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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.4 運用ガイド Optimization機能編
FUJITSU Storage

3.4.1 階層化ポリシーの作成

階層化ポリシーは複数作成できます。同じ階層化ポリシーを複数のTierプールに定義することも可能です。
階層化ポリシーに指定できる項目は以下のとおりです。

項目名

指定
(注1)

説明

ポリシー名

必須

作成する階層化ポリシーの名称(ETERNUS SFシステムで一意となる名前)を指定します。

任意の英数字(1~16文字)、ハイフン(-)、アンダースコア(_)、およびシャープ(#)を指定できます。大文字・小文字は区別されません。

実行モード

任意

ストレージ自動階層制御の動作方法を指定する実行モードを指定します。
以下の3つの実行モードがあります。デフォルトは"Auto"です。

  • Auto
    ストレージ自動階層制御用の性能データを収集・評価し、ボリュームの再配置を自動的に実行します。

  • Semi-Auto
    階層化性能データを収集・評価します。ボリュームの再配置は、手動で行う必要があります。

  • Manual
    階層化性能データの収集だけを行います。性能データの評価およびボリュームの再配置は、手動で行う必要があります。

評価期間

任意

ストレージ自動階層制御用の性能データの評価範囲を指定します。
数字と単位("Hour"、"Day"、または"Week")を選択します。デフォルトは"1Day"です。

単位が"Hour"の場合は、2、4、6、8、または12を指定できます。
評価期間の起点は、[実行モード]の設定によって異なります。[実行モード]が"Auto"または"Semi-Auto"の場合、評価期間の起点は0:00です。例えば、"6Hour"を指定すると、0:00~6:00、6:00~12:00、12:00~18:00、18:00~24:00で評価されます。
[実行モード]が"Manual"の場合、評価期間の起点はTierプールに対するアクセス状況の評価を実施した時間です。例えば、"6Hour"を指定して、9:00にTierプールに対するアクセス状況の評価を行うと、3:00~9:00で評価されます。

単位が"Day"の場合は、1から31までの値を指定できます。

単位が"Week"の場合は、1を指定できます。

評価基準

任意

ストレージ自動階層制御用の性能を評価する基準を指定します。
プルダウンリストから、以下のどちらかを選択します。

  • Peak
    評価期間における、ストレージ自動階層制御用の性能データ(IOPS値)の最大ピーク値で評価します。

  • Average
    評価期間における、ストレージ自動階層制御用の性能データ(IOPS値)の平均値で評価します。

評価実施曜日

任意

アクセス状況データの評価を開始する曜日を指定します。
デフォルトは"指定なし"(ストレージ自動階層制御の開始操作完了から[評価期間]を経過した後の[ストレージ自動階層制御実行時間]に評価を開始)です。

[実行モード]が"Auto"または"Semi-Auto"で、[評価期間]の単位が"Week"の場合だけ、指定できます。

"初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)"のチェックボックスをチェックすると、評価期間を満たしていない場合でも、初回の指定曜日までに存在するアクセス状況データを使って評価を行います。直ちにストレージ自動階層制御の運用を開始したい場合に指定してください。デフォルトは、チェックなし(推奨)です。チェックなしの場合は、初回の指定曜日には評価を行わず、次回の指定曜日から、常に評価期間分のアクセス状況データを使って評価を行います。

ストレージ自動階層制御実行時間

任意

ストレージ自動階層制御用の性能データの収集・評価、再配置を開始する時刻を、00:00~23:59までの範囲で指定します。
[実行モード]が"Auto"または"Semi-Auto"で、[評価期間]の単位が"Day"または"Week"の場合だけ、指定できます。

[評価期間]の単位が"Hour"の場合は、00:00から指定時間(2、4、6、8、または12時間)経過した時刻に実行されます。

ストレージ自動階層制御制限時間

任意

ボリュームの再配置を打ち切る時間を、[ストレージ自動階層制御実行時間]に指定した時刻からの経過時間で指定します。
デフォルトは"制限なし"(打ち切らない)です。

[評価期間]の単位が"Day"または"Week"の場合は、00から24までの値を指定できます。
[評価期間]の単位が"Hour"の場合は、00から[評価期間]で指定した値までを指定できます。

評価対象曜日

任意

再配置を実行する際に、評価対象とするストレージ自動階層制御用の性能データを収集する曜日を指定します。[評価期間]の単位が"Day"または"Week"の場合だけ、指定できます。

デフォルトでは、全曜日が評価対象です。チェックを外した曜日は、評価対象外となります。

評価対象時間帯

任意

ストレージ自動階層制御用の性能データの収集・評価する時間帯を指定します。[評価期間]の単位が"Day"または"Week"の場合だけ、指定できます。デフォルトは"24Hours"(0時から0時の24時間)です。

評価の開始時刻・終了時刻ともに、0時から23時までの値を指定できます。

評価対象除外日設定

任意

ストレージ自動階層制御用の性能データを評価対象外とする日を、カレンダーで指定します。[評価期間]の単位が"Day"または"Week"の場合だけ、指定できます。

デフォルトは、"有効"がチェックされた状態です。この状態のときに、[評価対象除外日編集]ボタンをクリックして表示されるカレンダーで評価対象外とする日を指定できます。

"有効"のチェックを外すと、評価対象除外日設定が無効となります。

データ種別

任意

ストレージ自動階層制御の評価に利用する性能データの種別を選択します。

IOPS(Read/Writeの1秒あたりの処理回数)だけを指定できます。

階層のデータ範囲

任意

各階層のデータ範囲を手動設定するかシステムで自動設定するかを指定します。

デフォルトは、"自動設定"がチェックされた状態です。自動設定の場合は、[Lowのデータ範囲]、[Middleのデータ範囲]、および[Highのデータ範囲]を指定できません。システムが自動で再配置基準を決定します。

"自動設定"のチェックを外すと、各階層のデータ範囲を手動設定できます。

Lowのデータ範囲

任意

TierプールのLowサブプールに配置する際の基準とするIOPS値の範囲を指定します。

本項目には、最大値を指定します。小数も入力可能です。

最小値は"0"固定で、階層化ポリシーのメインペインに"-"が表示されます。

指定を省略した場合は、階層化ポリシーのメインペインに"-:-"が表示されます。(注2)

Middleのデータ範囲

任意

TierプールのMiddleサブプールに配置する際の基準とするIOPS値の範囲を指定します。

本項目には、最小値と最大値を指定します。小数も入力可能です。

指定を省略した場合は、階層化ポリシーのメインペインに"-:-"が表示されます。(注2)

Highのデータ範囲

任意

TierプールのHighサブプールに配置する際の基準とするIOPS値の範囲を指定します。

本項目では、最小値を指定します。小数も入力可能です。

最大値は"2147483647"固定で、階層化ポリシーのメインペインに"-"が表示されます。

指定を省略した場合は、階層化ポリシーのメインペインに"-:-"が表示されます。(注2)

注1: 指定が「任意」の項目では、指定を省略するとデフォルト値が設定されます。
注2: 範囲を指定しない場合は、システムによって自動で再配置されます。

階層化ポリシーの作成方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「階層化ポリシーの作成」を参照してください。

ポイント

[実行モード]を"Auto"、[階層のデータ範囲]を"自動設定"にすると、システムは、ボリューム内のデータの再配置基準を自動的に決定し、最適に再配置します。通常は、この組合せでの指定をお勧めします。

[階層のデータ範囲]を"手動設定"にする場合は、各サブプールのデータ範囲の最適値を見極めるために、[実行モード]を"Semi-Auto"または"Manual"にして、評価と再配置を試行することをお勧めします。

以下の例を用いて、階層化ポリシーに従って評価・再配置が実行されるタイミングを説明します。

設定例1

毎日8:00~17:00のアクセス状況を基に、18:00にストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"1Day"、[評価対象時間帯]を8:00~17:00、[ストレージ自動階層制御実行時間]を18:00に設定します。
毎日、8:00~17:00のアクセス状況データに対する評価が、18:00に開始されます。

設定例2

1週間のうち、月曜日から金曜日のアクセス状況を基に、土曜日の0:00にストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"7Day"、[評価対象曜日]を月曜日~金曜日、[ストレージ自動階層制御実行時間]を0:00に設定します。
土曜日の0:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始すると、毎週、月曜日~金曜日のアクセス状況データに対する評価が、7日後の土曜日の0:00に開始されます。

設定例3

8時間分のアクセス状況を基に、8時間ごとにストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"8Hour"に設定します。
評価期間は0:00を起点とするため、2:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始すると、2:00から8:00までの6時間分のアクセス状況データに対する評価が8:00に開始されます。そのあとは、8:00~16:00までの8時間分が16:00に、16:00~24:00までの8時間分が24:00に評価されます。

設定例4

1週間のうち、月曜日から金曜日のアクセス状況を基に、毎週土曜日の0:00にストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"1Week"、[評価対象曜日]を月曜日~金曜日、[ストレージ自動階層制御実行時間]を0:00に設定します。ストレージ自動階層制御を開始した日時にかかわらず、初回の土曜日の評価は行われず、初回の土曜日から1週間分の月曜日から金曜日のアクセス状況を基に、次回の土曜日の0:00に評価が開始されます。

木曜日の0:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始した場合は、以下のとおりです。

ストレージ自動階層制御を開始後、すぐにストレージ自動階層制御の運用を行いたい場合は、[初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)]を設定します。
木曜日の0:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始した場合は、以下のとおりです。

ストレージ自動階層制御を開始してから、初回の土曜日までの2日間分のアクセス状況データに対する評価が、初回の土曜日の0:00に開始されます。次回以降の評価は、月曜日から金曜日までの5日間分のアクセス状況データに対する評価が、毎週土曜日の0:00に開始されます。

注意

[評価実施曜日]は、[実行モード]が"Auto"または"Semi-Auto"、かつ[評価期間]の単位が"Week"の場合だけ指定できます。

[初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)]を設定して、評価期間を満たしていない状態で評価した場合、アクセス状況データが少ないため、意図しない評価結果になることがあります。

[初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)]を設定してストレージ自動階層制御を開始しても、以下の場合は評価・再配置が行われません。

  • アクセス状況データが1日(24時間)以上採取できていない場合

  • アクセス状況データを採取する期間を、すべて評価対象除外日に設定している場合

  • アクセス状況データを採取する期間を、すべて評価対象曜日に設定している場合