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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.5<FUJITSU Cloud Service K5環境編>
FUJITSU Software

2.7.1 クラスタの初期設定

ここでは、PRIMECLUSTERのクラスタ初期設定について説明します。

各設定方法の詳細は以下を参照してください。

内容

マニュアル参照箇所  ※

1

2.7.1.1 CF、CIPの初期設定(クラスタ構成情報とIPアドレスの設定)

CF 2.1 CF、CIP、およびCIMの構成設定

2

2.7.1.2 シャットダウン機構の設定

CF 8 シャットダウン機構 (SF)

3

2.7.1.3 クラスタリソース機構の初期設定

CF 4.3 リソースデータベースの設定

PRIMECLUSTERのマニュアル名は、以下のように略しています。

CF :PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書

2.7.1.1 CF、CIPの初期設定

“PRIMECLUSTER導入運用手引書”の“5.1.1 CF、CIPの設定”を参照し、CF、CIPの設定を行ってください。

2.7.1.2 シャットダウン機構の設定

K5環境では、SA_vmk5シャットダウンエージェントのみ設定可能です。

ここでは、SA_vmk5シャットダウンエージェントをシャットダウン機構に設定する方法について説明します。

生存優先度については、“PRIMECLUSTER導入運用手引書”の“5.1.2.1 生存優先度”を参照してください。

注意

  • シャットダウンエージェント設定後は、正しいノードが強制停止できることを確認するため、クラスタノード強制停止テストを実施してください。クラスタノード強制停止テストの詳細については、“PRIMECLUSTER導入運用手引書”“1.4 テスト”を参照してください。

  • SA_vmk5r.cfg、rcsd.cfgファイルの内容はすべてのノードで同一にしてください。同一でない場合誤動作します。

  • 2.1.1 強制停止用ユーザの作成”で作成したユーザのパスワードを変更した場合、新しいパスワードで再度本手順を実行してください。

  • 下記の操作はすべてのノードで実行してください。

  1. シャットダウンデーモンの設定

    クラスタシステムを構成するすべてのノードで、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgを以下のような内容で作成します。

    CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP:agent=SA_vmk5r,timeout=125
    CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP:agent=SA_vmk5r,timeout=125
    CFNameX       :クラスタホストのCFノード名を指定します。
    weight        :SFのノードの重みを指定します。
    myadmIP       :クラスタホストのシャットダウン機構で使用する管理LANのIPアドレスを指定します。
                    指定可能なアドレス形式は、IPv4アドレスです。
                    ホスト名を指定する場合は、/etc/hostsに記載されていることを確認してください。

    例)設定例を以下に示します。

    # cat /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg
    node1,weight=1,admIP=192.168.1.1:agent=SA_vmk5r,timeout=125
    node2,weight=1,admIP=192.168.1.2:agent=SA_vmk5r,timeout=125

    /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgを作成後、オーナー、グループ、アクセス権を以下のように設定します。

    # chown root:root /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg
    # chmod 600 /etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfg
  2. パスワードの暗号化

    sfcipherコマンドを実行し、K5のインスタンス制御用のユーザのパスワードを暗号化します。sfcipherコマンドの使用法については、sfcipherのマニュアルページを参照してください。

    # sfcipher -c

    例)設定例を以下に示します。

    パスワードが“k5admin$”の場合

    # sfcipher -c 
    Enter Password:	←k5admin$を入力
    Re-Enter Password:←k5admin$を入力
    O/gm+AYuWwE7ow3dgVG/Nw==
  3. シャットダウンエージェントの設定

    クラスタシステムを構成するすべてのノードで、/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmk5r.cfgを以下のような内容で作成します。

    項目の間は半角スペースで区切ってください。

    CFNameX InstanceName user passwd {cycle | leave-off}
    CFNameX InstanceName user passwd {cycle | leave-off}
    CFNameX       :クラスタホストのCFノード名を指定します。
    InstanceName  :クラスタホストが動作しているK5のインスタンス名を指定します。
    user           : K5のインスタンス制御用のユーザ名を指定します。
    passwd         : 手順2.で暗号化したパスワードを指定します。
    cycle         : ノード強制停止後、再起動します。
    leave-off     : ノード強制停止後、電源切断します。

    例)設定例を以下に示します。

    クラスタホストのCFノード名がnode1/node2、インスタンス名がinstance1/ instance2、インスタンス制御用のユーザ名がpcl、ノード強制停止後にノードを再起動させる場合

    # cat /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmk5r.cfg
    node1 instance1 pcl O/gm+AYuWwE7ow3dgVG/Nw== cycle
    node2 instance2 pcl O/gm+AYuWwE7ow3dgVG/Nw== cycle

    /etc/opt/SMAW/SMAWsf/ SA_vmk5r.cfgを作成後、オーナー、グループ、アクセス権を以下のように設定します。

    # chown root:root /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmk5r.cfg
    # chmod 600 /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmk5r.cfg

    注意

    • /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmk5r.cfgファイルの設定内容が正しいか確認してください。設定内容に誤りがあった場合、シャットダウン機構が正常に動作できなくなります。

    • /etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmk5r.cfgファイルのクラスタホストのCFノード名(CFNameX)に対応した、インスタンス名(InstanceName)が設定されているか確認してください。設定に誤りがあった場合、誤ったノードが強制停止されることがあります。

  4. シャットダウン機構の起動

    クラスタシステムを構成するすべてのノードで、シャットダウン機構を起動または再起動させます。

    • シャットダウンデーモン(rcsd)が未起動の場合

      sdtool -bで起動します。

      # sdtool -b
    • シャットダウンデーモン(rcsd)が動作中の場合

      sdtool -eでシャットダウンデーモン(rcsd)を停止した後、sdtool -bで起動します。

      # sdtool -e
      # sdtool -b

    参考

    シャットダウン機構が起動済みかは、sdtool -s コマンドで確認できます。The RCSD is not running”と表示された場合、シャットダウン機構が起動していません。

  5. シャットダウン機構の状態確認

    クラスタシステムを構成するすべてのノードで、以下のコマンドを実行し、シャットダウン機構の状態を確認してください。

    # sdtool -s

    注意

    参考

    sdtool -s コマンドの表示結果について

    • Init StateがUnknown、Init-ingと表示された場合、1分ほど待ってから、再度確認してください。

    • 停止状態または初期状態にUnknown と表示された場合は、SF がノードの停止、経路のテスト、SA の初期化をまだ行っていないことを表しています。テスト状態および初期状態には、実際の状態が確認されるまで一時的にUnknown が表示されます。

    • テスト状態にTestFailed と表示された場合は、クラスタホスト欄に表示されたノードを停止できるかどうかをエージェントがテストしている間に問題が発生したことを示しています。このような場合には、そのエージェントが使用しているソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク資源に何らかの問題が生じていることが考えられます。

    • Init State がInitFailed と表示された場合、K5のidentity サービスまたはcompute サービスのエンドポイントと通信できないか、設定に誤りがある可能性があります。以下について確認し、再設定してください。
      失敗した問題が解決されSF が再起動されると、状態の表示がInitWorked またはTestWorked に変わります。

      1. 以下のコマンドを実行し、クラスタホストが動作しているインスタンスからidentityサービスに通信が行えるか 確認してください。

        # curl -k -s -X GET <identityサービスのエンドポイントのURL>/v3/

        エラーの場合は、以下を確認してください。

        - 必須OSパッチが適用されていること
        rpm -q curl を実行して表示されたcurlの版数が7.19.7-43より古い場合、必須OSパッチが適用されていません。“2.1.4.6 必須OSパッチの適用”を実施してください。

        - .curlrcが作成されていること
        2.1.4.7 .curlrcの作成”を参照し、.curlrcが手順どおりに作成されていることを確認してください。

        - K5のセキュリティグループやファイアーウォールサービスが適切に設定されていること

        - K5の仮想ルータが作成されていること

        - クラスタホストのデフォルトルータが仮想ルータに設定されていること

        - identityサービスのエンドポイントのURLが正しいか

        - クラスタホストに使用するDNSサーバの設定がされていること

      2. 以下のコマンドを実行し、クラスタホストが動作しているインスタンスからcomputeサービスに通信が行えるか 確認します。

        # curl -k -s -X GET <computeサービスのエンドポイントのURL>/v2/

        下記メッセージが表示される場合は、正常な動作です。

        {"nova_error":{"message":"{\"error\": {\"message\": \"Could not find token, .\"
        , \"code\": 404, \"title\": \"Not Found\"}}","request_id":
        "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx"}}

        上記メッセージ以外が表示された場合は、以下を確認してください。

        - K5のセキュリティグループやファイアーウォールサービスが適切に設定されていること
        - K5の仮想ルータが作成されていること
        - クラスタホストのデフォルトルータが仮想ルータに設定されていること
        - computeサービスのエンドポイントのURLが正しいこと
        - クラスタホストに使用するDNSサーバの設定がされていること

      3. 以下の設定が正しいか確認してください。

        -FUJITSU Cloud Service K5環境情報ファイル(/opt/SMAW/SMAWRrms/etc/k5_endpoint.cfg)のドメイン名、プロジェクト名、identityサービスのエンドポイントのURL、computeサービスのエンドポイントのURL

        -シャットダウンエージェントの設定(/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_vmk5r.cfg)のCFノード名、インスタンス名、ユーザ名、暗号化パスワード

2.7.1.3 クラスタリソース機構の初期設定

“PRIMECLUSTER導入運用手引書”の“5.1.3 クラスタリソース管理機構の初期設定”を参照し、クラスタリソース管理機構(以降、CRM)が管理するリソースデータベースの設定をしてください。本設定の中で、GDSのサーバ間ミラーリング機能で使用するiSCSIデバイスの設定とリソースデータベースへの登録を行います。