階層化ポリシーには、ストレージ自動階層制御を実行するための条件を設定します。
ストレージ自動階層制御は、設定された階層化ポリシーに従い、Tierプールに存在するFTVに対して同一装置内で自動的にデータの再配置を行います。
階層化ポリシーは、同一装置または異なる装置の、複数のTierプールに対して割り当てることができます。
ポイント
複数のTierプールに同一の階層化ポリシーを割り当てる場合、割当て対象のすべてのTierプールで、階層構成が同一である必要があります。
階層化ポリシー指定の簡易化
階層化ポリシーの各階層に指定するIOPS値の範囲設定は、省略可能です。
各階層のIOPS値を指定することも可能です。
IOPS値の範囲設定欄は、「階層化ポリシーの高度な設定」見出しにあります。初期状態では、入力域は非表示です。
ユーザーは、IOPSの範囲設定を意識することなく、階層化ポリシーを作成できます。
また、ポリシー名を指定するだけで階層化ポリシーを作成できます。このとき、ほかの設定項目にはデフォルト値が設定されます。設定される値の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「階層化ポリシーの作成」を参照してください。
IOPS値の範囲指定を省略した場合は、プール構成に応じて再配置します。再配置の論理は以下のとおりです。
FTRPEをIOPS値の昇順でソートし、IOPS値が大きいFTRPEから上位サブプールに再配置します。
実行モードが"Auto"の場合は、すべてのFTRPEが対象となります。実行モードが"Semi-Auto"または"Manual"の場合は、再配置が指示されたFTVに含まれるFTRPEが対象となります。頻繁に再配置が行われると実I/Oへの性能影響が発生するため、各階層の境界の前後約5%に存在するFTRPEは移動しません。具体的には、以下の条件に当てはまるFTRPEは、再配置が行われません。
IOPSの低い約5%に当てはまるFTRPEのうち、「現在の階層」が「移動後の階層」の1つ上の階層であること
IOPSの高い約5%に当てはまるFTRPEのうち、「現在の階層」が「移動後の階層」の1つ下の階層であること
IOPSの範囲指定を省略した場合の再配置の概要は、以下のとおりです。
図3.2 プール構成に応じた再配置の概要
図3.3 各サブプールの境界におけるFTRPEの移動
評価対象曜日および評価対象除外日の指定による詳細設定
階層化ポリシーを作成するときに、「評価対象曜日」および「評価対象除外日」を指定できます。
これらの項目を指定することで、ストレージ自動階層制御のきめ細かな運用が可能です。
評価実施曜日の指定による、評価・再配置の実施
週単位の階層化ポリシーを作成するときに、「評価実施曜日」を指定できます。
本項目を指定すると、指定した曜日に評価・再配置が実行されます。本項目を指定しない場合は、ストレージ自動階層制御を開始した曜日から週単位で評価・再配置が実行されます。