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Systemwalker Operation Manager  使用手引書
FUJITSU Software

4.3.13 メッセージ事象発生時に可変パラメタを利用したジョブネット連携をする場合

jobschmsgeventコマンドを使って、メッセージ事象発生の通知と同時に、可変パラメタを利用したジョブネット連携を行う場合について説明します。

4.3.13.1 可変パラメタを利用してジョブネットを起動する場合

メッセージ事象発生の通知と同時に、可変パラメタを渡すジョブネット連携が可能です。コマンドやパラメタ、ジョブの実行を依頼するホストのみ異なる複数のジョブネット(業務)を運用する場合に、大量にジョブネットを定義する必要がなくなります。

メッセージ事象により起動するジョブネットに対して、メッセージ事象の通知とともに可変パラメタを渡すジョブを登録します。また、可変パラメタを受信するジョブネットのジョブでは、あらかじめ変数を定義しておくことで、変数を受信した可変パラメタに置き換えて、ジョブを起動します。

可変パラメタを受信できるのは、以下の条件をすべて満たすジョブネットとなります。

  1. グループに登録されていない

  2. ジョブ実行制御属性である

  3. 起動条件がメッセージ事象発生時のみ起動であり、かつ、以下のいずれかの条件を満たしている

    • 1つのメッセージ事象を待ち合わせている

    • 登録された複数のメッセージ事象のうち、いずれかのメッセージ事象を待ち合わせている

一時変更により設定された定義内容が上記条件を満たしている場合も、可変パラメタを受信できます。

なお、階層化されたジョブネットの場合、可変パラメタは、2階層目以降のジョブネットにも引き継がれ、使用できます。

ジョブの定義

可変パラメタを利用する場合に、可変パラメタを渡す側および可変パラメタを受信する側、それぞれのジョブの定義について説明します。

なお、手動で可変パラメタを指定して起動する場合については、“7.4 ジョブネットを可変パラメタ起動する”を参照してください。

可変パラメタを渡すジョブの定義

[登録-ジョブ]ウィンドウの[基本情報]シートで、メッセージ事象発生コマンド(jobschmsgeventコマンド)に可変パラメタ(-pオプション)を指定してジョブ情報を設定します。または、jobschsetnetコマンドを利用して定義します。

jobschmsgeventコマンド、jobschsetnetコマンドの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

可変パラメタについて
  • 可変パラメタに“@変数名@”形式の文字列が存在していた場合、これらはジョブネット変数、ジョブ定義変数として扱われません。通常の文字列として扱われます。

  • 可変パラメタには、起動するジョブネットのジョブ定義中にある変数“@.VPARAM@”が置き換えられたときに、その定義項目の使用不可文字が使われたり、文字列長の上限値を超えることがないようにしてください。置き換えの結果、ジョブの定義が不正になった場合には、ジョブは実行されず、異常終了となります。

なお、可変パラメタの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の“jobschmsgeventコマンド”を参照してください。

可変パラメタを受信するジョブの定義

[登録-ジョブ]ウィンドウの[基本情報]シートで、受信した可変パラメタに置き換えたい項目に変数“@.VPARAM@”を指定して、ジョブ情報を設定します。または、jobschsetnetコマンドを利用して定義します。

変数(@.VPARAM@)について
  • 変数“@.VPARAM@”は、[基本情報]シートの以下の項目で利用できます。なお、変数を指定する項目の上限値はありません。複数の項目に指定することも、1項目内に変数を複数指定することも可能です。

    • コマンド

    • パラメタ

    • 依頼ホスト名

    • 環境変数の変数値([環境変数の設定]ウィンドウの[変数値])

  • 以下のジョブでは、変数“@.VPARAM@”を使用できません。

    • Interstage属性のジョブ

    • PowerAIM属性のジョブ

    • 旧バージョン互換(旧・標準)属性のジョブ

    • グローバルサーバMSPジョブ

    • グローバルサーバXSPジョブ

    • バッチフレームワークジョブ

  • ジョブ定義内に変数を使用したジョブネットが可変パラメタなしで起動された場合、変数部分は空文字に置き換えられた状態でジョブが起動されます。

4.3.13.2 可変パラメタとサフィックスを利用してジョブネットを複写起動する場合

メッセージ事象発生の通知と同時に可変パラメタを渡してジョブネットを起動する場合に、起動対象のジョブネットを複写し、複写されたジョブネットを起動することができます。複写されたジョブネット名およびジョブネット名称には、指定したサフィックスが付加されます。このため、パラメタが異なる複数のジョブネットを、異なるサフィックスを指定して並行で実行したり、ジョブネットの実行結果を上書きすることなく、異なるパラメタでジョブネットを実行することができます。

上記のように、ジョブネットを複写起動したい場合は、メッセージ事象発生コマンド(jobschmsgeventコマンド)に可変パラメタ(-pオプション)とサフィックス(-cオプション)を指定してジョブ情報を設定してください。

joschmsgeventコマンドの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

複写起動について

可変パラメタとサフィックスを利用したジョブネットの複写起動について説明します。

注意

リンクジョブネットを含むジョブネットの複写起動について

リンクジョブネットを含む親ジョブネットは、複写起動することができます。

複写起動により複写されたリンクジョブネット、およびその階層下のジョブネットの複写先ジョブネットは、リンクジョブネットとして動作しません。マスタリンクジョブネットを変更しても、変更した内容は複写先のリンクジョブネットに反映されません。

複写されジョブネット(複写先ジョブネット)について

可変パラメタとサフィックスを利用した複写起動の、複写先ジョブネットについて説明します。

4.3.13.3 可変パラメタの受信とメッセージ事象の受け付けについて

メッセージ事象発生コマンド(jobschmsgeventコマンド)に可変パラメタ(-pオプション)やサフィックス(-cオプション)を指定した場合、可変パラメタの受信とメッセージ事象の受け付けにおいて、通常とは異なる動作をすることがあります。

可変パラメタを受信できないジョブネットについて

メッセージ事象が受け付けられても、可変パラメタ(-pオプション)やサフィックス(-cオプション)情報が無視されることがあります。

以下のジョブネットが可変パラメタありのメッセージ事象を受け取った場合に、可変パラメタやサフィックス情報が無視されます。

メッセージ事象を受け付けられないジョブネットについて

可変パラメタ(-pオプション)やサフィックス(-cオプション)を指定した場合に、メッセージ事象が受け付けられないことがあります。

以下に、メッセージ事象が受け付けられない場合の、ジョブネットの設定や状態の組み合わせを示します。

なお、通常のメッセージ事象の受け付けについては、“14.4.3 メッセージ事象の受け付けについて”を参照してください。

メッセージを受信するジョブネットの状態
(複写元ジョブネットの状態)

複写起動された
ジョブネットの状態

メッセージ事象のカウント

備考

可変パラメタありの場合

可変パラメタおよびサフィックスありの場合

実行中でない

実行中/終了遅延/警告

×

  

異常終了/強制終了でない

異常終了/強制終了

×

*1

実行中/終了遅延/警告

実行中でない

×

×

*2

停止中

停止中でない

×

×

  

  ○:メッセージ事象は通常の場合と同様に受け付けられる
  ×:メッセージ事象は受け付けられない
  *1:異常終了は、[確認操作の詳細設定]ウィンドウの[ジョブネットの確認操作を有効とする]が
      設定されている場合。
      強制終了は、[確認操作の詳細設定]ウィンドウの[ジョブネットの確認操作を有効とする]および
      [強制終了を確認操作の対象とする]が設定されている場合。
  *2:[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートの[ジョブネット実行中も有効]に
      チェックがある場合でも、メッセージ事象は受け付けられません。