Tierプール平準化は、Tierプールを構成する各サブプール内のRAIDグループに対して、それぞれのRAIDグループの使用容量が均等になるように物理割当て領域を再配置する機能です。このため、FTVへのI/Oアクセスが、FTSP内のRAIDグループにほぼ均等に分散されます。
FTSP内のRAIDグループの使用容量を均等にしたい場合は、Tierプール平準化を実施してください。
Tierプール平準化は、平準化レベルに関係なく実施できます。通常、Tierプールの平準化レベルを"Middle"または"Low"から"High"にする場合に、Tierプール平準化を実施します。
平準化レベルは、Webコンソールにおいて、ストレージ自動階層制御のTierプールのオーバービューに表示される[平準化]の[レベル]で確認できます。
Tierプール平準化の処理は、停止させることが可能です。Tierプール平準化を開始/停止できるTierプールは、装置内で1つだけです。
参照
Tierプール平準化の開始/停止方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Tierプール平準化の開始/停止」を参照してください。
Tierプール平準化を実施するには、対象のTierプールが以下のすべての条件を満たしている必要があります。
対象Tierプールの「Tierプール状態」が、"Available"、"Partially Readying"、または"Exposed"である
対象Tierプールに対するTierプール平準化処理が実施中でない
対象Tierプールの「平準化:状態」が"Stop"である
Tierプール平準化の処理を停止するには、対象のTierプールが以下の条件を満たしている必要があります。
対象Tierプールの「平準化:状態」が"Active"または"Error"である
ポイント
Tierプールへの業務I/Oが発生中のときでも、そのTierプールに対するTierプール平準化を実施できます。
Tierプールの平準化レベル、サブプールの平準化レベル、および平準化の進捗状況は、Webコンソールで確認できます。詳細は、「4.3 Tierプールの設定内容の確認」を参照してください。
注意
Tierプール平準化は、対象Tierプールに対するストレージ自動階層制御を停止してから実施してください。停止方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Tierプールに対するストレージ自動階層制御の開始/停止」を参照してください。
Tierプール平準化は、Tierプール内で平準化レベルが低いFTVを優先し、一度に最大32個のFTVを平準化します。このため、FTV数が多い場合、Tierプール平準化を実施しても平準化レベルが"High"にならないことがあります。平準化レベルを"High"にするには、Tierプール平準化を再実施してください。
平準化状態がErrorの場合は、そのTierプールに対するTierプール平準化処理を停止してください。
Tierプール平準化を実施しても、FTVが物理割当てされているサブプールは変更されません。
以下のどれかの条件を満たす場合は、Tierプール平準化を実施できません。
対象Tierプールの「ストレージ自動階層制御状態」が"Start"である
対象TierプールにFTVが存在しない
ストレージ装置内に、Tierプール平準化を実施中のTierプールが存在する
装置に最大数のボリュームが登録されている
ストレージ装置で、TPV平準化およびRAIDマイグレーションのセッション数を合わせて32件の処理を同時実行中である
ストレージ装置で、TPV平準化およびRAIDマイグレーションの移行容量を合わせて128TBの処理を同時実行中である
ストレージ装置で、RAIDグループ診断を実行中である
ストレージ装置で、ディスク診断を実行中である
対象Tierプールに存在するすべての平準化対象FTVで容量最適化中である
対象Tierプールに存在するすべての平準化対象FTVでODX実行中である
対象Tierプールに存在する平準化対象FTVが、削除中のRAIDグループを使用している
以下の場合は、Tierプール平準化の処理を停止できません。
Tierプール平準化を実施中のTierプールが存在しない
Tierプール平準化がエラー停止中のTierプールが存在しない
対象Tierプールに対するTierプール平準化処理が完了している
FTVの作成、削除、または構成変更を実施した場合、平準化レベルは更新されません。平準化レベルを最新にするには、ストレージ自動階層制御の状態更新を実行してください。
以下のどちらかの条件に当てはまるFTVは、平準化処理の対象外です。
FTVの容量が20GB以下
FTVの使用容量が10GB以下