バックアップ・リストアは、物理OS、VMホストのシステムイメージをバックアップし、リストアする機能です。
システムイメージのバックアップ・リストアは、物理OS、VMホストのシステムイメージを、ネットワーク経由で管理サーバ上のディスクにバックアップし、リストアする機能です。
バックアップしたシステムイメージは、以下の用途で使用できます。
ソフトウェア保守
パッチの適用、およびソフトウェアの追加や変更などの保守作業を行う前にシステムイメージをバックアップし、トラブルに備えます。
ハードウェア保守
ディスク故障などのハードウェアトラブルに備えます。
注意
システムイメージのバックアップ・リストアでは、ブート環境(ローカル/SAN/iSCSI)およびRAID構成にかかわらず、管理対象サーバのBIOSで認識された1台目のディスク(起動ディスク)の内容だけ、バックアップ・リストアの対象になります。
なお、内蔵ディスクブート+SANデータ構成である場合は、イメージ操作対象ディスクを設定する必要があります。
詳細は、「9.1.13 イメージ操作対象ディスクの変更」を参照してください。
2台目以降のディスク(データディスク)の内容はバックアップ・リストアできません。ほかのバックアップソフトウェアや、ストレージ装置のコピー機能を利用して、データのバックアップ・リストアを行ってください。
なお、1台目のディスクに複数の区画(Windowsのドライブ、Linux/VMwareのパーティション)を設定している場合、すべてのパーティションがバックアップの対象になります。
ディスク | Windowsのディスク名 | Windowsのドライブ名 | バックアップ・リストア対象 |
---|---|---|---|
1台目 | ディスク 0 | C: | ○ |
E: | ○ | ||
2台目 | ディスク 1 | D: | × |
F: | × |
バックアップ・リストアでは、管理対象サーバを再起動するため、業務を停止する必要があります。
リストアは、バックアップを採取したサーバにだけ実行できます。
先頭のパーティションは、基本パーティションである必要があります。
VMホストに対する本製品によるバックアップ・リストア時の動作は、サーバ仮想化ソフトウェアごとに異なります。
VMホストの起動ディスク上にVMゲストが存在する場合の動作については、「設計ガイド VE」の「D.3 利用する製品別の機能」を参照してください。
起動ディスク上にあるVMゲストをバックアップ・リストア対象にしない動作の場合、VMゲストの格納先を起動ディスク以外のディスク上にする運用にしてください。
VMホストをバックアップする場合、リストア後にサーバ仮想化ソフトウェアの構成管理が正常に行えるようにするため、VMゲストもバックアップしてください。バックアップ時には、VMメンテナンスモードが自動的に設定されるので、VMホストをVMメンテナンスモードに設定できる状態にしてください。
サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能を使用しているVMホストをバックアップする場合、共有ディスク上にあるVMゲストをすべてほかのVMホストに移動してからバックアップしてください。
バックアップしたあとは、ほかのVMホストに移動したVMゲストを元のVMホストに戻してください。
VMゲストのバックアップ方法と移動方法、およびVMメンテナンスモードについては、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアル、および「設計ガイド VE」の「D.3 利用する製品別の機能」を参照してください。
VMホストをリストアする場合、リストア後にサーバ仮想化ソフトウェアの構成管理が正常に行えるようにするため、VMホストのバックアップ時にバックアップしたVMゲストをリストアしてください。ただし、VMホストをバックアップしたあと、サーバ仮想化ソフトウェアの構成管理に影響する変更(VMゲスト構成情報の格納場所変更、追加、削除など)がないとき、VMホストのバックアップ時にバックアップしたVMゲストをリストアする必要はありません。
リストア時には、VMメンテナンスモードが自動的に設定されるので、VMホストをVMメンテナンスモードに設定できる状態にしてください。
サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能を使用しているVMホストをリストアする場合、共有ディスク上にあるVMゲストをすべてほかのVMホストに移動してからリストアしてください。
リストアしたあとは、ほかのVMホストに移動したVMゲストを元のVMホストに戻してください。
VMゲストのリストア方法と移動方法、およびVMメンテナンスモードについては、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアル、および「設計ガイド VE」の「D.3 利用する製品別の機能」を参照してください。
管理対象サーバを削除した場合、そのサーバからバックアップしたシステムイメージも削除されます。
システムイメージのバックアップ・リストア、または削除中は、同じ管理対象サーバのシステムイメージ(異なる世代も含む)を指定してバックアップ・リストア、削除はできません。
クローニングイメージを配付し、サーバ名を変更したサーバに対してシステムイメージをリストアする場合、サーバリソースツリーに表示されている"サーバ名"とイメージ一覧のシステムイメージ一覧に表示されている"サーバ名"が、変更後のサーバ名と一致しているか確認したあと、リストアしてください。
管理対象サーバのWatchdog(一定時間OSが応答しない状態をハングと検出して、自動的にリセットまたは電源OFFする機能)が有効になっていると、バックアップ・リストア中に自動的にリセットまたは電源OFFされることがあります。
バックアップ・リストアを行う前に、設定を無効にしてください。
詳細は、管理対象サーバのマニュアルを参照してください。
リストア時に、バックアップ先のディスクサイズがシステムイメージをバックアップしたときと異なる場合、バックアップしたサーバよりもサイズが大きいディスクのときはリストアできます。
リストア後はバックアップ時のディスクサイズを超える領域は未使用領域になります。未使用領域は新たにパーティションを作成すれば使用できます。
バックアップしたサーバよりもサイズが小さいディスクへのリストア、バックアップ・リストアを使用する切替え・切戻し、およびクローニングはできません。
予備サーバ、クローニングを行うサーバについてもディスクサイズを合わせてください。
システムイメージのバックアップ・リストア、クローニングイメージの採取・配付は同時に4つの処理まで実行できます。5つ以上の処理が要求された場合、実行中の処理が完了するまで待機状態になります。
なお、バックアップ・リストア方式によるサーバ切替え・切戻し中に実行されるリストア処理も待機状態になります。バックアップ・リストア方式の自動リカバリまたは手動切替えを利用する場合、同時に実行するシステムイメージのバックアップ・リストア、クローニングイメージの採取・配付の処理数は3つまでにしてください。
PRIMEQUESTのサーバに対してバックアップ・リストアを行う際は、対象サーバのブートオプションの設定とBIOSのブートオプションの設定が一致しているか確認してください。異なる場合は設定を一致させてから処理を行ってください。ブートオプションの変更方法については、「9.1.10 ブートオプションの変更」を参照してください。
また、PRIMEQUEST 1000 Type2の場合、UEFIのx2APICモードを無効にしてください。
PRIMEQUEST 2000シリーズはWindowsマネージャーの場合だけバックアップとリストアができます。オンボードLANのNICだけPXEブートに対応しています。
管理対象サーバがLinuxで、by-id名を使用してディスクを認識している場合、採取したシステムイメージをディスク交換後にリストアできません。