ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.3 (伝送路二重化機能編)

D.4.2 Oracle VM環境のネットワークを高信頼化する構成 (Solaris 11の場合)

以下に、Solaris 11環境でNIC切替方式を使用した場合のOracle VM環境の構成例を示します。

下記のシステムは、制御ドメインで物理NIC net0、net1を用いて仮想スイッチprimary-vsw0、primary-vsw1を構成しています。ゲストドメインでは、仮想スイッチ上に生成された仮想ネットワークデバイス(vnet0、vnet1)を使用しています。

制御ドメインは、以下のいずれかの構成となります。

(1) GLSが物理NIC(net0およびnet1)を冗長化して仮想インタフェースsha0を構成

(2) GLSが仮想ネットワークデバイス(vnet0およびvnet1)を冗長化して仮想インタフェースsha0を構成

ゲストドメインでは、仮想ネットワークデバイス(vnet0およびvnet1)を冗長化して仮想インタフェースsha0を構成します。

本構成において、各ドメインのアプリケーションはNIC切替方式で冗長化したNICを使用して通信を行います。NIC切替方式で冗長化したNICの伝送路に異常が発生した場合、各ドメインで使用するIPアドレスを運用インタフェース(net0, vnet0)から待機インタフェース(net1, vnet1)へ引継ぐため、各ドメイン上のアプリケーションは通信を継続することができます。

図D.1 GLSが物理NIC(net0およびnet1)を冗長化して仮想インタフェースsha0を構成する例

図D.2 GLSが仮想ネットワークデバイス(vnet0およびvnet1)を冗長化して仮想インタフェースsha0を構成する例

注意

Solaris 11.2 SRU15031以降(Oracle VM 3.2以降)、仮想スイッチ自体をネットワークデバイスとして設定する構成は未サポートとなりました。これに伴い、GLSでも仮想スイッチ自体を冗長化する構成は使用できません。仮想スイッチを冗長化する場合には、“図D.2 GLSが仮想ネットワークデバイス(vnet0およびvnet1)を冗長化して仮想インタフェースsha0を構成する例”のように仮想スイッチ上に仮想ネットワークデバイスを作成し、仮想ネットワークデバイスを冗長化してください。

参考

  • Oracle VM環境でNIC切替方式を利用して仮想ネットワーク(vnet)を冗長化する場合は、待機パトロールのMACアドレスの値に 0:0:0:0:0:0 を指定します。これにより、待機パトロールでOracle VMによって生成された仮想MACアドレスが使用されるようになります。

  • Oracle VM環境で伝送路二重化機能のクラスタシステム環境を構築する場合は、マニュアル“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“Oracle VM Server for SPARC環境でPRIMECLUSTERを使用する場合”を参照してください。

  • HUB監視先は、ドメイン外のスイッチ等を設定してください。ドメイン内を設定した場合は、仮想スイッチを構成している物理インタフェースが故障しても、障害を検出できない場合があります。