ここでは、オーバーコミット定義ファイルについて説明します。
オーバーコミット定義ファイルでは、以下の設定を行います。
オーバーコミットで使用するVMプールの設定
オーバーコミットで使用するVMプールに対する空き容量の計算方法の指定
ストレージプールに対するシン・プロビジョニング属性の設定
ポイント
本機能はFUJITSU Software ServerView Resource Orchestrator V3.0.0とV2.3の互換性を目的としています。旧バージョンからの互換以外では使用しないでください。
また、将来のバージョンでは提供されなくなる可能性があるため、以下の手順で新しい指定形式に移行してください。
オーバーコミット属性設定の移行
rcxmigrate_ocコマンドを実行します。
rcxmigrate_ocコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.2 rcxmigrate_oc」を参照してください。
定義ファイルから、以下のキーと値を削除します。
over_commit
over_commit_calculate_by_reserve_value
シン・プロビジョニング属性設定の移行
定義ファイルから、以下のキーと値を削除します。
thin_provisioning
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
pool.rcxprop
over_commit=pool1,pool2,... |
オーバーコミットで使用するVMプールを指定します。
VMプール名は、複数指定できます。複数指定する場合、カンマ(",")区切りで指定してください。
階層化されたVMプール名は、絶対パスで指定してください。
オーケストレーションツリー直下のVMプールは、VMプール名だけ指定してください。
例
over_commit=VMPool,/folder1/VMPool
ポイント
オーバーコミットを使用するL-Serverと使用しないL-Serverを作成する場合、オーバーコミットで使用するVMプールと使用しないVMプールの両方を作成する必要があります。
定義ファイルの編集後は、RORコンソールの[リソース]タブで、リソースプールのリソース詳細表示やリソースプールの一覧表示を行い、リソースプールの属性に反映されていることを確認します。
オーバーコミットで使用するVMプールに対する空き容量の計算方法を指定します。
以下のどちらかを指定できます。
予約値で換算する場合
"true"を指定します。
上限値で換算する場合
"false"を指定します。
以下の場合、"false"が指定されます。
"over_commit_calculate_by_reserve_value"の指定を省略した場合
無効な値を指定した場合
例
over_commit_calculate_by_reserve_value=true
シン・プロビジョニングの属性を設定するストレージプール名を設定します。
ストレージプールは複数指定できます。複数指定する場合、カンマ(",")区切りで指定します。
階層化されたストレージプールは、フォルダー名も含めて絶対パスで指定します。
オーケストレーションツリーの直下のストレージプールは、ストレージプール名だけ指定します。
例
thin_provisioning=StoragePool,/folder/StoragePool
注意
ストレージプールのシン・プロビジョニング属性の設定は、ストレージプールを作成した時点で決まります。
ストレージプール作成時に設定された定義ファイルを読み込み、thin_provisioningキーが指定されている場合、シン・プロビジョニングの属性が設定されたストレージプールとして作成されます。
thin_provisioningキーが指定されていない場合、シン・プロビジョニングの属性が設定されていないストレージプールとして作成されます。
ストレージプールの作成後、以下の操作を実行しても、作成済みのストレージプールのシン・プロビジョニング属性の設定または設定解除はできません。
thin_provisioningキーの値の変更
ストレージプール名の変更
シン・プロビジョニングの属性が設定されたストレージプールを作成する場合、事前に設定ファイルのthin_provisioningキーに、作成予定のストレージプール名を指定しておく必要があります。
ここでは、VMプール属性表示制御定義ファイルについて説明します。
ポイント
本機能は、ROR V3.0.0との互換性を目的としています。
ROR V3.0.0からアップグレードを行った場合、rcxadm pool list -extend attributesコマンドの実行に対して、V3.0.0との互換性を維持するため、VMプール属性表示制御定義ファイルが作成されます。
VMプールの"ATTRIBUTES"項目を表示する場合は、VMプール属性表示制御定義ファイルの削除を行ってください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
cli_notlist_oc.rcxprop
定義ファイルが存在する場合
rcxadm pool list -extend attributesコマンドの実行時、VMプールの"ATTRIBUTES"項目は表示されません。
定義ファイルが存在しない場合
rcxadm pool list -extend attributesコマンドの実行時、VMプールの"ATTRIBUTES"項目は表示されます。
ここでは、RORコンソールの[リソース]タブにおける、ツリーの表示順の設定方法について説明します。
RORコンソール[リソース]タブのツリーにおいて、V3.1.0では、旧バージョンと異なり、名前の昇順でリソースが表示されます。
旧バージョンと同様に、リソースの登録順または作成順で表示させる場合、以下の定義ファイルを設定してください。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
gui_config.rcxprop
RESOURCE_TREE_SORT_ORDER=RESOURCE_TREE_ORDER
RESOURCE_TREE_ORDER
同一リソース種別での表示順序を指定します。
リソースの名前の昇順で表示されます。
リソースの登録順または作成順で表示されます。
注意
定義ファイルを編集したあと、設定を有効にするためには、マネージャーの再起動を行います。
サーバツリーに表示されるブレードサーバなど、一部のリソースの表示順序は変更できません。
ここでは、L-Platform API“GetLPlatformConfiguration”のサーバ状態(lserverStatus)について、説明します。
L-Platform API“GetLPlatformConfiguration”のサーバ状態(lserverStatus)が返却されないように修正されました。
変更内容
L-Platform API“GetLPlatformConfiguration”の仕様では、サーバ状態(lserverStatus)はレスポンスに含まれませんが、障害のため返却されていました。V3.1.1A以降では、サーバ状態がレスポンスに含まれなくなります。
対処方法
L-Platform API“GetLPlatformConfiguration”を利用し、レスポンスにサーバ状態が含まれていることを期待している場合は、以下の定義ファイルを編集してください。
定義ファイルをエディタで開きます。
定義ファイルは、以下に格納されています。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\RCXCFMG\config\api_config.xml
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVcfmg/config/api_config.xml
定義ファイルの以下の項目を設定します。
キー名
getlplatformconfiguration-lservestatus
設定値
true: サーバ状態を返却する
false: サーバ状態を返却しない(デフォルト)
ファイルを保存します。
マネージャーを再起動します。
マネージャーの再起動については、「運用ガイド CE」の「2.1 マネージャーの起動と停止」を参照してください。