リモート帳票出力機能の環境構築時、および運用時の注意事項について説明します。
●環境構築時の注意事項
出力装置に高信頼リモートプリンタ、リモートプリンタは使用できません。
帳票出力サーバがWindowsの場合、コンピュータ名とTCP/IP のホスト名は同一となるようにネットワークの設定を行ってください。
以下の運用を行う場合、アプリケーションサーバ上でリモート帳票出力ユーザを設定してください。
アプリケーションサーバがWindowsで以下の運用を行う場合
SYSTEMアカウントで動作するサービスプロセスからリモート帳票出力を行う場合
ファイアウォールやルータにより445/tcpポート(microsoft-ds (*1))をブロックしている場合
*1:
ダイレクト・ホスティングSMBサービスの通信に使われるポート番号で、ファイルとプリンタの共有やリモート管理などに利用されます。
リモート帳票出力ユーザの設定方法については、以下を参照してください。
注意
リモート帳票出力時にprsetpasswdコマンドで設定したリモート帳票出力ユーザを有効にする場合は、prputprtコマンドで-rmuserpasswdオプションを指定してください。
アプリケーションサーバがUNIX系OSでWindowsの帳票出力サーバへリモート帳票出力を行う場合
リモート帳票出力ユーザの設定方法については、以下を参照してください。
通常使うプリンタは、帳票出力サーバのログオン状態によって以下のように異なります。
アプリケーションサーバがWindowsの場合
以下を参照してください。
アプリケーションサーバがUNIX系OSの場合
リモート帳票出力ユーザと同じユーザでログオンしている場合
リモート帳票出力ユーザの通常使うプリンタが有効になります。
リモート帳票出力ユーザと異なるユーザでログオンしている場合
List Creatorの環境設定画面で指定した通常使うプリンタが有効になります。
ログオンしていない場合
List Creatorの環境設定画面で指定した通常使うプリンタが有効になります。
通常使うプリンタの設定については、以下を参照してください。
⇒“4.1.2.1 全般タブ”
帳票出力サーバがWindows の場合、環境設定の[全般]タブの「通常使うプリンタ」は指定できません。帳票出力時に必ず印刷プリンタ名を指定してください。
帳票やデータファイル、メディアデータファイルなどの転送先ディレクトリ(帳票出力サーバの環境設定で指定した作業用ディレクトリ)には、以下のユーザがサブディレクトリやファイルを作成・読み取り・変更・削除できるアクセス権を設定しておいてください。
リモート帳票出力コマンドおよびユーザアプリケーションを実行するユーザ、リモート帳票出力ユーザ
作成・読み取り・変更・削除できるアクセス権が設定されていない場合、帳票やデータファイル、メディアデータファイルなどの転送や、帳票の出力に失敗することがあります。
●帳票出力サーバにおける注意事項
帳票出力サーバに転送した帳票には、以下のようにアクセス権限が設定されます。
転送先ディレクトリ(帳票出力サーバの環境設定で指定されている作業用ディレクトリ)に設定されているアクセス権が設定されます。
所有者に読み込み権と書き込み権、所有者以外に読み込み権のみ設定されます(644 で設定されます)。
●複数のアプリケーションサーバから1台の帳票出力サーバへ出力する場合の注意事項
異なる文字コード系を扱う複数のアプリケーションサーバ(例えば、アプリケーションサーバAはShift-JIS、アプリケーションサーバBはEUC(U90)を扱う場合)から1台の帳票出力サーバにリモート帳票出力する場合、同じ帳票を使用する場合でも、アプリケーションサーバごとに帳票を分けてください。同じ帳票名の場合、出力結果が文字化けすることがあります。
●帳票の出力結果、エラー情報の通知について
帳票出力サーバがWindowsで、ログオンしていない場合、利用者定義文字が出力されない場合がありますのでご注意ください。
リモート帳票出力中に帳票出力サーバ上で異常が発生した場合、帳票出力サーバ上で、以下の方法でエラー情報が記録されます。
イベントログに記録されます。
システムログに記録されます。
アプリケーションサーバがWindowsの場合に異常が発生すると、通常はイベントログにエラーが出力されます。ただし、prputprtコマンドを使用する場合、コマンドオプションでメッセージボックスに出力する指定を行うこともできます。
アプリケーションサーバがUNIX系OSの場合に異常が発生すると、通常は標準エラー出力されます。ただし、prputprtコマンドを使用する場合、コマンドオプションで標準エラー出力とシステムログの両方に出力する指定を行うこともできます。
詳細については、オンラインマニュアル“アプリケーション作成ガイド”を参照してください。
帳票出力サーバがWindows の場合、帳票出力時および監査証跡ログの採取時に異常が発生してもエラー情報がイベントログに記録されない場合があります。この場合は、帳票出力サーバ上のリモート帳票出力ユーザをAdministratorsグループに所属させ、アプリケーションサーバ上でリモート帳票出力ユーザを設定することでイベントログに記録することができます。
WindowsからWindowsへのリモート帳票出力のときは、prputprtコマンドやprassortコマンドで-rmuserpasswdオプションを指定する必要があります。
●IPv6環境における運用について
リモート帳票出力機能は、IPv4環境、およびIPv6環境で運用できます。
また、IPv4とIPv6が混在する環境(デュアルスタック環境)で運用することもできます。
以下に、リモート帳票出力機能をIPv6環境で運用する場合に、サポートしているネットワーク環境(アプリケーションサーバと帳票出力サーバの組合せ)について説明します。
*1:
アプリケーションサーバ、帳票出力サーバが共にデュアルスタック環境の場合、IPv6を優先して帳票出力サーバに接続します。
このため帳票出力サーバがList Creator V9.3.0以前の製品の場合、以下のいずれかの対応を行ってください。
‐IPv4で帳票出力サーバに接続するよう、帳票出力サーバのIPv6設定を無効にする
‐通信対象の帳票出力サーバのコンピュータ名にIPv4アドレスを指定する