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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.5 運用ガイド
FUJITSU Storage

A.2 バックアップの前後処理

AdvancedCopy Managerでのバックアップは、swstbackupコマンドに-Xflushオプションを指定する、または、「バックアップ用業務ボリュームロック動作指定ファイル」のBufferFlushOnlyをonに設定することで、業務ボリュームをロックせずにファイルシステムバッファーをフラッシュします。

業務ボリュームをロックしたい場合は、swstbackup(バックアップ実行コマンド)に-Xflushオプションを指定しない、かつ、バックアップ用業務ボリュームロック動作指定ファイルのBufferFlushOnlyをoffに設定します。

バックアップボリュームは、前処理でロックされます。バックアップボリュームは、バックアップ同期処理開始またはスナップショット処理開始でロックされ、バックアップ後処理でロック解除されます。

WSFC運用の場合、前後処理で物理ディスクリソースのメンテナンスモードの自動設定を行います。メンテナンスモードの詳細は、「15.1.6.1 WSFCでクラスタ運用している場合」を参照してください。

表A.1 通常バックアップ運用の場合の前後処理

契機

内容

同期処理開始の前処理

(swststartsyncコマンド内で実施される)

  • デフォルトの場合

    バックアップボリュームをロックします。

同期処理開始の後処理

(クラスタシステムの場合、swststartsyncコマンド内で実施される)

  • デフォルトの場合

    1. バックアップボリュームのマウントを解除します。

    2. バックアップボリュームのロックを解除します。

バックアップの前処理

(swstbackupコマンド内で実施される)

  • デフォルトの場合

    1. WSFC運用の場合、バックアップボリュームの属する物理ディスクリソースのメンテナンスモードをONにします(1つのディスクに1つのパーティションが存在する構成、かつ、バックアップ実行前にメンテナンスモードがOFFであるときだけ)。

    2. 以下の場合、バックアップボリュームをロックします。

      • スナップショット型バックアップの場合

      • WSFC運用の同期型バックアップの場合

    3. 業務ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュします。

  • -Xflushオプションを指定しない、かつ、BufferFlushOnly=offの場合

    1. WSFC運用の場合、バックアップボリュームと業務ボリュームの属する物理ディスクリソースのメンテナンスモードをONにします(1つのディスクに1つのパーティションが存在する構成、かつ、バックアップ実行前にメンテナンスモードがOFFであるときだけ)。

    2. 以下の場合、バックアップボリュームをロックします。

      • スナップショット型バックアップの場合

      • WSFC運用の同期型バックアップの場合

    3. 業務ボリュームをロックします。

バックアップの後処理

(swstbackupコマンド内で実施される)

  • デフォルトの場合

    1. バックアップボリュームのマウントを解除します。

    2. バックアップボリュームのロックを解除します。

    3. 前処理でメンテナンスモードをONにした場合、バックアップボリュームの属する物理ディスクリソースのメンテナンスモードをOFFにします。

  • -Xflushオプションを指定しない、かつ、BufferFlushOnly=offの場合

    1. 業務ボリュームのロックを解除します。

    2. バックアップボリュームのマウントを解除します。

    3. バックアップボリュームのロックを解除します。

    4. 前処理でメンテナンスモードをONにした場合、バックアップボリュームと業務ボリュームの属する物理ディスクリソースのメンテナンスモードをOFFにします。


表A.2 Symfoware連携バックアップ運用の場合の前後処理

契機

内容

同期処理開始の前処理

  1. WSFC運用の場合、バックアップボリュームの属する物理ディスクリソースのメンテナンスモードをONにします(1つのディスクに1つのパーティションが存在する構成、かつ、バックアップ実行前にメンテナンスモードがOFFであるときだけ)。

  2. バックアップボリュームをロックします。

同期処理開始の後処理

  • WSFCの場合

    1. バックアップボリュームのマウントを解除します。

    2. バックアップボリュームのロックを解除します。

  • WSFCでない場合

    処理を実施しません。

バックアップの前処理

  • スナップショット型バックアップの場合

    1. WSFC運用の場合、バックアップボリュームの属する物理ディスクリソースのメンテナンスモードをONにします(1つのディスクに1つのパーティションが存在する構成、かつ、バックアップ実行前にメンテナンスモードがOFFであるときだけ)。

    2. バックアップボリュームをロックします。

    3. 業務ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュします。

  • 同期型バックアップの場合

    • WSFCのとき

      1. バックアップボリュームをロックします。

      2. 業務ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュします。

    • WSFCでないとき

      業務ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュします。

-Xflushオプション指定の有無、またはBufferFlushOnlyの値に関係なく、業務ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュします。

バックアップの後処理

  1. バックアップボリュームのマウントを解除します。

  2. バックアップボリュームのロックを解除します。

  3. 前処理でメンテナンスモードをONにした場合、バックアップボリュームの属する物理ディスクリソースのメンテナンスモードをOFFにします。

ユーザー固有の処理を前後処理に追加する場合は、その処理をバックアップ前後処理スクリプトに追加してください。

スクリプトは、JScript言語で記述されており、Windows Scripting Host(WSH)上で実行されます。

スクリプトをカスタマイズする場合は、以下のエラーコード規約に従ってください。

表A.3 エラーコード規約

エラーコード

用途

0~99

使用不可(AdvancedCopy Managerが予約)

100~255

使用可能

注意

後処理に失敗した場合、資源情報の整合性が不完全になっている可能性があるため、swstsrsemtchコマンドを実行してください。

以下に前後処理の動作イメージを示します。

図A.1 同期型バックアップ時の処理方法(業務ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュする場合)

図A.2 同期型バックアップ時の処理方法(業務ボリュームをロックする場合)