切替え元サイトと切替え先サイトに対して、セットアップの事前準備を行います。
ストレージ装置のレプリケーション
ストレージ装置のレプリケーション機能を用いて切替え元サイトの情報を切替え先サイトにレプリケーションしてください。
レプリケーションの対象は、以下の情報を格納したLUNです。「表3.1 ストレージ装置のレプリケーション」を参照してください。
レプリケーション対象の情報 | 情報を格納するLUNの種類 | LUNの本数 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
切替え情報格納フォルダー (注1) | FC接続、iSCSI接続、またはNAS接続のLUN (注2) | 切替え元サイト | 2 (注3) | 「3.2 切替え情報格納フォルダーの作成」を参照してください。 切替え元サイトから切替え先サイト、切替え先サイトから切替え元サイトへ双方向に複製を実施します。それぞれにレプリケーション制御単位(コピーグループ)を設定してください。 |
切替え先サイト | 2 (注4) | |||
レプリケーション対象のストレージプール(注5)に格納された、ディスクリソースと仮想ストレージリソース | FC接続、iSCSI接続、またはNAS接続のLUN (注6、注7) | 切替え元サイト | レプリケーション対象のストレージプールに格納された、ディスクリソースと仮想ストレージリソースが使用しているLUNの数 | レプリケーションの制御単位(コピーグループ)は、切替えを実施する単位で設定してください。 |
切替え先サイト | 切替え元サイトと同数 (注8) |
注1) 切替え情報格納フォルダーを手動コピーする運用の場合、切替え情報格納フォルダーが存在するディスクのレプリケーションは不要です。切替え情報格納フォルダーを手動コピーする運用については、「4.1 通常運用」の「8. 切替え情報格納フォルダーの転送」を参照してください。
注2) Windowsマネージャーの場合、かつ、切替え情報を自動採取する設定(「3.7 切替え情報を自動採取する設定」を参照)の場合、NAS接続のLUNは使用できません。これは、切替え情報を自動採取するタスクが"ローカルシステムアカウント"で実行され、かつ、WindowsのOSの仕様により、"ローカルシステムアカウント"で実行されるサービスについてはネットワークドライブが参照できないように制限されるためです。
注3) 以下のLUNが必要です。
切替え元サイトの切替え情報格納フォルダー用のLUN
切替え先サイトの切替え情報格納フォルダー用のLUNに対する、レプリケーション先用のLUN
注4) 以下のLUNが必要です。
切替え先サイトの切替え情報格納フォルダー用のLUN
切替え元サイトの切替え情報格納フォルダー用のLUNに対する、レプリケーション先用のLUN
注5) レプリケーション対象のストレージプールに格納されているディスクリソースまたは仮想ストレージリソースを使用しているテナント、L-Platform、インフラ管理者用L-Server、イメージが、切替え先サイトへの切替え対象になります。「2.4 切替え範囲の限定と追加復旧」を参照ください。
注6) iSCSI接続とNAS接続のLUNは、仮想L-Server切替え(VMゲスト)で使用する場合だけサポートしています。
注7) 仮想L-Server切替え(VMゲスト)方式に利用するLUNの場合、レプリケーションを開始する前に、レプリケーション先のLUNが切替え先のVM管理製品上でデータストアとして認識されていないことを確認してください。
データストアとして認識されている場合、以下を行ってデータストアとして認識されない状態にしてください。
VMFSデータストアの場合
任意のVMホスト上で該当のデータストアを削除してください。
また、データストアを共有していたほかのVMホストでも、データストアが削除されたことを認識させてください。例: 各ホスト上でデータストアの再スキャンを実施
NFSデータストアの場合
各ホストから、該当のデータストアをアンマウントしてください。
操作の詳細はVMwareのマニュアルを参照してください。
注8) 切替え元サイトのレプリケーション対象のストレージプールに格納された、ディスクリソースと仮想ストレージリソースが使用しているLUNに対する、レプリケーション先用のLUNの数
図3.1 ストレージ装置のレプリケーション
ストレージのレプリケーションは、「運用ガイド CE」の「18.1.3 ストレージ筺体の高可用性」の機能を使用します。
Disaster Recoveryの運用ができるストレージは、事前に作成されたLUNまたはETERNUSのダイナミックLUNミラーリング(DLM)のストレージです。ストレージのレプリケーションの前提条件の詳細については、「設計ガイド CE」の「7.2 ストレージ筺体の高可用性の設計」を参照してください。
注意
ETERNUSのダイナミックLUNミラーリング(DLM)で作成されたLUNは、切替え元サイトから切替え先サイトに1度切り替えた時点で、事前に作成されたLUNとして扱われます。切戻し方法によっては、ダイナミックLUNミラーリング(DLM)で作成されたLUNとして扱われる場合もあります。詳細は、「4.4 切替え元サイト復旧後の切戻し」を参照してください。
事前に作成されたLUNでは、レプリケーションの設定が自動で行われないため、それ以降に切替えを行うためには事前に作成されたLUNのレプリケーションを設定する必要があります。
ダイナミックLUNミラーリング(DLM)で作成されたLUN、および事前に作成されたLUNについては、「設計ガイド CE」の「D.3 ストレージの事前準備」を参照してください。
切替え元サイトでは、切替え先サイトのディスクリソースが検出されている必要はありません。そのため、切替え先サイトのストレージ装置を切替え元サイトのサーバに接続する必要はありません。
レプリケーションソフトのパス設定
「3.7 切替え情報を自動採取する設定」を行う場合に必要な手順です。
なお、使用しているレプリケーションソフトがACM-CCM、snapmirrorの場合、本手順は必要ありません。
【Windowsマネージャー】
使用するレプリケーションソフトの種別によって、以下のパスをPATH環境変数に追加してください。この操作はレプリケーションソフトが存在するサーバで行ってください。
navisphere
<Navisphere CLI Installation Path>
例
C:\Program Files (x86)\EMC\Navisphere CLI
Solutions Enabler
<SYMCLI Installation Path>\bin
例
C:\Program Files (x86)\EMC\SYMCLI\bin
SYSTEMユーザーによる環境変数を有効にするため、OSを再起動してください。
【Linuxマネージャー】
使用するレプリケーションソフトの種別によって、以下のパスを"/etc/profile"ファイルの末尾に追加してください。この操作は本製品のマネージャーが存在するサーバ、およびレプリケーションソフトが存在するサーバで行ってください。
NaviSphere
PATH=$PATH:/opt/Navisphere/bin
SolutionsEnabler
PATH=$PATH:/usr/symcli/bin
コンソールで以下のコマンドを実行してください。
source /etc/profile |
物理L-Serverを作成する場合
「設計ガイド CE」の「付録D 物理L-Server作成のための事前準備」を参照してください。
サーバ仮想化ソフトウェアを利用して仮想L-Serverを作成する場合
「設計ガイド CE」の「付録E 仮想L-Server作成のための事前準備」を参照してください。ただし、VM管理製品は、切替え元サイトの物理L-Server上に構築する場合、切替え先サイト側では構築する必要はありません。
物理/仮想L-Server切替え(VMホスト/VMゲスト)でVMwareの仮想L-Serverを使用する場合
VMホストに対して以下のコマンドを入力し、複製されたLUNの検出を無効にしてください。
>esxcfg-advcfg -s 0 /LVM/DisallowSnapshotLUN <RETURN> |
注意
VMwareの仮想L-Server切替え(VMゲスト)を行う場合、複製されたLUNの検出を無効にしないでください。
参考
複製されたLUNの検出を無効にしたVMwareのVMホストでは、レプリケーションされたデータストアをスナップショットLUNとして検出する機能が無効化されます。その結果、ユーザーによるデータストア再署名(UUIDの変更)操作なしで、レプリケーションされたデータストアをVMホストに自動マウントできます。
複製されたLUNの検出を無効にしたVMwareのVMホストにおいて、複製されたLUNの検出を再度有効にする場合、VMホストに対して以下のコマンドを実行してください。
>esxcfg-advcfg -s 1 /LVM/DisallowSnapshotLUN <RETURN> |
詳細はVMwareのドキュメントを参照してください。
物理/仮想L-Server切替え(VMホスト/VMゲスト)でHyper-Vの仮想L-Serverを使用する場合
切替え先サイトの管理サーバにも、リモート管理の認証設定が必要です。
詳細は「設計ガイド CE」の「E.2.5 Hyper-V環境におけるセットアップの事前準備の概要」を参照してください。
仮想L-Server切替え(VMゲスト)でOVM for SPARCの仮想L-Serverを使用する場合
切替え元サイトと切替え先サイトに、BMC BladeLogic Server Automationを導入してください。
切替え対象のゲストドメインに使用されるディスクと、そのレプリケーションされたディスクについて、以下のように仮想ディスクサービスを設定し、ディスクリソースを登録してください。
"VDSサービス名+Volume名(ディスクリソースの属性)"を切替え元サイトと切替え先サイトで同一に設定する
切替え対象のVMプールから削減しないVMホスト(VMプール定義ファイルに記述するVMホスト)すべてに対して、以下のネットワーク設定を両方のサイトで同一にしておく必要があります。
NICに接続する仮想スイッチ(vsw)の名前(大文字/小文字も含む)、およびVLAN情報
NICに接続するネットワーク機器のVLAN情報
ネットワーク設定が同一でない場合、切替え先サイトでゲストドメインがネットワーク通信できなくなる可能性があります。