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Enterprise Postgres 9.5 クラスタ運用ガイド
FUJITSU Software

5.1.2 切り離し発生後の縮退運転における運用操作

切り離し発生後の縮退運転における運用操作について、説明します。

注意

スタンバイサーバの異常によって切り離しが発生してからスタンバイサーバの組込みを行うまで、データベースは多重化構成ではありません。できるだけ早急に異常原因を取り除き、スタンバイサーバの組込みを行ってください。

切り離しが発生して縮退運転が行われている場合は、以下の運用操作を行ってスタンバイサーバを復旧してもとの状態に戻します。

これらの運用操作の流れを以下の図に示します。

図5.2 運用操作の流れ

5.1.2.1 異常原因の特定とスタンバイサーバの再構築

以下の手順でリカバリを実施してください。

  1. Mirroring Controllerの停止

  2. Mirroring Controller管理ディレクトリのリカバリ

  3. 異常原因の特定とリカバリ

5.1.2.1.1 Mirroring Controllerの停止

異常が発生したスタンバイサーバに対して、mc_ctlコマンドをstopモードで実行します。

例)
$ mc_ctl stop -M /mcdir/inst1

これにより、リカバリを実施する必要があるインスタンスも停止します。

注意

停止しない場合は、“運用ガイド”の“インスタンス停止失敗時の対処”を参照して、インスタンスを停止します。

そのあと、上記のコマンドに-eオプションを指定してMirroring Controllerを強制停止してください。

5.1.2.1.2 Mirroring Controller管理ディレクトリのリカバリ

バックアップデータからMirroring Controller管理ディレクトリ配下のファイルをコピーして、リカバリを実施します。

5.1.2.1.3 異常原因の特定とリカバリ

プライマリサーバとスタンバイサーバのシステムログを参照して異常の原因を特定したあと、復旧します。

pg_basebackupコマンドを実行して、プライマリサーバのデータをスタンバイサーバと同期してリカバリします。

例)
$ pg_basebackup -D /database/inst1 --xlog --progress --verbose -R --dbname='application_name=スタンバイサーバ名' -h プライマリサーバのホスト名 -p プライマリサーバのポート番号

参照

このリカバリ手順は、スタンバイサーバをセットアップする手順と同じです。

3.4.2 スタンバイサーバのインスタンスの作成・設定・登録”を参照して、リカバリを実施してください。

5.1.2.2 スタンバイサーバの組込み

スタンバイサーバのMirroring Controllerとインスタンスを起動して、スタンバイサーバを組込みます。

自動切り替え/切り離しを有効化する場合

インスタンス管理者ユーザーで、mc_ctlコマンドをstartモードで-fオプションを指定して実行します。これにより、自動切り替え/切り離しの有効化を行います。

なお、-fオプションを指定せずに起動した場合、自動切り替え/切り離しは有効になりません。有効にするには、Mirroring Controllerを起動したあとにmc_ctlコマンドをenable-failoverモードで実行するか、-fオプションを指定してMirroring Controllerを再起動してください。

例)
$ mc_ctl start -M /mcdir/inst1 -w -f
自動切り替え/切り離しを有効化しない場合

インスタンス管理者ユーザーで、mc_ctlコマンドをstartモードで実行します。

例)
$ mc_ctl start -M /mcdir/inst1 -w