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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.3 (伝送路二重化機能編)

5.1.1 運用待機

5.1.1.1 起動

5.1.1.1.1 高速切替方式

クラスタアプリケーションの起動により、運用ノード上で引継ぎ仮想インタフェース(sha0:65)が活性化され、引継ぎ仮想IPアドレスを使用した通信が可能となります。

通常運用時は、運用ノード上の引継ぎ仮想インタフェースを使用して相手システムと通信を行います。

なお、仮想インタフェース(sha0)は、伝送路二重化機能の起動直後に活性化されます。以降はクラスタアプリケーションの停止、再起動にかかわらず、システムが停止するまで活性状態となります。

図5.2 高速切替方式の起動時の動作に、高速切替方式の起動時の動作を示します。

図5.2 高速切替方式の起動時の動作

5.1.1.1.2 NIC切替方式

NIC切替方式は、以下に示す3つのIP引継ぎ機能があります。それぞれの運用条件によって使用する機能を選択してください。

論理IP引継ぎの場合は、伝送路二重化機能の起動時に運用ノードと待機ノードの物理インタフェース(hme1)を活性化し、クラスタアプリケーションの起動により、運用ノード上で引継ぎ仮想インタフェース(hme1:1)を活性化します。

図5.3 NIC切替方式(論理IP引継ぎ)の起動時の動作に、論理IP引継ぎの起動時の動作を示します。

図5.3 NIC切替方式(論理IP引継ぎ)の起動時の動作

物理IP引継ぎIの場合は、伝送路二重化機能の起動時に運用ノードと待機ノードの物理インタフェース(hme1)を活性化し、クラスタアプリケーションの起動により、運用ノード上で物理インタフェース(hme1)に引継ぎIPアドレスを割当て、活性化します。この時、待機ノード上の物理インタフェース(hme1)は活性化の状態を維持します。

図5.4 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の起動時の動作に、物理IP引継ぎIの起動時の動作を示します。

図5.4 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の起動時の動作


物理IP引継ぎIIの場合は、伝送路二重化機能の起動時に運用ノードと待機ノードの物理インタフェース(hme1)を活性化せず、クラスタアプリケーションの起動により、運用ノード上で物理インタフェース(hme1)に引継ぎIPアドレスを割当て、活性化します。この時、待機ノードの物理インタフェース(hme1)は活性化しません。

図5.5 NIC切替方式(物理IP引継ぎII)の起動時の動作に、物理IP引継ぎIIの起動時の動作を示します。

図5.5 NIC切替方式(物理IP引継ぎII)の起動時の動作

5.1.1.1.3 GS/SURE連携方式

クラスタアプリケーションの起動により、運用ノード上で引継ぎ仮想インタフェース(sha0)が活性化され、引継ぎ仮想IPアドレスを使用した通信が可能となります。通常運用時は、運用ノード上の引継ぎ仮想インタフェースを使用して相手システムと通信を行います。

図5.6 GS/SURE連携方式の起動時の動作に、GS/SURE連携方式の起動時の動作を示します。

図5.6 GS/SURE連携方式の起動時の動作

5.1.1.2 切替え

通常運用時は、運用ノード上の引継ぎ仮想インタフェースを使用して相手システムとの通信を行います。運用ノードにおける異常発生時(パニック、ハングアップまたは伝送路異常検出時)は、伝送路二重化機能が待機ノードに切替えます。アプリケーションで再接続を行うことによって運用ノードの通信を引継ぎます。

5.1.1.2.1 高速切替方式

図5.7 高速切替方式の切替え動作に、高速切替方式の切替え動作を示します。

以下の図では、運用ノードAの引継ぎ仮想インタフェース(sha0:65)に、引継ぎIPアドレス(IPa)が割当てられて活性化されており、異常等による切替え発生時は、運用ノードAの引継ぎ仮想インタフェース(sha0:65)が非活性化され、待機ノードBで、引継ぎIPアドレス(IPa)を割当てた引継ぎ仮想インタフェース(sha0:65)を活性化します。なお、ノードAの仮想インタフェース(sha0)は遷移しません。

図5.7 高速切替方式の切替え動作

5.1.1.2.2 NIC切替方式

図5.8 NIC切替方式(論理IP引継ぎ)の切替え動作に、NIC切替方式(論理IPアドレス引継ぎ機能)による切替え動作図を示します。

以下の図では、運用ノードAで引継ぎ仮想IPアドレス(IPa)がセカンダリインタフェース(hme2)の論理インタフェース(hme2:1)に割当てられて活性化された状態になっています。

伝送路異常等の発生によるノード切替え時に、運用ノードAにおいて、引継ぎIPアドレス(IPa)が割当てられていた論理仮想インタフェース(hme2:1)を非活性化し、待機ノードBで既に活性化されているプライマリインタフェース(hme1)に引継ぎIPアドレス(IPa)を割当てて論理インタフェース(hme1:1)を活性化します。

図5.8 NIC切替方式(論理IP引継ぎ)の切替え動作


図5.9 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の切替え動作(続く)図5.10 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の切替え動作(続き)に、NIC切替方式(物理IPアドレス引継ぎ機能I)による切替え動作を示します。

以下の図では、運用ノードAで引継ぎ仮想IPアドレス(IPa)がセカンダリインタフェース(hme2)に割当てられて活性化された状態になっています。

伝送路異常等の発生によるノード切替え時に、待機ノードBで既に活性化されているプライマリインタフェース(hme1)を一旦非活性化し、引継ぎIPアドレス(IPa)を割当て、活性化します。待機ノードに引継いだ後のノードAでは、引継ぎIPアドレス(IPa)が割当てられていたセカンダリインタフェース(hme2)に別のIPアドレス(IP1)を割当て、活性化します。

図5.9 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の切替え動作(続く)


図5.10 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の切替え動作(続き)


図5.11 NIC切替方式(物理IP引継ぎII)の切替え動作に、NIC切替方式(物理IPアドレス引継ぎ機能II)による切替え動作を示します。

以下の図では、運用ノードAで引継ぎIPアドレス(IPa)がセカンダリインタフェース(hme2)に割当てられて活性化された状態になっています。

伝送路異常等の発生によるノード切替え時に、待機ノードBでプライマリインタフェース(hme1)に引継ぎIPアドレス(IPa)を割当て、活性化します。待機ノードに引継いだ後のノードAでは、引継ぎIPアドレス(IPa)が割当てられていたセカンダリインタフェース(hme2)を非活性化します。

図5.11 NIC切替方式(物理IP引継ぎII)の切替え動作

5.1.1.2.3 GS/SURE連携方式

図5.12 GS/SURE連携方式の切替え動作に、GS/SURE連携方式による切替え動作を示します。

以下の図では、運用ノードAで引継ぎ仮想インタフェース(sha0)が活性化されており、異常等による切替え発生時は、ノードAで、引継ぎ仮想インタフェース(sha0)、仮想インタフェース(sha1,sha2)を非活性化します。その後、仮想インタフェース(sha1,sha2)を活性化します。待機ノードBでは、仮想インタフェース(sha1,sha2)を束ねた引継ぎ仮想インタフェース(sha0)を活性化します。

図5.12 GS/SURE連携方式の切替え動作

5.1.1.3 切戻し

クラスタ切替えが発生した場合、その後切戻しを行う手順を以下に示します。

1) 異常発生ノードの復旧

切替え発生要因がパニックまたはハングアップの場合は、パニック、ハングアップしたノードを再ブートします。
切替え発生要因が伝送路異常の場合は、伝送路を正常な状態に戻します。(ケーブル再接続、HUB電源再投入、故障HUBの交換等必要な作業を実施)

2) 運用状態の復旧

クラスタアプリケーションの切戻しを行い、元の運用状態に戻します。

5.1.1.4 停止

5.1.1.4.1 高速切替方式

図5.13 高速切替方式の停止動作に、クラスタアプリケーション停止時の動作を示します。

図5.13 高速切替方式の停止動作

5.1.1.4.2 NIC切替方式

図5.14 NIC切替方式(論理IP引継ぎ)の停止動作に、論理IP引継ぎの場合のクラスタアプリケーション停止動作を示します。

図5.14 NIC切替方式(論理IP引継ぎ)の停止動作


図5.15 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の停止動作に、物理IP引継ぎIの場合のクラスタアプリケーション停止動作を示します。

図5.15 NIC切替方式(物理IP引継ぎI)の停止動作


図5.16 NIC切替方式(物理IP引継ぎII)の停止動作に、物理IP引継ぎIIの場合のクラスタアプリケーション停止動作を示します。

図5.16 NIC切替方式(物理IP引継ぎII)の停止動作

5.1.1.4.3 GS/SURE連携方式

図5.17 GS/SURE連携方式の停止動作に、クラスタアプリケーション停止時の動作を示します。

図5.17 GS/SURE連携方式の停止動作