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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.5 運用ガイド
FUJITSU Storage

4.1.1 概要

AdvancedCopy Managerは、ETERNUS ディスクアレイのディスクボリュームに配置されたSymfowareのデータベーススペースを、業務ボリュームとして管理します。

そのため、AdvancedCopy Managerでは、Symfowareのデータベースの格納構造を意識せずに、データベーススペースという物理的に配置された構造で、バックアップ/リカバリーできます。

Symfowareは、管理対象サーバ内に配置されたデータベーススペースやロググループを、いろいろな業務の用途に合わせて、複数の動作環境を作成できます。この動作環境を、RDBシステム名という名前で区別します。AdvancedCopy Managerは、このRDBシステム名を基に、動作環境内のデータベースの表間のリレーションの整合性を破壊することなく、バックアップ/リカバリーします。

Symfowareの概要全般は、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。

図4.1 機能概要

4.1.1.1 バックアップ

AdvancedCopy Managerでは、Symfowareのデータベーススペースを、データベーススペース単位またはロググループ単位で、バックアップできます。

AdvancedCopy Managerでは、バックアップ対象とするデータベーススペースが配置されているパーティションを業務ボリュームとします。

データベーススペース単位のバックアップでは、その業務ボリュームをバックアップ退避先ボリューム(バックアップボリューム)にバックアップします。

ロググループ単位のバックアップでは、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースをそれぞれ業務ボリュームとして定義し、そのすべての業務ボリュームをバックアップします。

注意

ロググループ単位でバックアップする場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているパーティションを、業務ボリュームとして登録しておく必要があります。1つでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップできず、データベースのリカバリー時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。

AdvancedCopy Managerは、バックアップ時に、データベースのリカバリーに必要なデータを格納したリカバリ制御ファイルを作成し、バックアップした世代ごとに管理します。

4.1.1.2 リカバリー

AdvancedCopy Managerでは、Symfowareのデータベーススペース単位またはロググループ単位でデータベーススペースをリカバリーできます。複数のデータベーススペースに対して同時にリカバリーを行う場合の注意事項は、swstrestoreコマンドを参照してください。

AdvancedCopy Managerのリカバリーは、次のように処理します。

  1. 適切なリカバリ制御ファイルとバックアップボリュームを選択します。

  2. バックアップボリュームを業務ボリュームへ複写します。

  3. 最新の状態または特定の時点へ復旧する場合、リカバリ制御ファイルを基に、アーカイブログを適用します。

ポイント

アーカイブログファイルにアーカイブログがいっぱいになると、Symfowareのコマンドや、データベーススペースを使用する利用者のアプリケーションが無応答になるため、アーカイブログを外部媒体に退避することがありますが、AdvancedCopy Managerは、外部媒体に保管したアーカイブログ退避ファイル名を書いたファイル(アーカイブログ退避先名が列挙されたファイル)を指定してリカバリーできます。

注意

『アーカイブログ退避先名が列挙されたファイル』に指定したファイルに、MT(テープ媒体)に退避されたアーカイブログ退避ファイルを記述した場合は、リカバリーできません。

また、リカバリー時は、swstsvrsetコマンドで指定した作業ディレクトリを使用します。

注意

AdvancedCopy ManagerでバックアップしたSymfowareのデータベーススペースは、AdvancedCopy Managerでリカバリーする必要があるため、バックアップボリュームをテープなどの二次媒体に退避しても二次媒体から直接リカバリーできません。

アーカイブログの退避運用

アーカイブログを退避する運用の場合、データベーススペースのリカバリーに必要な退避アーカイブログの対応を知る必要があります。AdvancedCopy Managerは、そのために必要なロググループ単位に行われるアーカイブログ退避処理と、データベーススペース単位に行われるバックアップ/リカバリーの対応を管理します。データベースの管理者は、単純にアーカイブログ退避状況の記録だけを行えばよくなります。具体的な運用として、アーカイブログの退避作業をシェルスクリプト化し、管理対象サーバ上のファイルに履歴を記録する形態を推奨します。

図4.2 アーカイブログ退避運用