情報ファイルとは、List Creatorデザイナで設計した帳票を、List Creatorの帳票出力インタフェースを利用して帳票を出力する場合の、出力時の属性(プロパティ)情報、および出力時の動作など、帳票をどのように出力するのかについて定義した情報です。
情報ファイルには、決められた記述方法にしたがって情報を定義します。作成した情報ファイルは、テキストファイルとして保存します。保存した情報ファイルは、帳票の出力時に必要に応じて参照され、その定義内容にしたがって帳票が出力されます。
帳票出力インタフェースを利用する場合、帳票出力に関する詳細な情報は、インタフェースが提供するコマンドオプションやクラス(キーやメソッドなど)で指定できます。
したがって、以下の場合に情報ファイルを指定します。
複数の情報をまとめて一度に指定する場合
帳票業務情報のプロパティやインタフェースで指定できない情報を指定する場合
情報ファイルは、必須指定ではありません。必要に応じて、それぞれのファイルを作成してください。
●情報ファイルの種類
使用できる情報ファイルには、以下の種類があります。
使用できる情報ファイル | 説明 |
---|---|
置換フォント情報ファイル | 帳票定義情報に定義されているフォントを、帳票出力時に別のフォントに置き換えて出力する場合に、その置換情報を指定するファイルです。 |
バーコード補正情報ファイル | 帳票にバーコードを出力する場合に、出力先の環境に合わせてバーコードの出力結果を補正する情報を指定するファイルです。 |
帳票出力情報ファイル | 帳票出力に関する各種情報を指定するファイルです。 |
電子帳票情報ファイル | 帳票を電子保存する場合に、保存する電子帳票に関する各種情報を指定するファイルです。 |
電子保存時のFAX受信者情報ファイル | 電子保存後にFAX送信する場合に、複数のFAX送信先(受信者)に関する情報を指定するファイルです。 |
FAX送信時のFAX受信者情報ファイル | FAX送信する場合に、複数のFAX送信先(受信者)に関する情報を指定するファイルです。 |
PDF文書情報ファイル | 帳票をPDFファイル保存する場合に、保存するPDFファイルに関する各種情報を指定するファイルです。 |
PDFメール配信情報ファイル | PDFファイルをメール配信する場合に、メールの配信に関する情報を指定するファイルです。 |
Excel文書情報ファイル | 帳票をExcelファイル出力する場合に、出力するExcelファイルに関する各種情報を指定するファイルです。 |
ECM情報ファイル | ECM連携ファイルのファイル名や文字コード系など、ECM連携機能に関する情報を指定するファイルです。 |
●情報ファイルのサポート範囲
情報ファイルは、ご使用になるList Creator製品や出力方法によって、使用できる場合と使用できない場合があります。
以下に、情報ファイルのサポート範囲について示します。
情報ファイルの種類 | 出力方法 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
印刷(*1) | 電子保存 | FAX送信 | PDFファイル保存 | OWFファイル生成 | Excelファイル出力 | TIFF出力 | |
置換フォント情報ファイル(*2) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
バーコード補正情報ファイル(*2) | ○ | - | - | ○ | ○ (*3) | ○ | ○ |
帳票出力情報ファイル(*4) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
電子帳票情報ファイル | - | ○ | - | - | - | - | - |
電子保存時のFAX受信者情報ファイル | - | ○ | - | - | - | - | - |
FAX送信時のFAX受信者情報ファイル | - | - | ○ | - | - | - | - |
PDF文書情報ファイル | - | - | - | ○ | - | - | - |
PDFメール配信情報ファイル | - | - | - | ○ | - | - | - |
Excel文書情報ファイル | - | - | - | - | - | ○ | - |
ECM情報ファイル | - | - | - | ○ | - | ○ | - |
○:必要時に指定可能
-:指定不可
*1:
UNIX系OSの帳票出力サーバで印刷する場合は、ご使用のプリンタ装置やプリンタ出力方法によって、置換フォントが使用できない場合があります。詳細については、以下を参照してください。
*2:
置換フォント情報ファイル、バーコード補正情報ファイルは、【Linux for x86版】の場合は、使用できません。
*3:
OWFファイルを印刷する場合のみ有効になります。
*4:
帳票出力情報ファイルは、【Linux for x86/Linux for Itanium版】の場合は、使用できません。
以下に、情報ファイルの作成方法と配置、文字コード系、および指定方法について説明します。
●情報ファイルのファイル名
情報ファイルのファイル名、および拡張子は任意です。
以下の場合に、情報ファイルのファイル名には、データファイル名、および帳票資源と同じファイル名を指定しないでください。
リモート帳票出力時
コネクタ連携時
OWFファイル生成時
英語環境(英語ロケール)で情報ファイルを使用する場合、情報ファイルのファイル名、および格納先ディレクトリ名は半角英数・記号(ASCII範囲)で作成してください。
情報ファイルは、テキストエディタなどで作成します。
それぞれのファイルの記述方法については、以下を参照してください。
⇒“8.5.6 電子保存時/FAX送信時のFAX受信者情報ファイル”
作成した情報ファイルは、ご使用の機能や運用にあわせ、アプリケーションサーバまたは帳票出力サーバに配置します。資源の配置についての詳細は、以下を参照してください。
⇒“8.2 帳票資源の配置手順(【Windows版】の場合)”
⇒“8.3 帳票資源の配置手順(【UNIX系OS版】の場合)”
注意
文字コード系がUNICODE(UTF8)の情報ファイルを作成した場合、使用するファイル作成ツール(テキストエディタなど)によっては、ファイルの先頭にBOM(Byte Order Mark)が付加される場合があります。このとき、情報ファイルの先頭行が正しく認識されず、エラーまたは意図しない出力結果となることがあります。
情報ファイルは、以下の文字コード系で作成してください。
●アプリケーションサーバに配置する場合
Shift-JISの文字コード系で作成してください。
情報ファイルは、使用するインタフェースに応じて、以下の文字コード系で作成してください。
コマンド、COBOLインタフェース、CFXカスタムタグインタフェースを使用する場合
環境変数LANGおよび環境変数OA_EUCTYPEで指定した文字コード系で作成してください。
Javaインタフェースを使用する場合
以下のいずれかで指定した文字コード系で作成してください。
setFileTypeメソッド
環境変数LANGおよび環境変数OA_EUCTYPE
文字コード系の指定は、「1.→2.」の優先順序で有効になります。
なお、Javaインタフェースを使用する場合の文字コード系については、オンラインマニュアル“アプリケーション作成ガイド”の「文字コード系に関する注意事項」を参照してください。
注意
以下の場合は、情報ファイルはShift-JISの文字コードの範囲で指定してください。
帳票出力サーバがWindowsの場合
Web手元印刷型で出力する場合
FAX送信する場合
Excelファイル出力する場合
上記の場合は、最終的にShift-JISに変換されるため、Shift-JIS以外の文字コード系の範囲で記述した場合(Shift-JISに存在しない文字を指定すると)、縮退が発生することになります(その場合、代替文字「_」または「_」で処理が実行されます。)
英語環境(英語ロケール)で情報ファイルを使用する場合、情報ファイルは半角英数・記号(ASCII範囲)で記述してください。
Javaインタフェースを使用してWeb手元印刷型で帳票出力する場合、FormsFileクラスでのみ、入力データの文字コード系にUNICODE(UTF16)またはUNICODE(UTF32)を指定できます。
ただし、入力データがUNICODE(UTF16)またはUNICODE(UTF32)で記述されている場合でも、Javaインタフェースで指定する情報ファイルは、必ず以下のいずれかで指定した文字コード系で記述してください。
FormsFileクラスのsetFileTypeメソッド
環境変数LANG および環境変数OA_EUCTYPE
入力データがUNICODE(UTF16)またはUNICODE(UTF32)の場合でも、必ず環境変数LANGおよび環境変数OA_EUCTYPEで指定した文字コード系の文字で記述してください。
●帳票出力サーバに配置する場合
帳票出力サーバに配置する場合、以下を参照してください。
⇒“17.1 帳票出力インタフェースで使用できる文字コード系”
注意
英語環境(英語ロケール)で情報ファイルを使用する場合、情報ファイルは半角英数・記号(ASCII範囲)で記述してください。
作成した情報ファイル(配置先)は、コマンドまたはユーザアプリケーションで指定します。
以下に、List Creatorの運用形態ごとに、情報ファイルの指定方法について説明します。
●スタンドアロン型で運用する場合
コマンドまたはユーザアプリケーションで、帳票出力サーバに配置した情報ファイルのファイル名をフルパスで指定します。
●リモート帳票出力型またはコネクタ連携型で運用する場合
どこに配置した情報ファイルを使用して帳票出力するかで指定方法が異なります。
以下に、情報ファイルをアプリケーションサーバに配置する場合と、帳票出力サーバに配置する場合に分けて説明します。
コマンドまたはユーザアプリケーションで、「転送ファイル名」と各情報ファイル名を指定します。
「転送ファイル名」には、アプリケーションサーバに配置した情報ファイルのファイル名をフルパスで指定します。情報ファイル名には、アプリケーションサーバに配置した情報ファイル名のファイル名のみを指定します。
この指定を行うと、帳票出力時に、アプリケーションサーバに配置した情報ファイルを帳票出力サーバへ転送し、そのファイルを使用して帳票が出力されます。
コマンドまたはユーザアプリケーションで、情報ファイル名のみを指定します。
帳票情報ファイル名には、帳票出力サーバに配置した情報ファイルのファイル名をフルパスで指定します。
この指定を行うと、帳票出力時に、情報ファイルをアプリケーションサーバから転送せずに、帳票出力サーバの情報ファイルを使用して帳票が出力されます。
なお、コマンド、またはユーザアプリケーションの指定に関する詳細は、オンラインマニュアル“アプリケーション作成ガイド”を参照してください。