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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.5 運用ガイド
FUJITSU Storage

15.1.6 クラスタ運用でのバックアップ運用の注意事項

15.1.6.1 WSFCでクラスタ運用している場合

以下の注意事項があります。

メンテナンスモードについて

ボリュームがアクセス不可の場合、クラスタのリソースチェックによってフェイルオーバが発生することがあるため、物理ディスクリソースのメンテナンスモードをONにする必要があります。

以下の場合、バックアップ/リストア時にボリュームがアクセス不可になります。

AdvancedCopy Managerでは、以下の場合、バックアップ/リストアの前後処理でメンテナンスモードの自動設定を行います。

バックアップ/リストアの前後処理の詳細は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。


物理ディスクリソースのメンテナンスモードの設定を手動で行う場合は、以下の手順でバックアップ/リストアを実行します。

  1. 物理ディスクリソース(業務ボリューム/バックアップボリューム)のメンテナンスモードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <業務ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
    > cluster [ClusterName] res <バックアップボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  2. バックアップ/リストアを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swstbackup Device-Name
    Device-Name swstbackup completed
    >
  3. 物理ディスクリソース(業務ボリューム/バックアップボリューム)のメンテナンスモードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <業務ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off
    > cluster [ClusterName] res <バックアップボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

ポイント

物理ディスクリソースのメンテナンスモード状態を確認するためには、以下の構文を使用したコマンドを入力してください。

cluster [ClusterName] res DiskResourceName /maint
  • 「状態」が「オンライン」と表示される場合、メンテナンスモードは"OFF"になっています。

  • 「状態」が「オンライン(メンテナンス)」と表示される場合、メンテナンスモードは"ON"になっています。

15.1.6.2 SQL Serverデータベースでの注意事項

クラスタ運用でのSQL Serverデータベースのバックアップとリストアには、以下の注意事項があります。

SQL Serverバックアップ機能をWSFCで運用する場合は、以下を実施してください。

15.1.6.3 クラスタグループ停止時のバックアップとリストア

WSFCでクラスタ運用している場合

AdvancedCopy Managerが属するクラスタグループが稼働している場合、稼働ノードだけでバックアップ運用が可能です。待機ノードではバックアップ運用の環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、バックアップ運用を行うことはできません。同様に、クラスタグループが停止している場合も、環境が整っていないためにバックアップ運用を行うことはできません。

ただしクラスタグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、バックアップ運用を行うことができます。

注意

以下のリソースを起動(オンライン)できない場合、バックアップ運用ができません。

  • AdvancedCopy COM Service_logicalNodeName

  • IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が"AdvancedCopy IP Address_logicalNodeName"です)

  • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース

  • AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)

  • バックアップ運用ディスク(運用したい業務ボリューム/バックアップボリューム)

以下の手順で、クラスタグループ停止中のバックアップ運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタグループが停止(offline)していることを確認します。
    クラスタグループの停止方法は、WSFCのマニュアルを参照してください。

  2. 運用に必要なリソースを起動(online)にします。
    以下のリソースを起動してください。

    • AdvancedCopy COM Service_logicalNodeName

    • IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が"AdvancedCopy IP Address_logicalNodeName"です)

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース

    • AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)

    • バックアップ運用ディスク(運用したい業務ボリューム/バックアップボリューム)

    注意

    • リソースの起動は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じリソースを起動しないでください。

    • AdvancedCopy COM Service_logicalNodeNameと業務ディスクは依存関係が設定されているため、AdvancedCopy COM Service_logicalNodeNameを起動すると依存関係のあるディスクリソースがすべて起動されます。

    • リソースの起動方法は、WSFCのマニュアルを参照してください。

  3. 環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。
    環境変数の設定方法は以下のとおりです。

    <実行例>

    set SWSTGNODE=logicalNodeName
  4. バックアップ運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、バックアップ運用を行うことができます。

  5. 手順2で起動したリソースをすべて停止(オフライン)します。
    リソースの停止方法は、WSFCのマニュアルを参照してください。

  6. クラスタグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタグループを起動します。
    クラスタグループの起動方法は、WSFCのマニュアルを参照してください。