バックアップ製品と連携して外部バックアップを実行するためには、以下の準備が必要です。以下の準備を1度実施することで、外部バックアップが定期的に実行されます。
外部のバックアップサーバと外部のバックアップ媒体を準備します。
外部バックアップのためには、外部のバックアップサーバを用意し、PRIMEFLEX for HA Databaseのネットワークに接続します。
外部のバックアップ媒体は、外部のバックアップサーバにマウントします。以下に、製品ごとの1世代あたりに必要な最大の容量を示します。
データベースインターフェース | 1世代あたりに必要な最大容量 | |||
---|---|---|---|---|
2.6TB用(注) | 2.6TB用+(注) | 5.2TB用(注) | 5.2TB用+ (注) | |
Open SQL | 4.2TB | 6.3TB | 6.3TB | 10.7TB |
Native SQL | 5.0TB | 9.4TB | 9.4TB | 18.2TB |
注)以下の製品のモデルを表します。詳細は“1.1.3 基本スペック”を参照してください。
・2.6TB用 : 16コアモデル(2.6TB用)または36コアモデル(2.6TB用)。
・2.6TB用+ :16コアモデル(2.6TB用) 容量増設オプションを追加した場合。または36コアモデル(2.6TB用)に容量増設オプションを追加した場合。
・5.2TB用 : 16コアモデル(5.2TB用)または36コアモデル(5.2TB用)。
・5.2TB用+: 16コアモデル(5.2TB用) に容量増設オプションを追加した場合。または36コアモデル(5.2TB用)に容量増設オプションを追加した場合。
ポイント
外部バックアップの所要時間を短縮するために、以下の構成を推奨します。
ネットワークは10GbEで構成する。
外部のバックアップ媒体はRAID 1+0構成にするなど、高速な媒体を使用する。
バックアップ製品をインストールします。
外部のバックアップサーバにバックアップ製品のサーバ機能をインストールします。
PRIMEFLEX for HA DatabaseのServerUnit#1とServerUnit#2に、それぞれ別々にスーパーユーザーでログインします。ログイン方法については、“付録G サーバへのログイン方法”を参照してください。ServerUnit#1とServerUnit#2にバックアップ製品のクライアント機能を転送してインストールします。インストール先は、/opt配下に作成したディレクトリを指定してください。バックアップ製品のインストール方法は、バックアップ製品のドキュメントに従ってください。
PRIMEFLEX for HA Databaseにインストールするバックアップ製品で使用可能なポートは、5432および26500~26999です。これらのポートは購入時には開放されていないため、バックアップ製品の機能もしくはOSの機能を用いて、必要なポートを開放してください。
バックアップ製品にバックアップジョブを登録します。
バックアップ製品には、バックアップジョブという機能があり、一度設定を行うことで定期的に外部バックアップを実行することが可能です。バックアップジョブは、ServerUnit#1とServerUnit#2のそれぞれに登録します。
バックアップジョブには、以下の項目について設定します。
バックアップジョブのスケジュールを登録
バックアップジョブでは、実行する周期や開始時刻を設定してください。実行する周期は、お客様の運用に合わせて設定してください。
外部バックアップのディレクトリを登録
それぞれのバックアップジョブがバックアップするディレクトリとして、以下を登録します。
データ | バックアップジョブ | バックアップ元 | バックアップ先 | 1世代あたりの容量 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
2.6TB用(注) | 2.6TB用+(注) | 5.2TB用(注) | 5.2TB用+ (注) | ||||
Open SQL | ServerUnit#1のジョブ | ServerUnit#1上の以下2つ。 | 共通のバックアップ先 | 4.2TB | 6.3TB | 6.3TB | 10.7TB |
ServerUnit#2のジョブ | ServerUnit#2上の以下2つ。 | ||||||
Native SQL | ServerUnit#1のジョブ | ServerUnit#1上の以下2つ。 | ServerUnit#1用のバックアップ先 | 2.5TB | 4.7TB | 4.7TB | 9.1TB |
ServerUnit#2のジョブ | ServerUnit#2上の以下2つ。 | ServerUnit#2用のバックアップ先 | 2.5TB | 4.7TB | 4.7TB | 9.1TB |
注)以下の製品のモデルを表します。詳細は“1.1.3 基本スペック”を参照してください。
・2.6TB用 : 16コアモデル(2.6TB用)または36コアモデル(2.6TB用)。
・2.6TB用+ :16コアモデル(2.6TB用) 容量増設オプションを追加した場合。または36コアモデル(2.6TB用)に容量増設オプションを追加した場合。
・5.2TB用 : 16コアモデル(5.2TB用)または36コアモデル(5.2TB用)。
・5.2TB用+: 16コアモデル(5.2TB用) に容量増設オプションを追加した場合。または36コアモデル(5.2TB用)に容量増設オプションを追加した場合。
バックアップ実行前とバックアップ実行後に実行するコマンドを登録
バックアップジョブには、バックアップ実行前に実行するコマンドと、バックアップ実行後に実行するコマンドを登録できる機能があります。以下のコマンドをバックアップ製品からアクセスできるディレクトリにコピーし、バックアップジョブに登録します。
状況 | コマンド名 |
---|---|
バックアップ実行前に実行するコマンド | /opt/FJSVaplamdb/bin/apl_prebackup_from_StorageUnit.sh |
バックアップ実行後に実行するコマンド(注) | /opt/FJSVaplamdb/bin/apl_postbackup_from_StorageUnit.sh |
注) バックアップ製品ごとにカスタマイズすることを推奨します。
例
バックアップ製品でエラーが発生した際にAppliance Managerにメッセージを表示する場合
「バックアップ実行後に実行するコマンド」をカスタマイズすることで、外部バックアップ中にバックアップ製品でエラーが発生した場合に、Appliance Managerのメッセージウィンドウに「外部バックアップに失敗しました。」のメッセージを出力させることができます。
この場合、以下のようなコマンドを作成し、バックアップ製品からアクセスできるディレクトリに置いて実行権を付けた後、バックアップジョブに登録します。
バックアップ実行後に実行するコマンドの例(NetVault Backup使用時)を以下に示します。
#!/bin/bash if [ "${NV_STATUS}" = "FAILED" ] ; then /opt/FJSVaplamdb/bin/apl_postbackup_from_StorageUnit.sh 1 …(1) exit $? else /opt/FJSVaplamdb/bin/apl_postbackup_from_StorageUnit.sh 0 …(2) exit $? fi
(1)、(2)で、/opt/FJSVaplamdb/bin/apl_postbackup_from_StorageUnit.shに渡す引数は、以下のとおりです。
状況 | 引数 |
---|---|
外部バックアップに成功した場合 | 0 |
外部バックアップに失敗した場合 | 1 |
参考
外部バックアップ実行前に実行するコマンドが失敗した場合の動作や、外部バックアップに失敗した場合に、外部バックアップ実行後に実行するコマンドが実行されるかどうかは、バックアップ製品によって異なります。以下の条件を満たすように、バックアップ製品側で設定してください。
注)バックアップ製品によっては、バックアップジョブを中止した場合、バックアップ実行後に実行するコマンドが自動では実行されません。
そのときは、バックアップジョブを中止したServerUnitにおいて、手動で以下のコマンドを実行してください。
/opt/FJSVaplamdb/bin/apl_postbackup_from_StorageUnit.sh 1
外部バックアップ運用時の注意
外部バックアップ運用時の注意事項について説明します。
PRIMEFLEX for HA Databaseが以下の状態の場合、外部バックアップが実行できないことがあります。
ストレージに異常が発生している場合
Native SQLインターフェースで、一方のサーバに異常が発生している場合、または、DB管理モード中の場合
Open SQLインターフェースで、両方のサーバに異常が発生している場合
外部バックアップ実行中には、以下の操作は実行できません。
リカバリー
バックアップ
容量追加の[領域再構成]ボタンの操作
上記のいずれかの操作を実施する場合には、外部バックアップを中止してください。
外部バックアップ実行中に以下の操作を実行すると、外部バックアップが失敗します。
シャットダウン
修正適用
修正削除
ユニットの切り離し
ネットワークの変更
管理ネットワークの経路設定
上記のいずれかの操作を実施する場合には、外部バックアップを中止してください。
Open SQLインターフェースの場合には、片方のサーバだけでバックアップを取得すればよいため、ServerUnit#1またはServerUnit#2のいずれかでバックアップ実行前に実行するコマンドが失敗しますが、問題はありません。
Appliance Managerに「外部バックアップに失敗しました。」のメッセージが表示された場合、または、バックアップ製品にエラーが出力されている場合は、外部バックアップに失敗しています。以下の手順で対処を実施してください。
Appliance Managerの対処ウィンドウに表示されている対処方法、または、バックアップ製品のドキュメントに従って対処を実施する。
外部のバックアップ媒体上に取得したバックアップを破棄する。
再度“表D.1 バックアップジョブの一覧”で示すServerUnit#1およびServerUnit#2のバックアップジョブを作成し、実行する。その際、ServerUnit#1とServerUnit#2のバックアップジョブの開始時刻は同一にする。
外部バックアップが失敗した場合に、バックアップを途中から再開する機能は使用しないでください。
リカバリーボタンによるリカバリー、または、外部バックアップを用いたリカバリーを実施した後は、必ずPRIMEFLEX for HA Databaseのバックアップを実施してから外部バックアップを実行してください。PRIMEFLEX for HA Databaseのバックアップを実施する前に外部バックアップを実行した場合、この外部バックアップのデータがリカバリー実施以前のデータとなっている可能性があり、この外部バックアップのデータでは目標の復旧時点を保証できません。
外部バックアップを多重実行する運用や、外部バックアップ時間が24時間以上となるような運用は行わないでください。
外部バックアップを用いてリカバリーを行う場合、最後にPRIMEFLEX for HA Databaseのバックアップが完了した時点にリカバリーされます。ただし、PRIMEFLEX for HA Databaseのバックアップが完了してから「バックアップを終了しました。」のメッセージが出力されるまでの間には、タイムラグがあり、その間に発生したトランザクションは保証されません。
バックアップ開始時点にリカバリーしたい場合は、PRIMEFLEX for HA Databaseのバックアップの開始から終了まで、業務を停止してください。