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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.4 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

3.8.1 HUB監視機能

NIC切替方式を運用する上での、HUB監視機能を設定します。HUB監視機能の設定は以下の手順で行います。

図3.6 HUB監視機能の設定手順

3.8.1.1 監視先情報の設定

HUB監視機能の監視先を設定します。本設定にはhanetpollコマンドを使用します。詳細は“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。

3.8.1.2 HUB監視機能の有効化

HUB監視機能を有効にします。本設定には、hanetpoll on コマンドを使用します。hanetpoll on コマンドを実行すると、HUBに対するpingコマンドが実行されます。

注意

なお、NIC切替方式では物理インタフェースの活性化を行った後に監視を開始するため、リンクアップの待ち時間(図3.7 HUB監視機能基本シーケンスのIDLE秒)が経過するまではpingが失敗しても伝送路異常とはみなしません。リンクアップに要する時間は接続するHUBの種別に依存するため、HUBが故障していないにもかかわらず伝送路監視に失敗する場合には、必要に応じてhanetpoll on コマンドの-pパラメタで待ち時間を延長してください。

監視先情報の設定を行った仮想インタフェースが活性化されているときにhanetpoll onコマンドを実行した場合は、即時にHUB監視が機能します。

監視先情報の設定を行った仮想インタフェースが活性化されていないときにhanetpollコマンドを実行した場合は、HUB監視は有効にはなりません。

また、HUB監視機能を有効化した後、監視先情報の設定を行った仮想インタフェースを活性化した場合も、HUB監視機能は有効にはなりません。HUB監視機能の無効化を行い、仮想インタフェースを活性化した後、再度、HUB監視機能を有効化してください。

詳細については“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。

図3.7 HUB監視機能基本シーケンス


図3.8 HUB監視機能異常シーケンス

3.8.1.3 NIC切替方式の伝送路異常検出時間

NIC切替方式におけるHUB監視機能の伝送路異常検出シーケンスについて説明します。

以下に、監視先が1つの場合と、監視先が2つでHUB-HUB間監視を使用する場合についてそれぞれ説明します。

監視先が1つの場合:

異常検出時間 = 監視間隔(秒)×(監視回数 - 1)+ pingのタイムアウト時間(*1)+ (0~監視間隔(秒))

*1: 監視間隔が1秒の場合は1秒となり、それ以外の場合は2秒となります。

デフォルトの設定値では以下のようになります。
5秒 × (5回 - 1) + 2秒 + 0~5秒 = 22秒~27秒

監視先が2つの場合:

異常検出時間 = 監視間隔(秒)×(監視回数 - 1)+ pingのタイムアウト時間(*2)× 2回 + (0~監視間隔(秒))

*2: 監視間隔が2秒の場合は1秒となり、それ以外の場合は2秒となります。

デフォルトの設定値では以下のようになります。
5秒 × (5回 - 1) + 2秒 × 2回 + 0~5秒 = 24秒~29秒

図3.9 伝送路異常検出シーケンス(監視先が1つの場合)


図3.10 伝送路異常検出シーケンス(監視先が2つの場合)

リンク状態監視機能を有効にしている場合、プライマリの監視先(監視先1)に対するpingが失敗した直後にリンク状態のチェックを行います。また、リンクダウンを検出した場合、伝送路異常と判断します。運用NICのリンクダウンを伴う異常検出時間は以下のとおりです。

監視先が1つの場合:

異常検出時間 = pingのタイムアウト時間(*3) + (0~監視間隔(秒))

*3: 監視間隔が1秒の場合は1秒となり、それ以外の場合は2秒となります。

デフォルトの設定値では以下のようになります。
2秒 + 0~5秒 = 2~7秒

監視先が2つの場合:

異常検出時間 = pingのタイムアウト時間(*4)× 2回 + (0~監視間隔(秒))

*4: 監視間隔が2秒の場合は1秒となり、それ以外の場合は2秒となります。

デフォルトの設定値では以下のようになります。
2秒 × 2回 + 0~5秒 = 4秒~9秒

図3.11 リンクダウンを伴う伝送路異常検出シーケンス(監視先が1つの場合)


図3.12 リンクダウンを伴う伝送路異常検出シーケンス(監視先が2つの場合)

参考

  • ping監視は監視間隔(秒)で定期的に実行されるため、監視先が故障してから次のpingが実行されるまで、最大で監視間隔(秒)必要です。このため、故障発生時から検出までの時間は、最短で22秒、最長で27秒となります。また、リンクダウンを伴う伝送路異常検出の場合、システムログ等にNICのリンクダウンを知らせるメッセージ(NIC Link is Down等)が出力されてからGLSが伝送路異常を検出するまでの時間は、最短で2秒、最長で7秒となります。

  • 伝送路の異常監視を開始した直後(例えば、仮想インタフェース活性化またはNICの切り替え直後)は、リンクアップ待ち時間が経過するまで異常検出を待ち合わせます。

  • 仮想マシン機能の管理OSでGLSを使用する環境では、リンク状態監視機能によるNICのリンクダウンが検出できません。これは、リンク状態監視機能により、管理OSのNICのリンクダウンが検出されても、仮想スイッチを介して接続された、GLSが束ねる物理インタフェースにまでリンクダウンが通知されないためです。そのため、伝送路の切替えは、リンク状態監視機能ではなく、HUB監視機能による異常が検出された後、実施されます。

注意

実行したpingが30秒間無反応になった場合、pingのハングアップとして検出し、リトライを行わずに伝送路が異常になったと判断します。