した場合は、「8.11.2 Storage Clusterの対象となるボリュームを変更した場合」を参照して、複製ボリュームを再登録してください。
PrimaryストレージとSecondaryストレージ間で同期していないTFOVは、以下のコマンドを実行できません。
SecondaryストレージのTFOステータスが"Active"の場合、以下のコマンドも実行できません。
アドバンスト・コピーの状態の確認とセッションの停止は、WebコンソールまたはAdvancedCopy Manager Copy Control Moduleのコマンドを利用してください。
Webコンソールを利用する場合
『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「コピーセッションの表示/強制サスペンド/強制停止」を参照してください。
AdvancedCopy Manager Copy Control Moduleのコマンドを利用する場合
accopy queryコマンド
accopy fcancelコマンド
コマンドの詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』の「コマンドリファレンス」を参照してください。
オンラインバックアップを行う手順を示します。
項番 | 内容 | 操作サーバ |
---|---|---|
1 | バックアップ用ストレージプールをexportします。 | バックアップサーバ |
2 | 業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。 | 業務サーバ |
3 | AdvancedCopy Managerで業務用ストレージプール配下のデバイスから、バックアップ用ストレージプール配下のデバイスへバックアップします。 | 業務サーバ |
4 | バックアップ用ストレージプールの状態を確認します。 | バックアップサーバ |
バックアップ用ストレージプールをexportします。
ZFSストレージプールのexportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool list NAME SIZE USED AVAIL CAP HEALTH ALTROOT STP1 345G 121M 345G 0% ONLINE - # zpool export STP1 #
業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。
業務用ストレージプールへのリストアに使用しないスナップショットを削除します。
ZFSのスナップショットの削除方法は、OSのマニュアルを参照してください。
syncコマンドを実行し、業務用ストレージプールとファイルシステムの同期をとります。
ファイルシステム業務用ストレージプールでスナップショットを作成します。
ZFSのスナップショットの作成方法は、OSのマニュアルを参照してください。
syncコマンドを実行し、業務用ストレージプールとファイルシステムの同期をとります。
[実行例]
# zfs destroy STP1@SNAP0 # sync # zfs snapshot -r STP1@SNAP0 # sync #
AdvancedCopy Managerで業務用ストレージプール配下のデバイスから、バックアップ用ストレージプール配下のデバイスへバックアップします。
-Xgroupオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、swsrpmakeコマンドを実行します。
[実行例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup STP1 GROUP=STP1 swsrpmake completed #
-gオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc startコマンドを実行します。
[実行例]
# /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g STP1 DX440/0x01:DX440/0x11 # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >> # From:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=01/Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0 # To:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=11/Adr_high=0/Adr_low=0 # Standby-Session : DX440SEC/0x02:DX440SEC/0x12 Succeeded : 1 Failed : 0 #
注意
ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。
バックアップ用ストレージプールの状態を確認します。
バックアップサーバでバックアップ用ストレージプールをimportします。
バックアップサーバでバックアップ用ストレージプールをexportします。
ZFSストレージプールのimport/exportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool import プール: STP1 ID: 15271135801818262407 状態: ONLINE アクション: プールの名前または数値識別子を使用してプールをインポートできます。 構成: STP1 ONLINE c2t1d11 ONLINE # zpool import -f STP1 # zpool list NAME SIZE USED AVAIL CAP HEALTH ALTROOT STP1 345G 345M 345G 0% ONLINE - # zpool export STP1 #
注意
import/exportに失敗した場合は、手順2から再実施してください。
リストアを行う手順を示します。
項番 | 内容 | 操作サーバ |
---|---|---|
1 | 業務用ストレージプールをexportします。 | 業務サーバ |
2 | バックアップ用ストレージプールをexportします。 | バックアップサーバ |
3 | AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイスから、業務用ストレージプール配下のデバイスへリストアします。 | 業務サーバまたはバックアップサーバ |
4 | 業務用ストレージプールをimportします。 | 業務サーバ |
5 | 業務用ストレージプールをリストア対象のスナップショットにロールバックします。 | 業務サーバ |
6 | 対象のZFSファイルシステムをマウントします。 | 業務サーバ |
業務用ストレージプールが存在する場合は、exportします。
ZFSストレージプールのexportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool list NAME SIZE USED AVAIL CAP HEALTH ALTROOT STP1 345G 345M 345G 0% ONLINE - # zpool export STP1 #
バックアップ用ストレージプールをexportします。
ZFSストレージプールのexportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool list NAME SIZE USED AVAIL CAP HEALTH ALTROOT STP1 345G 121M 345G 0% ONLINE - # zpool export STP1 #
AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイスから、業務用ストレージプール配下のデバイスへリストアします。
-Xreverseオプションと-Xgroupオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、swsrpmakeコマンドを実行します。
[実行例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup STP1 -Xreverse GROUP=STP1 swsrpmake completed #
-rオプションと-gオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start(OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。
[実行例]
# /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g STP1 -r DX440/0x11:DX440/0x01 # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >> # From: BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=11/Adr_high=0/Adr_low=0 # To: BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=01/Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0 # Standby-Session : DX440SEC/0x12:DX440SEC/0x02 Succeeded : 1 Failed : 0 #
注意
ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。
業務用ストレージプールで、リストア手順の手順3でリストアしたデバイスをimportします。
ZFSストレージプールのimport方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zpool import STP1 #
業務用ストレージプールでリストア対象のスナップショットにロールバックします。
ZFSストレージプールのスナップショットにロールバックする方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
SNAP1にロールバックする場合
# zfs list -t snapshot NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT STP1@SNAP1 0 - 19K - STP1@SNAP2 16M - 18K - STP1@SNAP3 32M - 18K - # zfs rollback -r STP1@SNAP1 #
リストアを行った業務用ストレージプール上のZFSファイルシステムをマウントします。
手順5までにZFSファイルシステムが自動マウントされなかった場合は、手動でZFSファイルシステムをマウントしてください。
ZFSファイルシステムのマウント方法は、OSのマニュアルを参照してください。
[実行例]
# zfs mount STP1/data1 # zfs mount STP1/data2 #