本製品の管理対象のSolarisゾーンリソースプール
本製品では、1大域ゾーンあたり1つのSolarisゾーンリソースプールを対象としてリソース管理します。
対象のリソースプールは変更できます。
詳細は、「C.7.1 定義ファイルの作成」を参照してください。
Solarisゾーンでの非大域ゾーンの名前について
本製品で管理する非大域ゾーンの名前は、一意性を持つように設定してください。
同名の非大域ゾーンが存在する場合、誤って同一の非大域ゾーンと認識される可能性がありますので注意してください。
ただし、同名の非大域ゾーンのすべてをL-Serverとして管理する場合は同じ名前にできます。
Solarisゾーンでuuidが変化する操作について
本製品では、uuidを使って非大域ゾーンを管理しています。
Solarisゾーンでは、OSに対しuuidを設定しているため、非大域ゾーンへのOSの再インストールや、非大域ゾーンの起動する大域ゾーンの変更といった操作をすると、非大域ゾーンのuuidが変化します。uuidが変化した場合、L-Serverとして管理しているかどうかによって動作が異なります。
L-Serverとして管理していない非大域ゾーンの場合
uuidが変化する操作をすると、uuidが変化した非大域ゾーンが、新しい非大域ゾーンとして認識されます。その結果、非大域ゾーンに設定したラベル、コメント、および、ホームポジションの設定がクリアされた状態になりますので、再度設定してください。
L-Serverとして管理している非大域ゾーンの場合
uuidが変化する操作をすると、uuidが変化した非大域ゾーンが検出された際、非大域ゾーンの名前で同一かどうかが判断されます。同一と判断された場合、uuid変化前に設定した設定値がそのまま引き継がれます。
同名の非大域ゾーンが複数ある場合など、同一と判断されなかった場合は、新しい非大域ゾーンとして認識されます。この場合、L-Serverとの関連付けや、L-Platformへの取り込みが再度必要です。
L-PlatformからL-Serverを解除し、L-Serverを削除したあと、L-Serverとの関連付けを行い、L-Platformへ取り込んでください。
L-PlatformからL-Serverの解除は、「運用ガイド CE」の「7.2.3.3 L-Serverの解除」を参照してください。
L-Serverの削除は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.4 削除」を参照してください。
L-Platformへの取り込みは、「運用ガイド CE」の「7.2.3 L-Platformへの取り込み」を参照してください。
マイグレーション操作について
本製品では、非大域ゾーンを大域ゾーン間で移行する機能(コールドマイグレーションのみ)を提供しています。この機能は、以下の操作をすることで実現しています。
移行する非大域ゾーンが停止していること。
移行元、移行先のサーバのシステム環境は、同一であること。
移行元で、非大域ゾーンを切り離します。
ここでは、zoneadm detachを行っています。
移行元の大域ゾーンで、非大域ゾーンのゾーンパスにマウントされていたディスクを、アンマウントします。
移行先の大域ゾーンで、非大域ゾーンの使用するゾーンパスに、vfstabの定義に従ってディスクをマウントします。
非大域ゾーンの使用するゾーンパスは、登録したディスクリソースの定義に従います。
移行先の大域ゾーンで、非大域ゾーンを作成します。
移行先の大域ゾーンで、非大域ゾーンを接続します。
ここでは、zoneadm attachを、-uオプションを付けて行っています。
このとき、以下の点から通常運用時の操作は推奨しません。危険性を考慮したうえで、実施してください。
ディスクリソースや大域ゾーンの設定が誤っている場合、移行先のサーバで誤ったディスクを使って非大域ゾーンを接続しようとします。結果、非大域ゾーンのデータが壊れたり、非大域ゾーンが消えたりします。
マイグレーション操作に失敗した場合、操作前の状態に自動的にロールバックしません。
移動先、移動元の大域ゾーンにログインして復旧してください。
この時、移動先から順に復旧するようにしてください。移動元から復旧すると、両方の大域ゾーンからディスクにアクセスし、データが壊れてしまう可能性があります。
L-ServerのCPU性能とCPU数について
L-ServerのCPU性能とCPU数が、非大域ゾーンに設定されたcap値から算出したCPU性能とCPU数と異なる場合、cap値から算出されたCPU性能とCPU数で、L-ServerのCPU性能とCPU数を更新します。
ただし、L-ServerのCPU性能とCPU数から算出したcap値と、非大域ゾーンに設定されたcap値が同じ場合、L-ServerのCPU性能とCPU数は更新されず、元の値のままになります。
非大域ゾーンのcap値を変更したときのL-ServerのCPU性能とCPU数について
非大域ゾーンのcap値を増加させたとき、L-ServerのCPU性能が、cap値から算出したCPU性能ではなく、cap値を変更する前の値のままになる場合があります。
本現象が発生した場合、cap値をさらに1増加させてください。これにより、L-ServerのCPU性能が変わったことを確認したあと、本来のcap値に変更してください。
L-Serverの仕様変更について
L-Serverの仕様変更でCPU性能を0.1GHz増やし、CPU数を変えなかったとき、L-Serverの設定値だけが変更され、非大域ゾーンのcap値が変更されないままになる場合があります。
確実にcap値を変更するためには、0.2GHz以上変更するようにしてください。
複数の大域ゾーンから共有されているLUNについて
複数の大域ゾーンからLUN共有されている、かつ、仮想L-Serverが使用するゾーンパスに対応しているLUNを、他の大域ゾーンからマウントしないでください。当該LUNに対応するディスクを使う仮想L-Serverを配備したときに、LUNへのアクセスが競合し、データが破損する可能性があります。
非大域ゾーンの課金
非大域ゾーンに対して、CPUおよびメモリをメータリング、利用料金機能の対象とする場合、非大域ゾーン構築時に以下の設定を行う必要があります。
メータリング、利用料金機能を使用しない場合、またはCPUおよびメモリを課金対象にしない場合は必要ありません。
課金対象 | 必要な設定 |
---|---|
CPU | CPUシェア設定を行う |
メモリ | メモリキャッピングの設定を行う |
なお、CPUシェア、メモリキャッピングについては、OS付属のドキュメントを参照してください。