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PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド 4.4
FUJITSU Software

6.2.2 hanetconfig

仮想アダプターの構成定義を設定/削除/表示するには、hanetconfigコマンドを使用します。hanetconfigコマンドは、以下の表に示すサブコマンドを使用して実行します。

表6.4 hanetconfigコマンドのサブコマンド

サブコマンド

処理概要

実行権限

create

構成情報の作成

Administrators

delete

構成情報の削除

Administrators

print

構成情報の表示

AdministratorsまたはUsers

version

バージョン情報の表示

AdministratorsまたはUsers

6.2.2.1 create

GLSを使用するには、仮想アダプターの構成情報を作成する必要があります。構成情報の作成には、createサブコマンドを使用します。

形式

hanetconfig create -n vadapter -t adapter1[,adapter2] [-v {vlanid|hv}] [-a {macaddr|phy}]

機能説明

仮想アダプターの構成情報を作成します。

オプション

-n vadapter

新規に作成する構成情報の仮想アダプター名を指定します。最大16個まで指定できます。

仮想アダプター名は、“sha”で始まる文字列に、数値(0~15)を付加した形式で指定してください。先頭に0が付く数値は指定できません(“sha0”を除く)。この形式以外を指定した場合、メッセージが出力され、本コマンドは終了します。

仮想アダプター名の指定例を以下に示します。

-t adapter1[,adapter2]

仮想アダプターによって束ねられる物理アダプターの名前をコンマ(,)で区切って指定します。物理アダプター名に空白を含む場合、ネットワークアダプター名をダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。なお、物理アダプター名の“イーサネット”または、“ローカル エリア接続 ”の文字列を省略して指定することもできます。

省略しない場合(通常指定)

> hanetconfig create -n sha0 -t "イーサネット 1","イーサネット 2"

省略する場合

> hanetconfig create -n sha0 -t 1,2

以下に、Windows上で表示されるアダプター名と、GLSのコマンドでの省略形を示します。

表6.5 Windows上でのアダプター名とGLSのコマンド指定時の省略形

Windows上でのアダプター

GLSのコマンド指定時の省略形

“イーサネット”または、“イーサネット 0”

0

“イーサネット 1”

1

“イーサネット 2”

2

物理アダプターの一覧は、コントロールパネルの[ネットワーク接続]画面から取得できます。また、Windowsのipconfigコマンドを使用して取得することもできます。

-v {vlanid | hv}

タグVLANを使用して物理アダプターを複数の仮想アダプターで共有する場合に、仮想アダプターのVLAN IDを設定します。vlanidには、1~4095までの値が指定できます。それ以外のvlanidを指定すると、本コマンドはエラーメッセージを出力して終了します。
なお、同じvlanidをもつ仮想アダプターを設定することはできません。

Hyper-V 環境において、仮想アダプターを仮想スイッチマネージャーに登録して使用する場合は、“hv”を指定します。“hv”を指定した場合、他の仮想アダプターが束ねる物理アダプターと共有することはできません。

-a {macaddr | phy}

仮想アダプターに付加するMACアドレスを設定します。macaddrには、仮想アダプターに付加するMACアドレスを直接指定します。

通常、GLSは仮想アダプターのMACアドレスを物理アダプターのMACアドレスを元に自動生成するため、macaddrの指定は不要です。ただし、指定する必要がある場合は、同一セグメントで重複しないMACアドレスを選択してください。

指定できるMACアドレスの形式は以下のとおりです。

XX-XX-XX-XX-XX-XX

XXには16進数を指定し、それぞれをハイフン(-)で区切ります。

仮想アダプターのMACアドレスに、プライマリアダプターのMACアドレスを自動的に設定する場合、“phy”を指定します。“phy”を指定した場合、NICを共有する他の仮想アダプターには、“phy”が設定できません。

注意

マルチキャスト、ブロードキャスト用のMACアドレスは指定できません。

注意事項

使用例

例1

物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を束ねてVLAN IDを使用しない仮想アダプター(sha0)を設定します。

> hanetconfig create -n sha0  -t "イーサネット 1","イーサネット 2"

例2

物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を束ねて、VLAN IDが2の仮想アダプター(sha0)を設定します。

> hanetconfig create -n sha0 -v 2  -t "イーサネット 1","イーサネット 2"

例3

物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を共有して、VLAN ID(2)を使用した仮想アダプター(sha0)とVLAN ID(3)を使用した仮想アダプター(sha1)を設定します。

> hanetconfig create -n sha0 -v 2 -t "イーサネット 1","イーサネット 2"
> hanetconfig create -n sha1 -v 3 -t "イーサネット 1","イーサネット 2"

例4

物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を共有して、VLAN ID(2)を使用した仮想アダプター(sha0)とタグVLANを使用しない仮想アダプター(sha1)を設定します。

> hanetconfig create -n sha0 -v 2 -t "イーサネット 1","イーサネット 2"
> hanetconfig create -n sha1 -t "イーサネット 1","イーサネット 2"

例5

物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を束ねる仮想アダプター(sha0)に対して、MACアドレス(02-01-01-01-01-01)を手動で設定します。

> hanetconfig create -n sha0  -t "イーサネット 1","イーサネット 2" -a 02-01-01-01-01-01

例6

物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を束ねる仮想アダプター(sha0)に対して、プライマリアダプター(イーサネット 1)のMACアドレスを設定します。

> hanetconfig create -n sha0 -t "イーサネット 1","イーサネット 2" -a phy

7

“イーサネット ”を省略して、物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を束ねてVLAN IDを使用しない仮想アダプター(sha0)を設定します。

> hanetconfig create -n sha0  -t 1,2

8

物理アダプター(イーサネット 1とイーサネット 2)を束ねて、Hyper-V環境の仮想アダプターとして設定します。

> hanetconfig create -n sha0 -v hv -t "イーサネット 1","イーサネット 2"

6.2.2.2 delete

仮想アダプターの構成情報を削除するには、deleteサブコマンドを使用します。

形式

hanetconfig delete -n {vadapter|all}

機能説明

仮想アダプターの構成情報を削除します。

オプション

-n vadapter

削除する構成情報の仮想アダプター名を指定します。

-n all

すべての仮想アダプターを削除する場合に指定します。

使用例

1

仮想アダプター(sha0)を削除します。

> hanetconfig delete -n sha0

例2

すべての仮想アダプターを削除します。

> hanetconfig delete -n all

6.2.2.3 print

作成した仮想アダプターの構成内容を表示するにはprintサブコマンドを使用します。

形式

hanetconfig print [-d]

機能説明

仮想アダプターが束ねている物理アダプター名やVLAN IDなどの仮想アダプターの構成情報を表示します。オプションを指定すると、VLAN IDとMACアドレスを表示できます。

オプション

-d

MACアドレスなどの仮想アダプターの情報を表示します。

出力形式

-dオプション省略時の形式

> hanetconfig print
 Name    VID  Adapters
+-------+----+----------------------------------------------------------------+
 sha0    ---- イーサネット 1,イーサネット 2
 sha1    2    イーサネット 3,イーサネット 4
 sha2    1021 イーサネット 3,イーサネット 4
 sha3    hv   イーサネット 5,イーサネット 6

以下に出力項目の意味を示します。

表6.6 出力項目と意味

出力項目

内容

Name

仮想アダプター名

VID

タグVLAN情報

----

タグVLANを使用しない通信を行います。

1~4095

VLAN ID
タグVLANを使用した通信を行います。

hv

Hyper-Vの仮想スイッチマネージャーと連携して通信を行います。

Adapters

仮想アダプターが束ねている物理アダプターのリスト

-dオプション指定時の形式

> hanetconfig print -d
 Name    VID  MAC Address
+-------+----+-----------------------------------------------------------------+
 sha0    ---- Auto
 sha1    2    Auto
 sha2    1021 XX-XX-XX-XX-XX-XX
 sha3    hv   Auto
 sha4    ---- Physical

以下に出力項目の意味を示します。

表6.7 出力項目と意味

出力項目

内容

Name

仮想アダプター名

VID

タグVLAN情報

----

タグVLANを使用しない通信を行います。

1~4095

VLAN ID
タグVLANを使用した通信を行います。

hv

Hyper-Vの仮想スイッチマネージャーと連携して通信を行います。

MAC Address

MACアドレス

Auto

自動生成されたMACアドレスが仮想アダプターに割り当てられていることを示します。

XX-XX-XX-XX-XX-XX

仮想アダプターに手動で割り当てられたMACアドレスです。

Physical

プライマリアダプターのMACアドレスが仮想アダプターに割り当てられていることを示します。

使用例

例1

構成情報の表示例を以下に示します。

> hanetconfig print
 Name    VID  Adapters
+-------+----+----------------------------------------------------------------+
 sha0    ---- イーサネット 1,イーサネット 2
 sha1    2    イーサネット 3,イーサネット 4
 sha2    1021 イーサネット 5,イーサネット 6

例2

仮想アダプターの設定の詳細を表示します。

> hanetconfig print -d
 Name    VID  MAC Address
+-------+----+-----------------------------------------------------------------+
 sha0    ---- Auto
 sha1    2    Auto
 sha2    1021 02-01-01-01-01-01

6.2.2.4 version

GLSのプログラムのバージョンを表示するには、versionサブコマンドを使用します。

形式

hanetconfig version

機能説明

GLSのバージョンを表示します。

使用例

GLSのバージョン情報を表示します。

> hanetconfig version
HA-Net version 4.4A00