セカンダリノードでのカスタマイズ手順を説明します。
以下の手順で、セカンダリノードで使用する汎用スクリプトを準備してください。
セカンダリノードのETERNUS SF Managerのプログラムディレクトリ配下に、「4.1 カスタマイズ項目の確認」で作成した汎用スクリプトファイルを格納します。
格納した汎用スクリプトファイルのアクセス権を設定します。
格納した汎用スクリプトファイルを fileName に指定して、以下のコマンドを実行してください。
>cacls fileName /P "NT AUTHORITY\SYSTEM:F" "BUILTIN\Administrators:F"
例
コマンド実行例は、以下のとおりです。
C:\ETERNUS_SF>cacls apache.vbs /P "NT AUTHORITY\SYSTEM:F" "BUILTIN\Administrators:F" よろしいですか (Y/N)?y 処理ファイル: C:\ETERNUS_SF\apache.vbs
QuorumディスクとETERNUS SF Managerが使用する共有ディスクの所有権および業務の所有権を獲得します。
所有権の獲得方法は、使用しているクラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。
エクスプローラなどで、以下のディレクトリ名を変更します。
<プログラムディレクトリ>、<環境設定ディレクトリ>、<作業用ディレクトリ>とは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」、「環境設定ディレクトリ」、「作業用ディレクトリ」です。
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\apache\conf
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\apache\logs
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\tomcat\conf
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\tomcat\logs
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\tomcat\webapps\esf\WEB-INF\log
<環境設定ディレクトリ>\Common\etc\db
<環境設定ディレクトリ>\Common\etc\message
<環境設定ディレクトリ>\ESC\Manager\etc
<環境設定ディレクトリ>\AST\Manager\etc\opt\FJSVssast\data
<作業用ディレクトリ>\Common\var
<作業用ディレクトリ>\ESC\Manager\var
<作業用ディレクトリ>\AST\Manager\var\opt\FJSVssast\data
注意
上記ディレクトリ配下のファイルをほかのプログラムが使用している場合、ディレクトリ名の変更に失敗することがあります。
ディレクトリ名の変更に失敗したときは、サーバを再起動してから再実行してください。
セカンダリノードで、共有データ用共有ディスクのディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。
セカンダリノードのローカルディスクにある以下のディレクトリから、共有ディスクのディレクトリに対するシンボリックリンクを作成してください。
リンク | ターゲット |
---|---|
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\apache\conf | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\apache\conf |
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\apache\logs | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\apache\logs |
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\tomcat\conf | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\tomcat\conf |
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\tomcat\logs | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\tomcat\logs |
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\tomcat\webapps\esf\WEB-INF\log | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\tomcat\webapps\esf\WEB-INF\log |
<環境設定ディレクトリ>\Common\etc\db | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\db |
<環境設定ディレクトリ>\Common\etc\message | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\message |
<環境設定ディレクトリ>\ESC\Manager\etc | <共有ディスクのESCデータ格納先ディレクトリ>\ESC\Manager\etc |
<環境設定ディレクトリ>\AST\Manager\etc\opt\FJSVssast\data | <共有ディスクのASTデータ格納先ディレクトリ>\AST\etc\data |
<作業用ディレクトリ>\Common\var | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\var |
<作業用ディレクトリ>\ESC\Manager\var | <共有ディスクのESCデータ格納先ディレクトリ>\ESC\Manager\var |
<作業用ディレクトリ>\AST\Manager\var\opt\FJSVssast\data | <共有ディスクのASTデータ格納先ディレクトリ>\AST\var\data |
シンボリックリンクは、Windowsのmklinkコマンドで作成できます。
例
<プログラムディレクトリ>\Common\sys\apache\confディレクトリから<共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\apache\confディレクトリへのシンボリックリンクを作成する例は、以下のとおりです。
>mklink /d <プログラムディレクトリ>\Common\sys\apache\conf <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\apache\conf
AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイルのバックアップディレクトリを作成します。
セカンダリノードで、以下のディレクトリを作成してください。
<プログラムディレクトリ>とは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。
<プログラムディレクトリ>\CCM\noncluster\bin
<プログラムディレクトリ>\CCM\noncluster\micc\sys
<プログラムディレクトリ>\CCM\noncluster\sys
AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイルをバックアップします。
セカンダリノードで、以下のファイルを、コピー先へコピーしてください。
コピー元ファイル | コピー先ファイル |
---|---|
<プログラムディレクトリ>\CCM\micc\sys\.install.sys | <プログラムディレクトリ>\CCM\noncluster\micc\sys\.install.sys |
<プログラムディレクトリ>\CCM\bin\.stxc_install.sys | <プログラムディレクトリ>\CCM\noncluster\bin\.stxc_install.sys |
<プログラムディレクトリ>\CCM\sys\sys.properties | <プログラムディレクトリ>\CCM\noncluster\sys\sys.properties |
注意
コピーしたファイルは、「第13章 運用管理サーバ業務のクラスタ環境削除」の作業を実施するときに必要です。
AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイルを編集します。
セカンダリノードで、以下のファイルの※1~※4のパス名を編集してください。
[<プログラムディレクトリ>\CCM\micc\sys\.install.sysファイル]
stxs_optdir= (ここの設定は修正しないでください) stxs_etcdir= (ここの設定は修正しないでください) stxs_vardir=※1 stxs_jredir= (ここの設定は修正しないでください)
[<プログラムディレクトリ>\CCM\bin\.stxc_install.sysファイル]
stxc_optdir= (ここの設定は修正しないでください) stxc_etcdir=※2 stxc_jredir= (ここの設定は修正しないでください)
[<プログラムディレクトリ>\CCM\sys\sys.propertiesファイル]
com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.optpath= (ここの設定は修正しないでください) com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.etcpath=※3 com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.varpath=※4 com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.micc.path= (ここの設定は修正しないでください) com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.grapi.path= (ここの設定は修正しないでください) com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.language= (ここの設定は修正しないでください)
注意
※3および※4において、ドライブ名の区切り文字には「\:」を指定してください。
※3および※4において、<共有ディスクのCCMデータ格納先ディレクトリ>のパス区切り文字には「\\」を使用してください。
※1~※4の設定値は、以下のとおりです。
設定例は、<共有ディスクのCCMデータ格納先ディレクトリ>が"G:\ccmdata"の場合です。
設定箇所 | 設定値 | 設定例 |
---|---|---|
※1 | <共有ディスクのCCMデータ格納先ディレクトリ>\var\micc | G:\ccmdata\var\micc |
※2 | <共有ディスクのCCMデータ格納先ディレクトリ>\etc | G:\ccmdata\etc |
※3 | <共有ディスクのCCMデータ格納先ディレクトリ>\\etc\\ | G\:\\ccmdata\\etc\\ |
※4 | <共有ディスクのCCMデータ格納先ディレクトリ>\\var\\ | G\:\\ccmdata\\var\\ |
レジストリを編集します。
レジストリエディタを使用して、レジストリキーに記載されているライセンス管理機能のvarディレクトリのパスを、以下のように変更してください。
<作業用ディレクトリ>とは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「作業用ディレクトリ」です。
変更前 | 変更後 |
---|---|
<作業用ディレクトリ>\LM\var | <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\LM\var |
[レジストリキーの表示例]
HKEY_LOCAL_MACHINE SOFTWARE Fujitsu ETERNUS SF License Manager CurrentVersion VarPathName
共有ディスクにコピーしたETERNUS SF Managerのデータベース用ディレクトリに、アクセス権を設定します。
セカンダリノードで、以下のコマンドを実行してください。
>cacls <共有ディスクの共通データ格納先ディレクトリ>\db\data /T /G "esfpostgres:C" /E
以下の手順で、セカンダリノードのセットアップを実施してください。
注意
作業は、Administrator権限を持つユーザーで実施してください。なお、ドメインのAdministratorsに所属したユーザーで実施する場合は、Windowsサービスの「Computer Browserサービス」が開始されている必要があります。
Windows Server 2012以降の場合は、事前に「フェールオーバー クラスター コマンド インターフェイス」をインストールしてください。
Telnetサーバーサービスを利用して作業を行うと、不具合が発生します。Telnetサーバーサービスは利用しないでください。
クラスタセットアップの開始を指示します。
セカンダリノードで、以下のクラスタセットアップコマンドを実行してください。
<プログラムディレクトリ>とは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。
<プログラムディレクトリ>\ACM\bin\stgclset_mscs
ノード種別と共有ディスクを選択します。
クラスタセットアップコマンドの初期画面が表示されます。
各項目の説明は以下のとおりです。必要事項を入力したあと、[OK]ボタンをクリックしてください。
項目 | 説明 |
---|---|
サーバ種別 | 「Storage管理サーバ」が表示されます。 |
ノード種別 | 「セカンダリノード」を選択してください。 |
物理ディスクリソース | 共有データ用共有ディスクのディスクリソースを選択してください。 |
ドライブ | 物理ディスクリソースに対応したドライブ文字が表示されます。 |
必要なディスク容量 | AdvancedCopy Managerのクラスタ環境に必要な最小のディスク容量が表示されます。 |
空きディスク容量 | 指定したドライブの空き容量が表示されます。 |
セカンダリノードのクラスタ情報を確認します。
プライマリノードで設定した値が表示されます。ノード種別だけは「セカンダリノード」と表示されます。
各項目の内容を確認してから、[OK]ボタンをクリックしてください。
ポート番号・サービスを設定します。
[ポート番号・サービス設定/解除コマンド]画面に、プライマリノードで設定した値が表示されます。ただし、設定済みの場合は表示されません。
[OK]ボタンをクリックしてください。
ポート番号・サービス設定が完了します。
[OK]ボタンをクリックしてください。
セカンダリノードのクラスタセットアップを終了します。
クラスタセットアップの完了画面が表示されるので、[OK]ボタンをクリックしてください。