OARSUsrコマンドは、List Creatorのトラブル発生時の調査用資料として、トラブルが発生したユーザの情報を一度にもれなく採取するためのコマンドです。このコマンドを、一般ユーザ用障害調査用情報採取ツールといいます。
OARSUsrコマンドを実行すると、障害調査用の情報が自動的に採取され、採取された情報が圧縮されたファイル(oapressu.far)が自動的に作成されます。この圧縮ファイルを、障害調査用情報として当社技術員へ提供します。
以下の情報が採取されます。
ログオンしたユーザの設定情報
ログオンユーザレジストリ情報
(HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Fujitsu\SystemWalker/OutputASSIST配下)
フォーマッティングログ(*1)
*1:採取するかどうかを選択できます。
フォーマッティング処理に関するトラブルが発生した場合は、 “13.3 フォーマッティングログを採取する”にしたがって事前にフォーマッティングログを採取しておいてください。
Windowsへのリモート帳票出力時、コネクタ連携出力時は、“13.3.4 prputprtコマンドの場合(帳票出力サーバがWindowsの場合)”、および“13.3.2 prputexコマンドの場合(帳票出力サーバがWindowsの場合)”にしたがってフォーマッティングログを採取します。
本コマンドは、Windowsでトラブルが発生したときに、トラブルが発生したユーザで実行してください。
障害調査用情報格納先フォルダには、空き容量100Mバイト以上のドライブ配下のフォルダを指定してください。
本コマンドは、複数同時に実行できません。OARSdtコマンドとも同時に実行できません。
一般ユーザ用障害調査用情報採取ツールを使用する場合、採取時の情報をコマンドで指定する方法と、障害調査用情報採取画面で指定する方法があります。
●画面で指定する場合
[記述形式]
障害調査用情報採取画面を設定するには、以下のコマンドを指定します。
OARSUsr
⇒障害調査用情報採取画面が表示されます。
[画面説明]
障害調査用情報採取画面では、以下の情報を設定できます。
注意
格納先フォルダ名にはUNC パス名(\\リモートホスト名\ パス名)を指定しないでください。
採取する障害調査用情報を選択します。以下のチェックボックスがあります。
ログオンしたユーザの設定情報(必須)
フォーマッティングログ
各チェックボックスをチェックしたときに採取される情報については、“13.2.1.1 採取される情報 ”を参照してください。
●コマンドで指定する場合
[記述形式]
コマンドの記述形式を示します。
[ ]は、省略できることを示します。
OARSUsr 障害調査用情報格納先フォルダ名 [ -all ] [ -w ] [ -m ]
[説明]
以下に、上記コマンドのオプションについて説明します。
障害調査用情報格納先フォルダ名を259バイト以内のフルパスで指定します。
オプションを指定する場合は、障害調査用情報格納先フォルダ名を必ず指定してください。
注意
格納先フォルダ名にはUNCパス名(\\リモートホスト名\パス名)を指定しないでください。
格納先フォルダ名に空白が含まれている場合は、「ダブルクォーテーション(")」で囲んで指定してください。
ログオンしたユーザの設定情報/製品情報以外の情報も採取する場合に指定します。
フォーマッティング処理に関するトラブルが発生した場合は、トラブルが発生したユーザで“13.3 フォーマッティングログを採取する”にしたがってフォーマッティングログを採取した後、本コマンドでこのオプションを指定してください。
省略すると、ログオンしたユーザの設定情報/製品情報のみ採取されます。
採取される情報については、“13.2.1.1 採取される情報”を参照してください。
障害調査用情報格納先フォルダにすでに同名の障害調査用圧縮ファイルが存在し、上書きする場合に指定します。
省略し、障害調査用情報格納先フォルダにすでに同名の障害調査用圧縮ファイルが存在した場合、コマンドはエラーになります。
ポップアップメッセージの表示を抑止する場合に指定します。
[記述例]
すべての情報を採取し、「C:\TEMP」に保存します。
OARSUsr "C:\TEMP" -all
復帰値を示します。
復帰値 | 意味 |
---|---|
0 | 正常終了しました。 |
-1 | 障害調査用情報採取ツールの起動に失敗しました。 |
-2 | すでに起動されています。2重起動はできません。 |
-4 | 障害調査用情報格納先フォルダが指定されていません。 |
-5 | 障害調査用情報格納先フォルダのパスが長すぎます。 |
-6 | 障害調査用情報格納先フォルダに指定できない文字(/ , ; * ? “ < > |)が含まれています。 |
-7 | 障害調査用情報格納先フォルダがフルパスで指定されていません。 |
-8 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダと同じファイル名が存在します。 |
-9 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダは存在しません。 |
-10 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダのデバイスが準備されていません。 |
-11 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダの中にOA_FLDのファイルが存在します。 |
-12 | 障害調査用情報格納先フォルダの作成に失敗しました。 |
-13 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダの空き容量が推奨値(100Mバイト)よりも小さいです。 |
-14 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダに圧縮ファイルが存在します。 |
-15 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダに圧縮ファイルと同名のフォルダが存在します。 |
-16 | 指定された障害調査用情報格納先フォルダへのアクセスが拒否されました。 |
-17 | コマンドライン引数の指定が正しくありません。 |
-18 | 存在しないオプションが指定されました。 |
-19 | メモリ不足のため、動作できませんでした。 |
-20 | ディスク容量不足のため、動作できませんでした。 |
-21 | 処理中にエラーが発生しました。 |
-22 | 内部エラーが発生しました。 |
本コマンドを実行すると、指定した障害調査用情報格納先フォルダ配下に一時的に「OA_FLD」フォルダが作成され、情報採取が完了すると 「OA_FLD」フォルダが削除されます。
すでに同名のフォルダが存在する場合は、以下の形式で自動的に名前を変更します。
OA_FLD_bkupxxx(xxx:000から始まる通番)
通番の最大数は999です。999を超える場合は、エラーになります。
本コマンド実行中は、「OA_FLD」フォルダ配下を参照しないでください。参照していると「OA_FLD」フォルダの削除に失敗するため、不要なディレクトリが残ります。
障害調査用情報採取中にエラーが発生した場合でも、処理を続行し、採取できる情報のみ採取します(ただし、メモリ不足やディスク容量不足など資源不足のエラーが発生した場合は、処理を中止します)。