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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.4 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

2.4.1 HUB監視機能

HUB監視機能とは、近隣のHUBに対してpingを一定間隔で実行し、伝送路に異常を検出した場合、またはpingのハングアップを検出した場合に、使用するインタフェースを切り替える機能です。1つの仮想インタフェースにつき2台まで登録が可能です。本機能は、NIC切替方式の場合のみ使用できます。

また、HUB-HUB間の伝送路監視を行うことも可能です。(HUB-HUB間監視機能)
HUB-HUB間監視を行うことにより、HUB-HUB間の伝送路異常を検出することができます。
インタフェースの切替え事象が発生した場合、HUB-HUB間の伝送路が異常な状態では通信不可能となりますが、これを未然に防ぐことができます。

注意

本機能は、実行したpingが30秒間無反応になった場合、pingのハングアップとして検出します。

参考

待機パトロール機能を使用する場合、待機パトロール機能がHUB-HUB間監視を兼ね備えているため、HUB-HUB間監視機能は未使用でも構いません。待機パトロール機能については、“2.4.2 待機パトロール機能”を参照してください。

HUB監視機能の概要を図2.34 HUB監視機能に示します。

図2.34 HUB監視機能

ポイント

  • 接続するHUBにIPアドレスが設定できない場合には、監視先としてルータや他ホストを設定することができます。
    ただし、このような場合には、監視先が停止した場合にping監視に失敗し切替えが発生する場合があるため、監視先を2つ設定し、かつ、HUB-HUB間監視を有効にしてください。
    これにより、設定した監視先の一方が停止した場合でも、他の監視先が動作していれば不要な切替えは発生しなくなります。

  • 以下の設定誤りがある場合、監視先IPアドレスとの通信が可能であっても異常を検出します。

    • 監視先のIPアドレスと仮想インタフェースのIPアドレスが異なるネットワークセグメントとなっている、かつ

    • GLSの仮想インタフェース以外のインタフェースにより、監視先のIPアドレスと通信できる場合

    経路異常が検出されることにより、設定誤りを早期に確認することができます。ただし、以下の環境の場合は検出できません。

    • OSがRHEL7である、かつ

    • 監視先のIPアドレスにIPv6を使用している場合

注意

  • HUB-HUB監視機能の設定方法については、“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。

  • 使用するHUBが1台の場合、監視先の設定は1つのみで設定することができますが、監視先であるHUBが故障した場合、冗長化しているすべての伝送路が使用できなくなるため、HUBが1台での運用は推奨しません。

2.4.1.1 HUB-HUB間監視機能を使用しない

HUB-HUB間監視機能を使用しない運用では、はじめにプライマリHUB(図2.35 HUB-HUB間監視なしのスイッチ/HUB1)に対してping監視を行い、プライマリHUBに対して異常を検出した場合に、現運用のNICを非活性化し、現待機NICを活性化します。現待機NICが活性化された後はセカンダリHUB(図2.35 HUB-HUB間監視なしのスイッチ/HUB2)に対してping監視を行います。

図2.35 HUB-HUB間監視なし

2.4.1.2 HUB-HUB間監視機能を使用する

HUB-HUB間監視機能を使用する運用では、はじめにセカンダリHUB(図2.36 HUB-HUB間監視あり(セカンダリ監視異常時)のスイッチ/HUB2)に対してping監視を行います。
セカンダリHUBに対して異常を検出した場合、セカンダリHUBへの監視に加え、プライマリHUB(図2.36 HUB-HUB間監視あり(セカンダリ監視異常時)のスイッチ/HUB1)への監視を開始します。(この時、セカンダリHUBへの監視が失敗した旨のメッセージ(872番)が出力されますので、原因を調査してください。)
プライマリHUBへの監視を開始した後は、セカンダリHUBとプライマリHUBの両方に対して交互に監視を行います。セカンダリHUBへの監視は復旧監視であり、セカンダリHUBの復旧が検出された時点でプライマリHUBへの監視を停止します。
セカンダリHUBとプライマリHUBの両方に対する一定間隔(デフォルトは5秒)の監視が一定回数(デフォルトは5回)連続で失敗した場合は、伝送路異常と判断します。なお、セカンダリHUBに異常があったことはメッセージ(872番)により通知されるため、プライマリHUBでの切替え事象が発生する前にセカンダリHUBの復旧を行うことが可能です。
また、伝送路異常に伴い、セカンダリインタフェースに切替えを行った後に、プライマリHUBに異常が検出された場合は、メッセージ(873番)が通知されます。

図2.36 HUB-HUB間監視あり(セカンダリ監視異常時)

図2.37 HUB-HUB間監視あり(プライマリ監視異常時)