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NetCOBOL V12.0 ユーザーズガイド(UNIX分散開発編)
FUJITSU Software

4.2.2 ビルド制御文雛型の生成手順

ビルド制御文の雛型の生成は次の手順で行います。

  1. 〔プロジェクト〕-〔分散開発〕メニューの〔ビルド制御文生成〕を選択します。〔ビルド制御文生成〕ダイアログが表示されます。

    図4.6 ビルド制御文生成ダイアログ

    注意

    ビルド制御文生成時のオプション情報は、プロジェクト資産であるオプションファイルに保存されています。V7.2以前で作成したプロジェクトに対してビルド制御文生成を実行する場合には、オプションファイルのコンバートを行う必要があります。

    コンバートが行われていないオプションファイルが存在する場合、〔ビルド制御文生成〕の選択後、〔ビルド制御文生成〕ダイアログが表示される前に以下の確認メッセージが表示されます。

    図4.7 コンバート確認メッセージ

    〔はい〕をクリックすると、コンバートが行われていないすべてのオプションファイルに対してコンバートが実行され、〔ビルド制御文生成〕ダイアログが表示されます。

    〔いいえ〕をクリックすると、オプションファイルのコンバートは行われません。〔ビルド制御文生成〕ダイアログが表示され、前回のビルド制御文生成時のオプション情報が参照できますが、ビルド制御文の生成は行うことはできません。(〔OK〕ボタンをクリックすることはできません)

  2. 〔ビルド制御文生成〕ダイアログに情報を設定します。

    新規にビルド制御文を生成する場合
    1. 〔新規〕ボタンをクリックします。(初期値)

    2. 〔ファイル名〕に新規に生成するビルド制御文のファイル名を指定します。はじめてビルド制御文を生成するときは、"プロジェクト名.make"が初期値になっています。

      ファイル名にはパスを指定することはできません。ビルド制御文はプロジェクトファイルと同じ場所に生成されます。

      また、ビルド制御文には以下の拡張子を指定することはできません。

      .PRJ

      .CBI

      .LNI

      .UCBI

      .ULNI

      〔OK〕ボタンをクリックして、ビルド制御文を作成すると、[その他]フォルダにビルド制御文が追加されます。

    生成済のビルド制御文を更新する場合

    プロジェクトツリーの〔その他〕フォルダに登録されている既存のビルド制御文を更新します。プロジェクトツリーの〔その他〕フォルダにビルド制御文が登録されていない場合は指定できません。

    1. 〔更新〕ボタンをクリックします。

    2. プロジェクトツリーの〔その他〕フォルダに登録されているビルド制御文が表示されます。コンボボックスから更新を行うビルド制御文を選択します。

  3. 〔送信済のファイルだけをビルドの対象にする〕チェックボックスの指定を行います。

    指定した場合は、“送信”機能で送信した際の送信情報を元に翻訳対象ファイルの絞込みが行われます。〔送信〕ダイアログの〔送信ファイル情報一覧〕に設定されていないファイルは翻訳対象ファイルとなりません。

    ファイルの存在位置は、“送信”時に指定した“送信先”のディレクトリとなります。

    指定しない場合は、プロジェクトマネージャに登録されているオブジェクトファイル名を生成するすべてのファイルが翻訳対象ファイルとなります。

    この場合、未送信のファイルの存在位置は“サーバディレクトリ”として出力されます。

  4. 〔生成したmakefileをサーバへ送信する〕チェックボックスの指定を行います。

    指定した場合、〔ビルド制御文生成〕ダイアログの〔OK〕ボタンをクリックすると、生成完了後にビルド制御文がサーバディレクトリへ転送されます。

    指定せずにビルド制御文を生成した場合は、ビルド実行前にUNIX系システムのファイル送信機能を使用してビルド制御文の送信を行ってください。

  5. 〔OK〕ボタンをクリックすると、ビルド制御文が生成されます。

  6. ビルド制御文が生成されると、生成結果がダイアログ表示されます。

    〔メッセージ〕内には、ビルド制御文の内容確認が必要な項目も出力されます。

    メッセージの内容を必ず確認し、対処が必要な項目については修正を行ってください。

    注意

    プロジェクトに、そのプロジェクトでは作成しないリポジトリが、依存リポジトリとして登録してある場合、生成結果ダイアログに以下の項目を出力します。

    「次のリポジトリファイルはこのプロジェクトで生成されていないため、必要に応じてメイクファイルに追加してください。」

    依存リポジトリがNetCOBOLの提供するリポジトリである場合は、この項目は無視してかまいません。

ビルド制御文へ出力されるオプションの情報のうち、基本的な設定はプロジェクトマネージャに設定された情報から取得されます。

WindowsシステムとUNIX系システムの差異により設定の追加・変更が必要な場合は、〔OK〕ボタンをクリックしてビルド制御文を生成する前に、〔オプション設定〕ボタンをクリックし、〔オプション設定〕プロパティシートを表示させて必要な設定を行ってください。

以下に、〔オプション設定〕の手順を示します。

  1. 〔オプション設定〕ボタンをクリックし、〔オプション設定〕プロパティシートを表示します。

    〔オプション設定〕プロパティシートには、〔翻訳オプション〕ページ、〔リンクオプション1〕ページ、〔リンクオプション2〕ページがあります。

  2. 〔翻訳オプション〕ページの設定を行います。

    図4.8 翻訳オプションページ

    〔翻訳オプション〕ページでは、ディレクトリの指定を行う翻訳オプションおよび、UNIX系システム固有の翻訳オプションの設定を行います。

    設定できる翻訳オプションは以下のオプションとなります。

    • デバッグ情報ファイルの出力先ディレクトリ(-dd)

    • オブジェクトファイルの出力先ディレクトリ(-do)

    • 翻訳リストファイルの出力先ディレクトリ(-dp)

    • リポジトリファイルの入出力先ディレクトリの指定(-dr)

    • ソース解析情報ファイルの出力先ディレクトリ(-ds)

    • 登録集ファイルの入力先ディレクトリ(-I)

    • 画面帳票定義体ファイルの入力先ディレクトリ(-m)

    • リポジトリファイルの入力先ディレクトリ(-R)

    • 実行時コード系チェック(CODECHK)

    • 文字コードの扱い(KANA)

    • 連絡節のデータ宣言の扱い(LALIGN)

    • 重複文字の扱い(DUPCHAR)

    〔一覧〕には指定済の翻訳オプションが表示されます。ディレクトリの指定を行う翻訳オプションは、Windowsの翻訳オプションの指定有無により初期表示内容が変更されます。

    新規にビルド制御文を生成する場合

    Windowsの翻訳オプションの指定がある翻訳オプションは〔一覧〕リストに追加されて表示されます。

    設定値(ディレクトリ)には“サーバディレクトリ”が初期値として設定されています。他のディレクトリを指定する場合には、〔変更〕を行ってください。

    生成済のビルド制御文を更新する場合

    前回指定した翻訳オプションが表示されます。

    しかし、以下の指定については、Windowsの翻訳オプションと対になっており、Windowsの翻訳オプションが指定されていない場合は有効な指定となりません。

    そのため、前回生成後にWindowsの翻訳オプションの指定に対して削除や無効となる設定値に変更した場合は、〔一覧〕から削除されます。

    前回の状態に戻す場合には、再度〔翻訳オプション〕コンボボックスから選択し、〔追加〕を行ってください。

    表4.4 Windowsの翻訳オプションと対となる翻訳オプション

    翻訳オプション

    Windowsの翻訳オプション

    デバッグ情報ファイルの出力先ディレクトリ(-dd)

    TEST

    オブジェクトファイルの出力先ディレクトリ(-do)

    OBJECT

    * NOOBJECTの場合のみ無効

    翻訳リストファイルの出力先ディレクトリ(-dp)

    PRINT

    ソース解析情報ファイルの出力先ディレクトリ(-ds)

    SAI

    〔一覧〕に設定されたオプションの内容がビルド制御文に出力されます。

    必要なオプションが出力される様に、以下の操作で〔一覧〕リストを編集してください。

    追加

    〔翻訳オプション〕コンボボックスで選択したオプションに対して情報を入力するための追加画面を表示します。表示するダイアログは、オプションによって異なります。追加したオプションは、〔一覧〕リストビューに登録されます。

    変更

    〔一覧〕リストボックスで選択したオプションの設定値を変更する場合に指定します。指定したオプションに対応するダイアログが表示されます。

    削除

    〔一覧〕リストビューで選択した翻訳オプションを削除するときに指定します。

    〔一覧〕リストのレコードを選択すると、〔設定値〕(読み取り専用)に選択した翻訳オプションの設定値が表示されます

  3. 〔リンクオプション1〕ページの設定を行います

    ここでは、プロジェクトマネージャに登録しているインポートライブラリファイルに対応する、UNIX系システム上のライブラリファイル名を指定します。

    ただし、次に示すインポートライブラリについては、ビルド制御文に、自動的に出力されるため、指定は不要です。

    • プロジェクトツリーに登録されたアプリケーションの間で動的リンク構造が成立している場合
      (アプリケーションが一方のアプリケーションのインポートライブラリをリンクしている場合)

    • WindowsシステムとUNIX系システムで共にNetCOBOL製品が提供しているライブラリファイル
      NetCOBOL製品が提供しているライブラリファイルについては、“4.2.1 ビルド制御文雛型の生成時の規則”の“リンクオプション”を参照してください。

    例えば、以下のようなプロジェクトツリーの場合、SAMPLE.LIBを除くインポートライブラリファイルは、前述した条件に当てはまりますので、〔リンクオプション1〕ページで指定する必要はありません。SAMPLE.LIBのみ、対応するUNIX系システム上のライブラリファイル名を指定する必要があるため、〔リンクオプション1〕ページの〔一覧〕リストにファイル名が表示されます(前回ビルド制御文を生成した時に削除した場合は除きます)。

    図4.9 インポートライブラリを指定したプロジェクト

    図4.10 リンクオプション1ページ

    〔一覧〕に設定されているライブラリの情報が表示されます。

    参照ライブラリ

    プロジェクトマネージャに登録されている、Windowsシステムのインポートライブラリ名を表示します。

    UNIX系システム上でのみ必要なライブラリファイルが存在する場合には、“参照ライブラリ”を“(なし)”で指定してください。

    ライブラリサーチパス

    指定したUNIX系システム上のライブラリファイルの存在するパスが表示されます。

    プロジェクトマネージャに登録されているライブラリファイルに対して指定が行われていない場合は、何も表示されません。

    ライブラリファイル

    指定したUNIX系システム上のライブラリファイル名が表示されます。

    プロジェクトマネージャに登録されているライブラリファイルに対して指定が行われていない場合は、何も表示されません。

    ライブラリファイルが指定されていないレコードの情報は、リンクオプションへの出力は行われません。

    必要なライブラリの指定が出力される様に、以下の操作で〔一覧〕リストを編集してください。

    追加

    リンクオプションへ出力するライブラリファイルの追加画面を表示します。

    追加したライブラリファイル名は〔一覧〕リストへ表示されます。

    図4.11 追加  -  ライブラリファイルダイアログ

    参照ライブラリ名

    参照ライブラリのファイル名を選択します。

    通常は“(なし)”のみが表示されます。

    プロジェクトマネージャに登録されているライブラリファイルのレコードを削除した場合のみ、削除したライブラリファイル名がプルダウンに追加されます。

    ディレクトリ名

    リンクオプションに指定するライブラリファイルの存在するディレクトリを指定します。

    ディレクトリの指定は絶対パスでも相対パスでも構いません。記述した形式でリンクオプションに指定されます。

    〔参照〕ボタンでライブラリファイルを選択した場合には、選択したファイルのパス名が自動的に設定されます。

    キーボードから指定する場合は、ダブルコーテーションで囲んでください。

    ライブラリ名

    リンクオプションに指定するライブラリファイルのファイル名を指定します。

    ライブラリ名に指定可能なファイル名は、拡張子に“.so”か“.a”をもつファイル名に限られます。また、ファイル名の先頭は“lib”でなければなりません。

    〔参照〕ボタンでライブラリファイルを選択した場合には、選択したファイルのファイル名が自動的に設定されます。

    キーボードから指定する場合は、ダブルコーテーションで囲んでください。

    〔参照ライブラリ〕に“(なし)”を指定した場合は、複数のファイル名を指定することができます。その場合は、ファイル名を空白で区切ります。

    ライブラリ名は以下の形式で指定可能です。

    ファイル名のみ

    記述したファイル名がライブラリファイルとして設定されます。

    相対パス指定

    パス部分がディレクトリ名の後ろ(下位階層)に付加され、ライブラリサーチパスに設定されます。

    ライブラリファイルにはファイル名のみが設定されます。

    絶対パス指定

    パス部分がライブラリサーチパスに設定されます。この場合、ディレクトリ名に記述した内容は無効となり反映されません。

    ライブラリファイルにはファイル名のみが設定されます。

    更新

    〔一覧〕リストで選択したライブラリファイルの更新画面を表示します。

    (複数のレコードを選択して〔更新〕することはできません)

    更新したライブラリファイル名は〔一覧〕リストで選択したレコードへ反映されます。

    図4.12 更新  -  ライブラリファイルダイアログ

    参照ライブラリ名

    〔一覧〕リストで選択した参照ライブラリ名が表示されます。

    プロジェクトマネージャに登録されているファイルを更新する場合は、変更はできません。

    ディレクトリ名

    〔追加  -  ライブラリファイル〕ダイアログと同様です。

    ライブラリ名

    〔追加  -  ライブラリファイル〕ダイアログと同様です。

    ただし、“更新”の場合に複数ファイルを指定することはできません。

    削除

    〔一覧〕リストで選択したライブラリファイルの情報を削除します。

  4. 〔リンクオプション2〕ページの設定を行います。

    ここで選択したオプションが、リンクオプションとして出力されます。

    図4.13 リンクオプション2ページ

    動的結合〔-dy〕

    アプリケーションをUNIX系システムで動的結合により作成する場合に指定します。初期状態は、動的結合となります。

    静的結合〔-dn〕

    アプリケーションをUNIX系システムで静的結合により作成する場合に指定します。

    画面定義体を使う場合のライブラリのリンク〔-pm〕

    画面定義体を使用しているプログラムをリンクする場合に指定します。

    スクリーン操作機能関連のライブラリのリンク〔-pc〕

    スクリーン操作機能を使用しているプログラムをリンクする場合に指定します。

    C-ISAM関連のライブラリのリンク〔-pi〕

    C-ISAMを使用しているプログラムをリンクする場合に指定します。

    C言語から呼び出されるプログラムをリンク〔-Ns〕

    C言語から呼び出されるプログラムをリンクする場合に指定します。

    リンクオプション〔-Wl〕の指定

    リンクコマンドが使用するリンクオプションを指定します。

  5. 〔OK〕ボタンをクリックして〔オプション設定〕プロパティシートを終了します。