COBOLプロジェクトマネージャにおけるプロジェクトとは、1つ以上のCOBOLプログラムを翻訳・リンクして、実行可能ファイルまたは共用ライブラリを作成するために必要となる資産の集合です。
実際にプロジェクトを作成・使用するための詳しい説明は、次章以降で行います。ここでは、分散開発の単位としてのプロジェクトの概念のみを説明します。
プロジェクトに含まれる資産は、大きく2つに分けられます。
プロジェクト資産
プログラム資産から、COBOLプログラムを作成するための各種の設定が保存されているものです。
プログラム資産
開発対象のCOBOLプログラムそのものを構成する資産です。COBOLソースや登録集のように翻訳・リンク時に必要とされるものから、フォームオーバレイやhtml文書など実行時に必要な資産も含みます。
以下にプロジェクトを構成する各プロジェクト資産の一覧を示します。
資産の種別 | ファイルの種別 |
---|---|
プロジェクト資産 | プロジェクトファイル |
翻訳オプションファイル | |
リンクオプションファイル | |
プログラム資産 | COBOLソースプログラム |
COBOL登録集原文(COPY句) | |
画面帳票定義体 | |
フォームオーバレイパターン | |
プリコンパイラソース | |
IDLソース | |
html文書 |
UNIX系プログラムの分散開発を支援するために提供される次のような機能は、基本的にこのプロジェクトを単位として行われます。
プログラム資産のUNIXサーバへの送受信
ビルド制御文(Makefile)生成
ターゲットビルド
リモートデバッグ
プログラム資産はファイル単位でUNIXサーバ側に送受信を行いますが、プロジェクト資産はビルド制御文(Makefile)に変換して、UNIXサーバ側に送信することになります。したがって、“表2.1 Windowsクライアント側のプロジェクト構成ファイル”に示した“Windowsクライアント側のプロジェクト構成ファイル”に対応する“UNIXサーバ側のプロジェクト構成ファイル”は次の表のようになります。
資産の種別 | ファイルの種別 |
---|---|
プロジェクト資産 | ビルド制御文ファイル |
プログラム資産 | COBOLソースプログラム |
COBOL登録集原文(COPY句) | |
画面帳票定義体 | |
ファイル定義体 | |
フォームオーバレイパターン | |
プリコンパイラソース | |
IDLソース | |
html文書 |
NetCOBOLにおけるプロジェクトは、Windowsクライアント側におけるプロジェクトもUNIXサーバ側におけるプロジェクトも基本的に1人の開発者による開発の単位でもあります。
したがって、開発対象プログラムが大規模で、かつ、多数のプログラム資産からなるような場合、それをすべて登録した1つのプロジェクトとするのではなく、何らかの単位で分割すべきです。