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PRIMECLUSTER Wizard 4.4 for SAP HANA(R) 導入運用手引書
FUJITSU Software

2.2.4 マルチティア(スタンバイ運用/待機活用+災対用ノード)のクラスタアプリケーションの構築

マルチティア(スタンバイ運用/待機活用+災対用ノード)のクラスタアプリケーションの設定について説明します。

2.2.2 スタンバイ運用(1:1 運用待機)のクラスタアプリケーションの構築”または、“2.2.3 待機活用(1:1 運用待機+1運用)のクラスタアプリケーションの構築”を参照し、クラスタアプリケーションの構築を実施してください。その後、災対サイトのクラスタシステムにクラスタアプリケーションを構築してください。

注意

2.1 ソフトウェアのインストールと設定”と”2.2.1 PRIMECLUSTER Wizard for SAP HANA の設定”は、災対用ノードを含む全クラスタノードで必要です。

図2.5 マルチティアのクラスタアプリケーションの構築手順

2.2.4.1 スタンバイ運用/待機活用のクラスタアプリケーションの構築

2.2.2 スタンバイ運用(1:1 運用待機)のクラスタアプリケーションの構築”または、“2.2.3 待機活用(1:1 運用待機+1運用)のクラスタアプリケーションの構築”を参照し、クラスタアプリケーションの構築を実施してください。

2.2.4.2 災対用ノードのクラスタアプリケーションの構築

災対用ノードとして用意したシングルノードクラスタ構成にクラスタアプリケーションを構築します。

2.2.4.2.1 RMS Wizard の起動

RMS Wizard を起動するため、hvw コマンドを実行します。

configuration ファイル名を“testconf”として RMS Wizard を起動する例:

# /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvw -n testconf

参照

hvw コマンドの詳細は、“PRIMECLUSTER 活用ガイド <コマンドリファレンス編>”の hvw(1M) を参照してください。

2.2.4.2.2 クラスタアプリケーションの設定

ここでは、スタンバイ運用のクラスタアプリケーションを作成します。

参照

スタンバイ運用のクラスタアプリケーションを設定するための詳細な手順は、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“6.7.2.1スタンバイ運用のクラスタアプリケーション作成”を参照してください。

hvw コマンドのメニューから“Machines+Basics”を選択して、以下のようにパラメタを設定してください。

Machines+Basics の設定

パラメタ名

デフォルト

設定値

Machines[0]

(クラスタを構成するいずれかのノードの SysNode 名)

災対用クラスタノードの SysNode 名

PreCheckScript

(なし)

(なし)

PreOnlineScript

(なし)

(なし)

PostOnlineScript

(なし)

(なし)

PreOfflineScript

(なし)

(なし)

OfflineDoneScript

(なし)

(なし)

FaultScript

(なし)

(なし)

AutoStartUp

no

no [必須]

AutoSwitchOver

No

No

PreserveState

no

no

PersistentFault

0

1 [推奨]

ShutdownPriority

(なし)

(なし)

OnlinePriority

0

0

StandbyTransitions

No

ClearFaultRequest,StartUpを設定 [必須]

LicenseToKill

no

no

AutoBreak

yes

yes

AutoBreakMaintMode

no

no

HaltFlag

no

no

PartialCluster

0

0

ScriptTimeout

(なし)

(なし)

ポイント

  • AutoStartUp の設定は、no が必須です。yes に設定した場合、RMS 起動時にクラスタアプリケーションが自動で起動されます。このとき、クラスタアプリケーションの起動に失敗したり、SAP HANA のセカンダリシステムとして動作するはずのノードでクラスタアプリケーションが Online になってプライマリシステムとして起動される場合があります。

  • PersistentFault の設定は、1 を推奨します。0 を設定した場合、RMS 再起動時に Faulted 状態がクリアされているため、異常が発生していたことに気づかない可能性があります。

  • StandbyTransitions には、ClearFaultRequest と StartUp の両方を設定してください。これら以外の設定の場合、災対用ノードでSAP HANAセカンダリシステムが起動しない場合があります。

設定後の hvw コマンドのメニュー表示例は以下になります。

Machines+Basics (hanaprd:consistent)
 1) HELP
 2) -
 3) SAVE+EXIT
 4) REMOVE+EXIT
 5) AdditionalMachine
 6) AdditionalConsole
 7) Machines[0]=node3RMS
 8) (PreCheckScript=)
 9) (PreOnlineScript=)
10) (PostOnlineScript=)
11) (PreOfflineScript=)
12) (OfflineDoneScript=)
13) (FaultScript=)
14) (AutoStartUp=no)
15) (AutoSwitchOver=No)
16) (PreserveState=no)
17) (PersistentFault=1)
18) (ShutdownPriority=)
19) (OnlinePriority=)
20) (StandbyTransitions=ClearFaultRequest|StartUp)
21) (LicenseToKill=no)
22) (AutoBreak=yes)
23) (AutoBreakMaintMode=no)
24) (HaltFlag=no)
25) (PartialCluster=0)
26) (ScriptTimeout=)
Choose the setting to process:
2.2.4.2.3 リソースの設定

ここでは、クラスタアプリケーションに登録するリソースを設定します。

PRIMECLUSTER Wizard for SAP HANA ではCmdlineリソースを登録する必要があります。Glsリソースは、災対用ノードでSAP HANAプライマリシステムを引継ぐ際に、IPアドレスを活性化したい場合に設定してください。

Cmdline リソースは、本番サイトで作成したSAP HANAシステム(本稼動用)のCmdlineリソースと同じSAPシステムIDとSAP HANA システムのインスタンス番号で作成します。

Cmdlineリソースの設定については、動作環境毎に以下のように設定してください。

参照

Cmdlineリソース、Glsリソースの設定方法についての詳細は、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“6.7.3 リソースの設定”を参照してください。

2.2.4.2.4 Generate と Activate

Generate と Activate を行います。

Generate と Activate の操作は、作成したクラスタアプリケーションが正しいことを確認したあとに、実行してください。

参照

Generate と Activate についての詳細は、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“6.7.4 GenerateとActivate”を参照してください。

2.2.4.2.5 設定の確認

以下のコマンドを実行し、クラスタアプリケーションの設定に誤りがないかを確認します。

# /opt/FJSVhv-hn/bin/hvhdbchkconf
2.2.4.2.6 非本稼動 SAP HANA システムのクラスタアプリケーションの設定

非本稼動用SAP HANAシステムを災対用ノードで動作させる場合は、“2.2.3.2 待機ノードのクラスタアプリケーションの構築”の手順に従い、非本稼動用SAP HANA システムのためのクラスタアプリケーションを災対用ノード上で設定してください。