ここでは切替え実行後、切戻しを実行するまでの運用上の注意点について説明します。
段階的な切替えを継続して行うために、切替え情報格納フォルダーのディスクのレプリケーションを再開する場合
切替え情報格納フォルダーが存在するLUNを、ストレージ装置のレプリケーション機能によってサイト間でレプリケーションする運用の場合、再度の切替えに備え、以下の操作を切替え元サイトまたはレプリケーション設定サイトで実行してください。
切替え先サイトにて、「4.2.5 切替え情報格納フォルダーのマウント【切替え先サイト】」でマウントした"切替え情報格納フォルダー"のディスクをアンマウントします。
切替え元サイト、またはレプリケーション定義を行ったサイトにて、「4.2.4 ストレージのレプリケーションの停止【切替え元サイト、またはレプリケーション定義を実施したサイト】」で停止した、切替え元サイトから切替え先サイトへの"切替え情報格納フォルダー"のディスクのレプリケーションを再開してください。
例
マウントを解除する"切替え情報格納フォルダー"の例
【Windowsマネージャー】
Eドライブ
【Linuxマネージャー】
/DRImport
切替え元サイトが稼働している状態で、テナント切替えを行った場合
切替えていないテナントとの間で共有しているグローバルリソースや、L-Serverテンプレートなどのリソースについて、切替え元サイトと切替え先サイトに同じリソースが存在している場合があります。該当リソースの設定を変更する場合、両サイトのリソースに同じ変更を行ってください。
例えば、切替え先サイトでL-ServerテンプレートAを編集した場合、切替え元サイトのL-ServerテンプレートAに対してGUIまたはCLIで同じ編集を行ってください。
課金請求担当者が利用料金を請求する場合
以下の手順となります。
利用料金の請求
課金請求担当者は、インフラ管理者から送付された切替え元サイトの被災当月度の利用料金ファイルと切替え先サイトから送付される利用料金ファイルを元に、被災当月度の利用料金を算出し、テナントに請求します。算出手順は以下のとおりです。
利用料金詳細ファイルの取り出し
切替え元サイト、切替え先サイトの利用料金ファイルを解凍し、各L-Platformの利用料金詳細ファイルを取得します。利用料金詳細ファイルのファイル名は以下のようなフォーマットです。
詳細は、「運用ガイド CE」の「15.4.6.2 利用料金詳細ファイル」を参照ください。
yyyyMM_L-PlatformID.csv
定額商品の二重課金防止
各L-Serverに関して、イメージ、CPU、メモリのUsedFrequency列が"1ヶ月"と記述されている場合、定額商品であるため、切替え元サイトの利用料金詳細ファイルと切替え先サイトの利用料金詳細ファイルの金額(ItemAmount列)の安い方の行を削除してください。ディスクに関しては、切替え元サイトの利用料金ファイルにあるディスクのサイズとプールが同じものだけを削除してください。サイズとプールが同じディスクが複数ある場合は、それぞれ1行ずつ削除してください。定額商品がない場合、本作業は不要です。
利用料金詳細ファイルのマージ
L-Platformごとに、切替え元サイトの利用料金詳細ファイルの後ろに、切替え先サイトの利用詳細料金ファイルの3行目以降を複写します。
L-Platformの利用料金の算出
L-Platformの利用料金を算出します。利用料金詳細ファイルのItemAmount列の金額を合計します。
テナントの利用料金の算出
b.-d.の計算をすべてのL-Platformごとに行い、最後に全L-Platformの料金を合計します。
テナント切替えを実施した場合
L-Platformテンプレートには、以下の制限があります。
グローバルプール内のクローニングイメージを参照するイメージ情報は、使用できない場合があります。
グローバルプール内のネットワークリソースを参照するセグメント情報は、使用できない場合があります。
使用できないイメージ情報またはセグメント情報を使用しているL-Platformテンプレートを使用して利用申請すると配備に失敗します。
上記の使用できないテンプレート情報は、すべてのグローバルプール内のリソースを切り替えると、使用できるようになります。
Active-Active運用の切替えを行った場合
切替えのあとで、切替え元サイトから切替えられたリソースと、切替え先サイトにもともと存在するリソースを混在させないようにしてください。混在させた場合、切戻し時にリソースが見つからず、切戻しに失敗します。
リソースが混在するパターンとしては、以下のとおりです。
DRで切替えたテナントに対し、切替え先サイトにもともと存在するグローバルプールを関連付ける場合
切替え先サイトにもともと存在するテナントに対し、DRで切替えたグローバルプールを関連付ける場合
DRで切替えたグローバルプールに対し、切替え先サイトにもともと存在するリソースを移動する場合
切替え先サイトにもともと存在するグローバルプールに対し、DRで切替えたリソースを移動する場合
DRで切替えたリソースと、切替え先サイトにもともと存在するリソースを使用して、L-Platform/L-Serverを作成する場合
関係するリソースがどのサイトで作成されたものかを判別するため、リソース名の先頭にサイト名を付加することをお勧めします。
詳細は、「2.6.3 切替え元サイトと切替え先サイトで重複しない値を設定する項目」を参照してください。
ただし、切替えで作成されたリソースについては、名前を変更しないでください。
追加復旧の実施を予定している場合
切戻し操作後に、切替え元サイトで追加復旧を予定している場合、以下の操作を行わないでください。
切替え元サイトにおいて、追加復旧の対象となる以下のリソースが使用していたディスクの、VMホストまたは物理サーバからのアンマウント、または削除
L-Server
L-Platform
テナント
イメージリソース
切替え元サイトにおいて、追加復旧の対象となる以下のリソースが使用していたディスクの再利用
L-Server
L-Platform
テナント
イメージリソース
切替え先サイトにおいて、切替え範囲に含まれなかったL-Platformが配備時に使用したL-Platformテンプレートの編集および削除
ブレードシャーシ縮退構成で切替えを行った場合
ブレードシャーシ縮退構成で切替えを行った場合、切替え後に、必要に応じて以下の操作を行ってください。
縮退されるLANスイッチブレードを外部接続ポートとして使用するネットワークリソースは、切替え先サイトで当該ポートが指定されていない状態で作成されます。必要に応じて、ネットワークリソースの外部接続ポート設定を行ってください。
詳細は「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。
仮想L-Server切替え(VMゲスト)を行った場合、VM管理製品上で作成される仮想ネットワークが自動設定されているかを確認してください。仮想ネットワークが自動設定されていなかった場合、対象VMのVMプロパティに示された仮想ネットワークの情報を参照し、切替え元サイトと同じ名前の仮想ネットワークをVMホスト上に作成してください。
切替え元サイト復旧後に、レプリケーション対象のストレージプールに属するディスクのレプリケーションを再開する場合
仮想L-Server切替え(VMゲスト)の場合、切替え元サイトの復旧後、切替え先サイトに切り替えたリソースが使用していたデータストアについて、VM管理製品から参照できないようにしてください。詳細は、「3.1 セットアップのための事前準備」の「表3.1 ストレージ装置のレプリケーション」の「FC接続、iSCSI接続、またはNAS接続のLUN」を参照してください。
また、すべての切替え方式において、次回の切替えに備え、「4.2.4 ストレージのレプリケーションの停止【切替え元サイト、またはレプリケーション定義を実施したサイト】」で停止した切替え元サイトから切替え先サイトへの"レプリケーション対象のストレージプールに格納されたディスクリソース、仮想ストレージリソース"のディスクのレプリケーションを逆方向に開始してください。