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PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド 4.4
FUJITSU Software

B.5.1 管理OSにGLSを導入する場合

Windows Server 2012、またはWindows Server 2012 R2の環境において、GLSの仮想アダプターをHyper-Vの仮想スイッチマネージャーに登録し、Hyper-V環境のネットワークを二重化する場合に適した構成です。

構成

図B.7 管理OSにGLSを導入する構成

注意

本構成は、Windows Server 2016の環境では使用できません。

設定手順

図B.7の構成を例に設定手順を示します。

  1. 物理アダプターを設定します。

    詳細は、“3.4.2 物理アダプターの設定(事前作業)”を参照してください。

  2. 仮想アダプターを設定します。

    hanetconfigコマンドを実行して、物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を束ねるHyper-V用の仮想アダプター(sha0)を作成します。

    > hanetconfig create -n sha0 -t "イーサネット 1","イーサネット 2" -v hv
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.
  3. ping監視を設定します。

    以下を指定して、hanetpollコマンドを実行します。

    イーサネット 1が運用時の監視先:192.168.2.10、192.168.2.20
    イーサネット 2が運用時の監視先:192.168.2.10、192.168.2.20

    > hanetpoll create -t "イーサネット 1" -p 192.168.2.10,192.168.2.20
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.
    > hanetpoll create -t "イーサネット 2" -p 192.168.2.10,192.168.2.20
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.

    参考

    通信相手システムをping監視先に設定する場合、監視先で異常が検出されたときに、ネットワークアダプターを切替えないように動作を指定できます。
    以下に、ネットワークアダプターの切替えを行わない場合の例を示します。

    > hanetpoll create -t "イーサネット 1" -p 192.168.2.2 -f no
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.
    > hanetpoll create -t "イーサネット 2" -p 192.168.2.2 -f no
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.

    hanetpollコマンドの詳細は、“6.2.5 hanetpoll”を参照してください。

  4. 仮想アダプターを活性化させます。

    strhanetコマンドを実行して、仮想アダプターを活性化させます。

    > strhanet
    FJSVhanet: INFO: 00007: Start the ping monitoring using the hanetpoll command if needed.
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.
  5. Hyper-Vの仮想スイッチに仮想アダプター(sha0)を登録します。

    1. [スタート]メニューの[管理ツール]メニューから、[Hyper-V マネージャー]を選択します。
      [サーバーマネージャー]の[ツール]から[Hyper-V マネージャー]を選択することもできます。

    2. [Hyper-V マネージャー]画面から、[仮想スイッチ マネージャー]を選択します。

    3. [新しい仮想ネットワーク スイッチ]から、[外部]を選択して[仮想スイッチの作成]ボタンをクリックします。

    4. 新しい仮想スイッチとして、仮想アダプター(sha0) (接続の種類:FUJITSU PRIMECLUSTER GLS Network Miniport Driver)を選択し、[適用]ボタンをクリックします。

      注意

      [管理オペレーティングシステムにこのネットワークアダプターの共有を許可する]チェックボックスでは、仮想スイッチに接続しているネットワークアダプターを、管理OSで共有するかどうかの選択ができます。

      • チェックボックスをチェックした場合

        管理OSで、仮想スイッチに接続しているネットワークアダプターの設定ができます。

        この場合、Hyper-Vの仮想スイッチ マネージャーによって、GLSの仮想アダプター上にアダプターが生成されます。生成されたアダプターにIPアドレスを設定することにより、ping監視が利用できます。

      • チェックボックスをチェックしなかった場合

        管理OSで、仮想スイッチに接続しているネットワークアダプターの設定ができません。

        この場合、ネットワークアダプターは、仮想マシン専用として認識されます。そのため、Hyper-Vの仮想スイッチ マネージャーによって、GLSの仮想アダプター上にアダプターが生成されず、ping監視が利用できません。

      詳細は、Hyper-Vのマニュアルを参照してください。

  6. Hyper-Vの仮想スイッチマネージャーによって、仮想アダプター(sha0)上に生成されたアダプター(イーサネット 3)にIPアドレスを手動で設定します。

    IPアドレスの設定方法については、OSのマニュアルを参照してください。

  7. 管理OSまたはGLSサービスを再起動します。

    GLSサービスの再起動方法は、“B.3.2.1 管理OSまたはGLSサービスの再起動”を参照してください。

    管理OSまたはGLSサービスの再起動時にping監視が開始されます。

  8. ゲストOS1に仮想アダプター(sha0)をVLAN ID2として登録します。

    1. [Hyper-V マネージャー]から、ゲストOS1の設定画面を開きます。

    2. [ハードウェアの追加]から[ネットワークアダプター]を選択し、[追加]ボタンをクリックします。

    3. [仮想スイッチ]に仮想アダプター(sha0)を選択し、[仮想LAN IDを有効にする]をチェックします。
      [VLAN ID]に“2”を入力して、[適用]ボタンをクリックします。

      詳細は、Hyper-Vのマニュアルを参照してください。

  9. ゲストOS1上のアダプター(イーサネット 1)にIPアドレスを手動で設定します。

    ゲストOSの起動方法については、Hyper-Vのマニュアルを参照してください。

    IPアドレスの設定方法については、OSのマニュアルを参照してください。

  10. ゲストOS2に仮想アダプター(sha0)をVLAN ID3として登録します。

    設定については、手順8、手順9を参照してください。

  11. Hyper-V用のスクリプトを設定します。

    > copy "GLSインストールフォルダー\usr\script\adapter\hyperv.sam" "GLSインストールフォルダー\usr\script\adapter\sha0.bat"

    詳細は、“B.3.2.2 ネットワーク切替え時の通信再開”を参照してください。

参考

運用開始後、GLSの仮想アダプターを非活性化する場合は、Hyper-Vの設定からGLSの仮想アダプターを削除した後、stphanetコマンドを実行してください。