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Interstage Application Server V12.0.0 MessageQueueDirector説明書
FUJITSU Software

6.2.7 クラスタサービスの設定

MQDをクラスタシステムで動作させるためにクラスタサービスを設定します。

6.2.7.1 クラスタサービスの設定(WSFCの場合)

以下の順序で設定します。

リソースグループのプロパティの設定

MQDの所属するリソースグループのプロパティを設定します。このグループに所属する他のリソースや業務運用を考慮して、システムとして適切な値を設定してください。特に問題がなければ、省略値のままで問題ありません。

リソースの登録

MQDをWSFCで動作させるために、MQD関連のリソースをすべてMQD用のリソースグループに登録します。登録は、クラスタアドミニストレータを使用して行います。リソースの登録内容は、MQDの運用方法によって異なります。表6.2 MQDのリソース一覧にMQDを使用する場合に登録するリソースの一覧を示します。

表6.2 MQDのリソース一覧

リソース資源

サービス名

リソースの種類

依存関係(依存先)

備考

IPアドレス(注1)

IPアドレス(注1)

なし

ネットワーク名(注1)

ネットワーク名(注1)

IPアドレス(注1)

共用ディスク

物理ディスク

ネットワーク名(注1)

OD_startサービス

ODloader

汎用サービス

共用ディスク

(注2)

NamingServiceサービス

Naming

汎用サービス

OD_startサービス

(注2)

InterfaceRep_Cache Serviceサービス

InterfaceRep_Cache_s

汎用サービス

NamingServiceサービス

(注2)

EventServiceサービス

esdmnmain

汎用サービス

InterfaceRep_Cache Serviceサービス

(注2)

TransactionDirectorサービス

TransactionDirector

汎用サービス

EventServiceサービス

(注2)

Interstage APIサービス

Interstage API

汎用サービス

TransactionDirectorサービス

(注2)

イベントチャネル起動用バッチファイル

汎用アプリケーション

Interstage APIサービス

(注2)

MQDサービス

MessageQueueDirector MQD001

汎用サービス

イベントチャネルの起動

(注3)

MQD拡張機能の起動バッチファイル

汎用アプリケーション

汎用アプリケーション

MQDサービス

(注4)

ポイント

  • 上記のすべてのリソースをMQD用のグループに登録してください。

  • リソースの名前には任意の文字列を指定してください。

  • 実行できる所有者には、クラスタシステムを構成する両方のノードを指定してください。

  • 汎用サービス登録時は、表中のサービス名を指定してください。

  • その他の設定項目については、指定の必要はありません。

注意

1)

フェールオーバー クラスタリング機能の場合、“IPアドレス”、“ネットワーク名”のかわりに、“クライアントアクセスポイント”をリソースとして登録してください。

2)

“ネットワーク名をコンピュータ名として使う”チェックボックスを選択しないでください。

注3)

MQD001は使用するMQDシステム名にあわせて変更してください。

注4)

MQDの拡張機能を起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。

[MQDインストール先フォルダ]\sample\mqdstrsvc64.bat

使用の際には以下の行を使用するMQDシステム名に修正してください。

set MQDSYSNAME=-s MQD001

リソースのプロパティ設定

登録したリソースのプロパティを設定します。設定値は、業務アプリケーションの異常時の動作(再起動するのかフェイルオーバするのかなど)も考慮する必要があります。ここでは、ソフトウェアの障害などが発生した場合でも、グループ全体を別ノードに即座にフェイルオーバすることで、業務のダウン時間を極力短くする設定値で説明します。特に問題がなければ、この値に設定することをお勧めします。なお、ここで説明していない値については、リソース登録時の値をそのまま使用してください。

詳細設定

注意

1:

起動確認を実施した後にこの設定にしてください。リソースの登録時点では、再起動しない設定にしておいてください。

パラメータ

6.2.7.2 クラスタサービスの設定(PRIMECLUSTERの場合)

以下の順序で設定します。

MQDの基本機能用の状態遷移プロシジャを登録する

PRIMECLUSTER上で動作するMQDでは、状態遷移プロシジャを利用して、MQDの起動や停止を行います。状態遷移プロシジャとは、クラスタ制御からの状態遷移指示を受け取り、リソースの活性化や非活性化を制御(アプリケーションの起動や停止など)するものです。状態遷移プロシジャの詳細に関しては、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明します。

状態遷移プロシジャファイルの修正

MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。MQD基本機能用のひな型は以下のファイルで提供しています。

/opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQD_INTERSTAGE

状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。

複数のMQDシステムを使用する場合は、状態遷移プロシジャをMQDシステムごとに用意する必要がありますので、ひな型を複写して使用してください。なお、状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約に従ってください。

MQDシステム名.MQD_INTERSTAGE

例えば、MQDシステム名が“MQDSYS01”の場合には、“MQDSYS01.MQD_INTERSTAGE”となります。

また、上記以外の設定でMQDシステムの起動と停止を行う場合は、ひな型の修正が必要です。状態遷移プロシジャファイルの修正内容の例を以下に示します。

MQDシステム名がMQDABCの場合
SYSNAME="MQD001"
      ↓
SYSNAME="MQDABC"
MQD起動時に拡張機能を連動して起動する場合
START_OPT="-s $SYSNAME -p"
       ↓
START_OPT="-s $SYSNAME"
MQD起動時にMQD資源を回収しMQDを起動する場合
START_OPT="-s $SYSNAME -p"
       ↓
START_OPT="-s $SYSNAME -p -r"

状態遷移プロシジャの格納とリソース登録

各ノードに状態遷移プロシジャファイルを格納とリソース登録を行います。それぞれPRIMECLUSTERのコマンドを使用して行います。格納はclsetprocコマンド、リソース登録はcladdprocrscコマンドでおこないます。コマンドの詳細は“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。格納と登録を一括して行うスクリプトのひな型を以下のファイルで提供しています。

/opt/FJSVmqd/sample/ADDPROC_MQD_INTERSTAGE

ひな型では、以下の内容に設定しています。別の設定で登録する場合はひな型を編集して使用してください。

修正の例を以下に示します。

状態遷移プロシジャファイル名がMQDABC.MQD_INTERSTAGEの場合
PROC_NAME="MQD001.MQD_INTERSTAGE"
       ↓
PROC_NAME="MQDABC.MQD_INTERSTAGE"
起動優先度を変更したい場合
PRIORITY="100"
       ↓
PRIORITY="150"

MQD拡張機能用の状態遷移プロシジャを登録する

MQDの拡張機能を使用する場合は、MQDの拡張機能(以下、サービスと呼びます)の状態遷移プロシジャを登録します。

状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明します。

イベントチャネル連携サービスは、イベントチャネルの起動を前提としています。したがって、イベントチャネル連携サービスの起動前にイベントチャネルが起動されるように起動優先度を設定してください。

クラスタ環境でのイベントサービスの環境設定については、“高信頼性システムガイド”を参照してください。

状態遷移プロシジャファイルの修正

MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。サービス用のひな型は、以下のファイルで提供しています。

/opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQDNSGW_INTERSTAGE

状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。

状態遷移プロシジャファイルを、使用するサービスに合わせて修正します。状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約に従ってください。

MQDシステム名.MQDNSGW_INTERSTAGE

例えば、MQDシステム名が“MQDSYS01”の場合は、“MQDSYS01.MQDNSGW_INTERSTAGE”となります。

状態遷移プロシジャファイルの修正内容の例を以下に示します。

MQDシステム名がMQDABCの場合
SYSNAME="MQD001"
       ↓
SYSNAME="MQDABC"
サービス起動時に定義反映を行う場合
START_OPT="-s $SYSNAME $SERVICE"
       ↓
START_OPT="-s $SYSNAME -n $SERVICE"

状態遷移プロシジャの格納とリソース登録

各ノードに状態遷移プロシジャファイルを格納とリソース登録を行います。それぞれPRIMECLUSTERのコマンドを使用して行います。格納はclsetprocコマンド、リソース登録はcladdprocrscコマンドでおこないます。コマンドの詳細は“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。格納と登録を一括して行うスクリプトのひな型を以下のファイルで提供しています。

/opt/FJSVmqd/sample/ADDPROC_MQDNSGW_INTERSTAGE

ひな型では、以下の内容に設定しています。別の設定で登録する場合はひな型を編集して使用してください。

修正の例を以下に示します。

状態遷移プロシジャファイル名がMQDSYS01.MQDNSGW_INTERSTAGEの場合
PROC_NAME="MQD001.MQDNSGW_INTERSTAGE"
       ↓
PROC_NAME="MQDSYS01.MQDNSGW_INTERSTAGE"
起動優先度を変更したい場合
PRIORITY="200"
       ↓
PRIORITY="180"

MQDのリソースを登録する

各ノードにアプリケーションリソースをPRIMECLUSTER用のリソースとして登録します。操作はCUI(RMS Wizard)より行います。

CUI(RMS Wizard)については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。表6.3 MQDのリソース一覧に登録するリソースの一覧を示します。

なお、必要に応じて、業務アプリケーションなどのリソースも登録してください。

表6.3 MQDのリソース一覧

リソース

リソースクラス

切替えディスク

DISK

MACアドレス

MAC_Address

ネットノード名

NetNodename

IPアドレス

IP_Address

CORBAサービスの状態遷移プロシジャ

BasicApplication

イベントサービスの状態遷移プロシジャ

BasicApplication

MQDの基本機能用状態遷移プロシジャ

BasicApplication

MQDの拡張機能用状態遷移プロシジャ

BasicApplication

MQDクラスタサービスを設定する

クラスタ運用管理ビューを使用して、サービスの設定を行います。クラスタ運用管理ビューの詳細については“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

MQDクラスタサービスの設定内容

MQDクラスタサービスの設定内容は表6.4 サービス設定内容のとおりです。

表6.4 サービス設定内容

設定項目

設定内容

サービス名

任意

運用形態

Standby

ノード

運用ノード

運用インスタンスを登録するノード

待機ノード

待機インスタンスを登録するノード

リソース

上表 MQDのリソース一覧を参照

アプリケーション依存関係

下図 リソース起動優先度を参照

共用ディスク装置の使用種別

切替えディスク

起動優先度

サービスを構成するアプリケーションが複数からなり起動優先度を設定する必要がある場合は、起動順番の優先度を設定します。下図に、MQDに関するリソースの起動優先度を示します。使用するリソースについて、図6.8 リソース起動優先度の順に起動するように優先度を設定します。

図6.8 リソース起動優先度

(*)詳細は”Interstage 高信頼性システム運用ガイド”を参照してください。