WebSphere MQを利用してメッセージの送受信をする場合の環境設定方法について説明します。
ポイント
MQアダプタを利用する場合、WebSphere MQの運用に必要なグループにシステム管理者およびInterstage運用者を追加してください。
WebSphere MQの運用に必要なグループについての詳細は、WebSphere MQの関連マニュアルを参照してください。
ISIサーバのセットアップ後にWebSphere MQをインストールした場合、ISIサーバのIJServerクラスタのクラスパスのサフィックスに、以下のライブラリを追加してください。
<WebSphere MQ Java メッセージング インストールDir>\lib\com.ibm.mq.jar
<WebSphere MQ Java メッセージング インストールDir>\lib\com.ibm.mq.jmqi.jar
クラスパスのサフィックスの設定は、asadminコマンドを使用します。asadminコマンドの詳細は、“Interstage Application Server Java EE運用ガイド(Java EE 6編)”の“asadmin”を参照してください。Java VMの定義項目のプロパティである“isjee-classpath-suffix”は、本設定だけで使用してください。
asadmin getコマンドを使用して、現在の設定を確認します。
<Interstageインストールディレクトリ>\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin get ISISrv.java-config.isjee-classpath-suffix
asadmin getコマンドで確認した設定値の末尾に、設定するパスを追加し、asadmin setコマンドで設定します。
<Interstageインストールディレクトリ>\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin set ISISrv.java-config.isjee-classpath-suffix=<手順1で確認した値>${path.separator}<WebSphere MQ Java メッセージング インストールDir>\lib\com.ibm.mq.jar${path.separator}<WebSphere MQ Java メッセージング インストールDir>\lib\com.ibm.mq.jmqi.jar
ISISrv:ISIサーバのIJServerクラスタ名
インバウンドのMQアダプタのセットアップ
WebSphere MQからメッセージを受信する場合、インバウンドのMQアダプタのセットアップを行います。1つのインバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)に対して、1つのMQアダプタをセットアップする必要があります。
インバウンドのMQアダプタのセットアップ手順は以下のとおりです。
インバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)の準備
インバウンドのMQアダプタがメッセージを受信するインバウンドキューとしてWebSphere MQのローカル・キューを準備します。
WebSphere MQのローカル・キューは、“E.1 WebSphere MQのローカル・キューの設定”を参照して定義を行ってください。
ポイント
Interstage運用グループのユーザでMQアダプタを実行する場合は、対象のWebSphere MQのキュー・マネージャーおよびキューにInterstage運用グループのユーザでのアクセス権限を付与する必要があります。以下に、各リソースに付与する権限は以下のとおりです。権限を与える方法については、WebSphere MQの関連マニュアルを参照してください。
WebSphere MQのキュー・マネージャー
キュー・マネージャーに接続する権限
インバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)
キューからメッセージを取得する権限
セットアップコマンドの実行
以下のコマンドを実行し、インバウンドのMQアダプタをセットアップします。コマンドの詳細は“ISI リファレンス”の“isi6setup”コマンドを参照してください。
isi6setup create-mq -i -q WebSphere MQのキュー名 -m WebSphere MQのキュー・マネージャー名 [-r インバウンドルーティング名|-e サービスエンドポイント名] -d MQ識別子 [-u ISI実行環境名]
インバウンドのMQアダプタのセットアップ完了後、以下のコマンドを実行してInterstage Java EE 6 DASサービスを再起動してください。
<Interstageインストールディレクトリ>\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin stop-domain <Interstageインストールディレクトリ>\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin start-domain
ポイント
“WebSphere MQのキュー名”と“WebSphere MQのキュー・マネージャー名”が同じ組み合わせのインバウンドのMQアダプタを複数登録しないでください。
インバウンドのMQアダプタのセットアップを行うと、以下のリソースが作成されます。
リソース | 説明 |
---|---|
インバウンドのMQアダプタ | WebSphere MQからメッセージを受信するIJServerクラスタです。 以下の命名規則で作成されます。
|
インバウンドのMQアダプタ設定ファイル | インバウンドのMQアダプタの動作環境を設定するファイルです。詳細は“インバウンドのMQアダプタ設定ファイル”を参照してください。 |
インバウンドのMQアダプタの設定項目を記載する設定ファイルです。インバウンドのMQアダプタごとに作成されます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <MQConfig xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <PropertyList> <Property name="msgdistribution">myrouting</Property> <Property name="endpoint">mq_inbound</Property> <Property name="errorMode">HALT</Property> <Property name="mqConnectionTimeout">300000</Property> <Property name="mqMaxConnections">0</Property> <Property name="mqMaxUnusedConnections">10</Property> </PropertyList> </MQConfig>
キー名 | 説明 | 指定例 |
---|---|---|
msgdistribution(注) | インバウンドのMQアダプタで使用するインバウンドルーティング名を指定します。 isi6setup create-mq -iコマンドの-rオプションでインバウンドルーティング名を指定した場合は、指定したインバウンドルーティング名が設定されます。 | myrouting |
endpoint(注) | インバウンドのMQアダプタで使用するサービスエンドポイント名を指定します。 isi6setup create-mq -iコマンドの-eオプションでサービスエンドポイント名を指定した場合は、指定したサービスエンドポイント名が設定されます。 | mq_inbound |
errorMode | シーケンスでエラーが発生した場合にインバウンドのMQアダプタの動作を指定します。
本項目を省略した場合、HALTが指定されたものとして動作します。 | HALT |
mqConnectionTimeout | コネクションプールの保存期間をミリ秒単位で指定します。 本項目を省略した場合、300000ミリ秒(5分)が指定されたものとして動作します。 | 300000 |
mqMaxConnections | コネクションプールの最大コネクション数を指定します。 0が指定された場合は、上限なしとなります。 本項目を省略した場合、0が指定されたものとして動作します。 | 0 |
mqMaxUnusedConnections | コネクションプールの最大プールを指定します。 本項目を省略した場合、10が指定されたものとして動作します。 | 10 |
注:msgdistributionまたはendpointのどちらかを必ず設定してください。どちらも設定されている場合、endpointで指定した値が有効となります。どちらも省略した場合、インバウンドのMQアダプタ起動時にエラーメッセージを出力します。
ISI実行環境名を省略した場合
<INSDIR>\etc\jee\server\DEFAULT\ISIMQI_MQ識別子.xml
ISI実行環境名を指定した場合
<INSDIR>\etc\jee\server\ISI実行環境名\ISIMQI_MQ識別子_ISI実行環境名.xml
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)のセットアップ
ISIからWebSphere MQへメッセージを送信する場合、アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)をセットアップします。1つのアウトバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)に対して、1つのMQアダプタをセットアップする必要があります。
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)のセットアップの手順は以下のとおりです。
アウトバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)の準備
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)がメッセージを送信するアウトバウンドキューとして、以下のどちらかのWebSphere MQのキューを準備します。
WebSphere MQのローカル・キュー
WebSphere MQのリモート・キュー
WebSphere MQのローカル・キューを利用する場合は、“E.1 WebSphere MQのローカル・キューの設定”を参照して定義を行ってください。
WebSphere MQのリモート・キューを利用する場合は、“E.2 WebSphere MQのリモート・キューの設定”および“E.3 WebSphere MQの伝送キューの設定”を参照して定義を行ってください。
ポイント
Interstage運用グループのユーザでMQアダプタを実行する場合は、対象のWebSphere MQのキュー・マネージャーおよびキューにInterstage運用グループのユーザでのアクセス権限を付与する必要があります。以下に、各リソースに付与する権限は以下のとおりです。権限を与える方法については、WebSphere MQの関連マニュアルを参照してください。
WebSphere MQのキュー・マネージャー
キュー・マネージャーに接続する権限
アウトバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)
メッセージを書き込む権限
セットアップコマンドの実行
以下のコマンドを実行し、アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)をセットアップします。コマンドの詳細は“ISI リファレンス”の“isi6setup”コマンドを参照してください。
isi6setup create-mq -o -q WebSphere MQのキュー名 -m WebSphere MQのキュー・マネージャー名 -d MQ識別子 [-u ISI実行環境名]
アウトバウンドのMQアダプタのセットアップ完了後、以下のコマンドを実行してInterstage Java EE 6 DASサービスを再起動してください。
<Interstageインストールディレクトリ>\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin stop-domain <Interstageインストールディレクトリ>\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin start-domain
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)のセットアップを行うと、以下のリソースが作成されます。
リソース | 説明 |
---|---|
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式) | WebSphere MQへメッセージを送信するIJServerクラスタです。 以下の命名規則で作成されます。
|
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)設定ファイル | アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)の動作環境を設定するファイルです。詳細は“アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)設定ファイル”を参照してください。 |
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)の設定項目を記載する設定ファイルです。アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)ごとに作成されます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <MQConfig xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <PropertyList> <Property name="mqConnectionTimeout">300000</Property> <Property name="mqMaxConnections">0</Property> <Property name="mqMaxUnusedConnections">10</Property> </PropertyList> </MQConfig>
キー名 | 説明 | 指定例 |
---|---|---|
mqConnectionTimeout | コネクションプールの保存期間をミリ秒単位で指定します。 本項目を省略した場合、300000ミリ秒(5分)が指定されたものとして動作します。 | 300000 |
mqMaxConnections | コネクションプールの最大コネクション数を指定します。 0が指定された場合は、上限なしとなります。 本項目を省略した場合、0が指定されたものとして動作します。 | 0 |
mqMaxUnusedConnections | コネクションプールの最大プールを指定します。 本項目を省略した場合、10が指定されたものとして動作します。 | 10 |
ISI実行環境名を省略した場合
<INSDIR>\etc\jee\server\DEFAULT\ISIMQO_MQ識別子.xml
ISI実行環境名を指定した場合
<INSDIR>\etc\jee\server\ISI実行環境名\ISIMQO_MQ識別子_ISI実行環境名.xml