ここでは、PRIMECLUSTER Wizard for SAP HANA のクラスタアプリケーションの構築で使用するタイムアウト値の設定指針と、見積もり手順について説明します。
[設計指針]
タイムアウト値は、実機でのSAP HANA システムの起動・停止時間をもとに設定します。
[タイムアウト値]
PRIMECLUSTER Wizard for SAP HANA では以下のCmdline リソースのパラメタに設定するタイムアウト値が存在します。
hvhdb コマンドに指定するタイムアウト値
-t timeout_sec
SAP HANA システムの起動・停止のタイムアウト時間です。
-w wait_sec
SAP HANA(非本稼動用)クラスタアプリケーションのOffline処理を待ち合わせる時間を指定します。
ScriptTimeout
hvhdb コマンドのタイムアウト時間を秒で設定します。
CheckCommandTimeouts
SAP HANA の状態確認(CheckCommands[0]のhvhdbコマンド)がハングアップした場合に異常と判断するまでの時間を指定します。
hvhdb コマンドの-tオプションに指定したtimeout_secと同じか、それ以上の値を設定します。
[見積り手順]
各タイムアウト値を設定するための見積り手順は以下の通りです。
timeout_secの決定
全ノードのRMSを停止した状態で、プライマリシステムおよびセカンダリシステムのそれぞれのSAP HANA システムの起動・停止を行い、起動・停止にかかった時間を測定します。
測定した時間のうち、起動時間または、停止時間の長かった方の時間に + 30 (秒) を加えた時間を hvhdbコマンドの -t timeout_sec に設定します。
今後、DBサイズの増加に伴う起動・停止の時間増加が見込まれる場合は、更に大きい値を設定します。
wait_secの決定
待機活用の場合は、手順1.と同様に、SAP HANA システム(非本稼動用)の起動・停止を行い、起動・停止にかかった時間を測定します。
測定した時間のうち、起動時間または、停止時間の長かった方の時間に + 30 (秒) を加えた時間を hvhdbコマンドの-w wait_sec に設定します。
今後、DBサイズの増加に伴う起動・停止の時間増加が見込まれる場合は、更に大きい値を設定します。
ScriptTimeoutの決定
手順1.、手順2.で設定した timeout_sec と wait_sec の合計よりも大きい値を秒で設定します。目安は timeout_sec と wait_sec の合計値 + 30 (秒) です。
-w wait_sec を指定していない場合は、wait_sec を 0 (秒) として計算してください。
CheckCommandTimeoutsの決定
監視処理がハングアップした場合に、異常と判断する時間として、手順1.で設定した timeout_sec 以上の時間 (秒) を設定します。手順1.で設定した timeout_sec と同じ値でも問題ありません。