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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.4 運用ガイド Optimization機能編
FUJITSU Storage

3.6.1 FTVの作成

FTVの作成時に指定できる項目は以下のとおりです。

項目名

指定

説明

プール名

必須

FTVを作成するTierプール名を指定します。

FTV名

任意

作成するFTVのボリューム名称(ストレージ装置内で一意となる名前)を指定します。

ピリオド(.)、クエスチョン(?)、シングルクォーテーション(')、およびダブルクォーテーション(")を除いた、任意の半角英数字記号(1~16文字)を指定できます。大文字・小文字は区別されません。

総容量

必須

作成するFTVのボリュームの容量を指定します。
指定できる単位は、MB(メガバイト)、GB(ギガバイト)、またはTB(テラバイト)です。

ボリューム数

必須

作成するFTVのボリューム数を指定します。

複数のボリュームを作成すると、ボリュームには、[FTV名]に指定したボリューム名に「_x」(x は0からの連番)を付加した名前が付けられます。

Allocation

必須

作成するFTVのAllocationの設定を選択します。

"Thin"を選択すると、I/O発行時に、利用する物理領域が随時割り当てられます。
"Thick"を選択すると、ボリューム作成時に、ボリューム容量分の物理領域が割り当てられます。

本項目は、Allocation機能をサポートするETERNUS ディスクアレイだけ設定できます。

注意閾値

任意

使用容量の比率の閾値です。注意閾値の設定基準は、以下のとおりです。

  • ETERNUS DX S3 series (DX60 S3を除く), ETERNUS AF series, ETERNUS DX200Fの場合

    FTVの総容量 × 注意閾値 < FTVの使用容量

    ストレージ装置がホストセンスを報告する閾値(%)を指定します。1~100の範囲の10進数で指定します。
    指定を省略した場合、ストレージ装置の推奨値である80%が設定されます。

  • 上記以外のETERNUS ディスクアレイの場合

    FTVの空き容量(注4) × 注意閾値 > Tierプールの空き容量

    FTV情報の「アラーム状態」が変更される閾値(%)を指定します。1~200の範囲の10進数で指定します。
    指定を省略した場合、ストレージ装置の推奨値である10%が設定されます。
    なお、FTVの空き容量とは、FTVの総容量から使用容量を引いた値です。

使用容量の比率が、設定した注意閾値に達した場合、以下の「アラーム状態」が"Caution"になります。

  • Tierプールの詳細情報の[ボリューム]タブ画面の「アラーム状態」

  • FTVの詳細情報の[基本]タブ画面の「アラーム状態」

優先FTSP

任意

新たにデータを割り当てる場合、Tierプールのどのサブプールに優先的に割り当てるかを指定します。

指定したサブプールに割り当てられないときは、別のサブプールに割り当てられます。

指定を省略した場合は、以下の順番でデータを割り当てます。

同じ種別のSEDのディスクが存在する場合は、通常のディスクが優先的に割り当てられます。

(1) Onlineディスクで構成されるサブプール
(2) Nearlineディスクで構成されるサブプール
(3) SSDで構成されるサブプール

1階層TierプールのFTVを作成する場合は、2階層または3階層のTierプールに変更したときの動作を指定できます。1階層Tierプールで運用し続ける場合は、指定不要です。

Low割当て率

任意

再配置の際にLowサブプールに割り当てる、ボリューム容量の比率(%)を、0~100の整数値で指定します。(注1、注2)

[Low割当て率]、[Middle割当て率]、および[High割当て率]を指定する場合は、合計が100%になるように指定する必要があります。

指定を省略した場合は、階層化ポリシーに基づいて再配置されます。

Middle割当て率

任意

再配置の際にMiddleサブプールに割り当てる、ボリューム容量の比率(%)を、0~100の整数値で指定します。(注1、注2)

[Low割当て率]、[Middle割当て率]、および[High割当て率]を指定する場合は、合計が100%になるように指定する必要があります。

指定を省略した場合は、階層化ポリシーに基づいて再配置されます。

High割当て率

任意

再配置の際にHighサブプールに割り当てる、ボリューム容量の比率(%)を、0~100の整数値で指定します。(注1、注2)

[Low割当て率]、[Middle割当て率]、および[High割当て率]を指定する場合は、合計が100%になるように指定する必要があります。

指定を省略した場合は、階層化ポリシーに基づいて再配置されます。

QoS自動化:有効/無効(注3)

必須

作成するボリュームをQoS自動化機能の調整対象とする設定です。
以下のどちらかを設定します。

Enable

QoS自動化機能の調整対象とする場合に指定します。
"Enable"を選択して[QoS自動化:優先度]または[目標レスポンスタイム]を設定しない場合は、その項目が設定されているほかのボリュームのQoS自動化機能による調整の影響を受けます。

Disable

QoS自動化機能の調整対象としない場合に指定します。
"Disable"を選択した場合、[QoS自動化:優先度]、[目標レスポンスタイム]、または[割当て率調整]の設定は破棄され、ETERNUS ディスクストレージシステムのQoS性能設定値が無制限(0)に設定されます。

作成時の初期値は"Disable"です。

QoS自動化:優先度(注3)

任意

作成するボリュームのQoS自動化優先度です。
利用者が使用するボリュームに対して"Low"、"Middle"、または"High"を設定するだけで、現在の負荷に応じて自動チューニングを行います。
目標レスポンスタイムを設定した場合、この項目は無効となります。

Unlimited

I/O性能を制限したくない場合に設定します。"Unlimited"を選択した場合は最高優先度となり、リソースを共有するボリュームの中で最高性能となります。

High

高いI/O性能を必要とする場合に設定します。

Middle

高いI/O性能を必要とするが、優先度にHighが設定されているほかのボリュームがあって、I/Oが同じ時刻に競合する場合はI/O性能が制限されても良い場合に設定します。

Low

ほかを優先し、I/O性能が低くても問題ない場合に設定します。

No Set

I/O性能の目標を設定する必要がなく、リソースを共有するほかのボリュームの性能調整のために、I/O性能が制限されても問題がない場合に設定します。
"No Set"を選択した場合は優先度はなく、QoS自動化優先度または目標レスポンスタイムを設定したほかのボリュームの影響を受けてI/O性能が遅くなるように調整されます。

目標レスポンスタイム
(注3)

任意

利用者が使用するボリュームのレスポンスタイムの目標値です。
0~10000の整数値で指定します。0を入力した場合、そのボリュームの帯域幅は無制限となります。
空白も入力できますが、空白を入力した場合は、そのボリュームに目標レスポンスタイムが設定されません。したがって、ほかのボリュームの目標レスポンスタイムの設定値に左右されて、レスポンスは早くなったり遅くなったりします。

QoS自動化優先度で"No Set"を選択し、この項目を省略した場合は、QoS自動化優先度または目標レスポンスタイムを設定したほかのボリュームの影響を受けてI/O性能が遅くなるように調整されます。

目標レスポンスタイムは、ボリュームごとに指定します。

なお、本項目を設定した場合は、[QoS自動化:優先度]を設定できません。

割当て率調整(注3)

任意

QoS自動化機能とストレージ自動階層制御の間で連携を行うかを選択します。

[QoS自動化:優先度]または[目標レスポンスタイム]と併せて設定するだけで、QoS自動化機能およびストレージ自動階層制御を利用して性能の自動チューニングを行います。

以下のどちらかを指定します。

On

連携を行う場合に指定します。
"On"を設定した場合、QoS自動化機能およびストレージ自動階層制御機能の両方を利用してI/O性能の自動チューニングが行われます。

Off

連携を行わない場合に指定します。

以下のすべての条件を満たす場合だけ設定できます。

  • [QoS自動化:優先度]に"Unlimited"および"No Set"以外が設定されている。または、[目標レスポンスタイム]に"0"以外の値が設定されている

  • [プール名]に指定したTierプールの実行モードが"Auto"である

注1: FTVを作成するTierプールに階層化ポリシーが設定されていない場合は、本項目を設定できません。
注2: 割当て率は目安であり、指定どおりに割り当てられないことがあります。割当て率を省略した場合は、階層化ポリシーに基づいて再配置されます。
注3: QoS自動化機能を利用する場合に指定できます。
注4: FTVの空き容量 = FTVの総容量 - FTVの使用容量

FTVの作成方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FTVの作成」を参照してください。

ポイント

  • Allocationの設定は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ボリュームのAllocationの設定」を参照してください。

  • [Allocation]を、"Thin"から"Thick"に変更した場合、FTVの総容量のうち、未割当ての領域に対して物理領域が割り当てられます。

  • [Allocation]を、"Thick"から"Thin"に変更した場合、FTVの総容量に設定した物理領域が割り当てられたままとなります。

  • 1階層運用の場合は、[Low割当て率]、[Middle割当て率]、および[High割当て率]の項目を指定できません。

  • 2階層運用の場合は、[Low割当て率]および[High割当て率]の2項目を、両方指定するか両方省略する必要があります。

  • 3階層運用の場合は、[Low割当て率]、[Middle割当て率]、および[High割当て率]の3項目を、すべて指定するかすべて省略する必要があります。